【競輪入門#2】どれくらいでバテるのかを読み解く方法
あなたは全力疾走を何秒できますか?
あなたは全力疾走を何秒できますか?
あっけないのですが、これが今回の話における答えです。ある程度運動をしている人でも、まあ10秒前後。運動をあまりしていない人だと5秒とかそれくらいになってしまうかもしれません。人間、いや、動物の筋肉には最大出力を維持できる時間が限られています。これは前回説明したとおりです。
ですので、まずそもそもですが、競輪を予想するときに出走する選手の「全力疾走できる時間」を理解しておく必要があります。これが本当に競輪を予想するときに一番最初に考えなくてはいけないことなのです。
ただ、「全力疾走できる時間」なんて出走表や新聞のどこにも書いてありません。ですが、そのかわりに「どれだけ全力疾走した(かもしれない)距離」に関する情報は書いてあります。
競輪選手は先頭を走ると風圧を受けますが、誰かの後ろにいると風圧を避けることで全力疾走を回避したまま追走することができます。ですので逆に、先頭で走り続けた距離≒時間こそが「全力疾走できる時間」としておおまかに示せる、というわけです。
では、どのようにそれを新聞から読み解くのでしょうか。
BだけではなくJ、Hもしっかり確認しよう
まずはJ、H、Bです。新聞によってはBのみだったり、JHBの合計数を載せたりしています。個人的にはそれぞれバラバラに入手できたほうがよいです。この情報がすべての競輪場分手に入るサイトがあります。赤競提供の「¥JOY✕プロスポーツ」です。ここならすべての競輪開催のレース分、JHB数を閲覧することができます。
Jは残り1周半時点での先頭通過、Hは残り1周時点での先頭通過、Bは残り半周時点での先頭通過回数をそれぞれ一定集計期間内で集計されたものとなります。
大半の競輪場は1周400mであるため、ざっくりJ数は「残り600m以前から先頭で仕掛けている回数」、H数は「残り400m以前から先頭で仕掛けている回数」、B数は「残り200m以前から先頭で仕掛けている回数」ということになります。
競輪ファンの多くは、B数しか見ません。なぜなら、B数しか掲載されていない新聞やサイトばかりだからです。しかしこれでは200m時点での先頭しかわかりません。早めの捲りもこれに含まれてしまいます。逃げて展開を作っている回数を見たいのであればJ数やH数もしっかり確認するべきです。B数が同数でも、J数やH数に違いがあれば、先行する可能性の高い選手がどちらかをシンプルに見極めることができます。
補助的に使うべき指標に「逃」と「捲」があります。どちらも連対したときの戦法回数を一定期間集計したものですが、たとえば同じB数が10の選手であったとしても「逃1,捲5」の選手と「逃5、捲1」であれば、どちらが先行しにいきやすいかは違うでしょう。B数はあくまで残り200m時点での先頭通過を集計しています。残り1周H前後(残り400m)で先頭を狙っていたのか、B前(残り280m付近)で捲って先頭を目指したのか、仕掛け位置がこれだけでも100m以上は違うわけです。
もちろん、普段より仕掛ける位置が長ければ、どこかでスタミナが切れて失速します。誰が逃げるのかを含めて、普段から仕掛けている位置を理解することで、それを想像することができます。
次回は実践編です。実例をもとに予想でどう使うのかを見てみましょう。
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