シニョ

絵を描いたり文を書いたり集中力を欠いたりしています。

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マガジン

  • シニョの旅〜The Beautiful World〜

    2017年11月20日から30日に山陰〜九州を10泊11日で謎旅行しました。せっかくなので絵と文と写真でふんわりとまとめようかと。だらだらとやります。

最近の記事

「限りなく透明に近い烏賊の国」

関門海峡を渡ったバスは九州自動車道を西に進む。昏々と眠る僕を博多バスターミナルまで運び、そして降ろす。時間は朝の7時ちょっと前。 博多駅のコインロッカーに荷物を放り込み、珈琲を飲みながら4日目の計画を整理、最初の目的地へ向かう電車の時間をチェックする。向かう先は佐賀県。福岡県に来たばっかりだとう言うのに、いきなり福岡県を出ていくことになるわけだ。 珈琲を飲み干した僕は博多駅の構内で軽く迷いながらも電車を乗り継ぎ唐津へ降り立つ。人生初めて佐賀の地を踏んだ瞬間であるが、感慨に

    • 「漆黒の国」

      宍道湖で沈むともなく緩やかに消えていった太陽を尻目に、鳴り続ける腹をなだめながら、僕は島根最後の夕餉を求めて歩き始めた。朝から降り続ける雨は、飽きもせず地面を濡らし路面を黒々と染めている。島根最後の食事は決めていた。日本海の赤い宝石ことノドグロである。「なんだその二つ名は、ジオン軍かよ」という気持ちはグッと喉の奥に飲み込んで、相棒の薦めるお店に足を運ぶ。カウンターにひとり座り、地酒を呷りながら待っていると塩焼きにされて現れた赤い宝石。スッと箸を入れると、得も言われぬ弾力で

      • 「千の鳥が見守る国」

        島根の県庁所在地・松江のシンボルといえばやはり松江城。日本に数多の城あれど、往時の天守閣が現存するのは12しかなく、さらに国宝に指定されているのはたったの5つのみである。そのうちの1つが、ここ松江城なのじゃ!!と言うことなので亀田山(標高29m)をせっせと登る。 その頂きで僕を出迎えた国宝天守閣。雨で濡れた瓦と板張りの壁は、よりねっとりと黒さを増していた。以前訪れた松本城も同じように黒黒とした出で立ちで、別名「烏城」なんて呼ばれてるけれど、松江城の別名は「千鳥城」。千鳥

        • 「鏡の国」

          降り続ける雨で当初の予定が狂い、急遽行くことにしたのが松江駅から路線バスで30分ほどの場所にある八重垣神社。実質2日目にして既に3社目のお参りでどんだけ神頼みするんだよ…という感じだけど、この頃に一人旅において神社ってのは中々に楽しめるアミューズメントパークでもあるということに僕は気づいたのです。つまりこんなのはまだまだ序の口なのです。 そんな八重垣神社の奥の森にあるのが「鏡の池」。ここで楽しめるアトラクション、それが社務所で頂いた和紙を池の水に浮かべると、水を吸った和

        「限りなく透明に近い烏賊の国」

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        • シニョの旅〜The Beautiful World〜
          12本

        記事

          「雨と珈琲の国」

          玉造温泉駅から特急やくもに乗り込んで松江へ。 前日考えてた予定では松江駅から堀川巡りで船に乗って松江城行って…という感じだったけど朝からの雨は止む気配なし。旅の相棒に聞いても「マツエハアメデス」としか言わない。 空を見上げると頼んでもないのに次から次へと降り落ちてくる雨粒。それらの一部はダムに貯められ、一部は大地に染み込む。そして幾重もの地層を通過し地下深くに湛えられ、長い時間を経て再び地上に顔を出し、僕らの手元に飲料水として還ってくる。この日僕が飲んだ数杯の珈琲もいつ

          「雨と珈琲の国」

          「玉作りし湯の国」

          3日目の朝、旅館の豪華な朝食を平らげてチェックアウト。そこかしこで温泉の湯気が立つ玉湯川沿いを雨の中ふらふらと歩いて向かった先は、触って祈れば願いが叶うと言われる『願い石』があるといわれる「玉作湯神社」。 温泉街の端っこまで来たあたりで見えてきた赤い橋を渡り鳥居をくぐると目的地に辿り着く。階段を登り境内に入ると本殿の脇に鎮座するまるまるとした球体が『願い石』。これに社務所で授けてもらった『叶い石』を触れさせて願をかけると、石のパワーがおすそ分けされて願いが叶うとかなんとか

          「玉作りし湯の国」

          「蟹まみれの国」

          2日目の夜、玉造温泉の温泉旅館「紺屋」にチェックイン。露天風呂で旅の疲れを癒した後は部屋で晩ご飯。せっかく島根に来たので、これでもかと言うくらいに松葉ガニにまみれました。利き酒セットはいきなり答え合わせから始まりましたがどれも美味しかったです。この後、2日目を終えてお布団に潜りました。 ※言うまでもないけど蟹を頭に乗せたり温泉に持ち込んだりしてません。 ***

          「蟹まみれの国」

          「緩やかに時が流れる国と割子そば二・三段目」

          2日目の夕方、その日の宿へと向かうべく出雲市駅方面へ向かう。往路はバスで来たので帰りは電車にしようと訪れたのが一畑電車「出雲大社前駅」。この駅がこれまたさっきの「旧大社駅」と対称的な駅舎だった。ドーム状の高い天井や、そこに吊るされた印象的な意匠の照明や、ステンドグラスの窓。ヨーロッパの大聖堂にいるような気持ち…にはならなかったけど興味深い不思議空間でした。 ※しつこいようですがお蕎麦はちゃんとお店で頂きました。もちろん駅の構内に持ち込んで食べたりしていませんし、空間に撒

          「緩やかに時が流れる国と割子そば二・三段目」

          「時が止まった国と割子そば一段目」

          2日目の昼、稲佐の浜と出雲大社の間くらいにある出雲蕎麦のお店「かねや」さんで三色割子そば(3段)に舌鼓を打った後、今は廃線となったJR大社線の終着駅だった「旧大社駅」へ。和風建築の駅舎がそのまま保存されていて中に自由に入れるようになってる。出札口や改札、ホームから線路まで保存されてて、おまけに線路にはSLが御鎮座されている。その割に手入れは然程されてなくて線路は枯れ草まみれ。さながらタイムスリップしてきたような感覚に陥る空間だった。 ※お蕎麦はちゃんとお店で頂きました。も

          「時が止まった国と割子そば一段目」

          「神々の集う国」

          2日目の朝、出雲市駅からバスで出雲大社へ。石、木、鉄、銅と4つの鳥居をくぐって大きな注連縄の下でお詣り。境内の中も外も街には大国主命とウサギがいっぱいいました。 国譲り神話の舞台だという稲佐の浜まで足を延ばすと日本海がどーんと広がってて、とても気持ちよかった。あと、いい機会なので御朱印帳はじめました。 ***

          「神々の集う国」

          「眠ってるだけの国」

          東京駅から22時発のサンライズ出雲のB寝台に乗りこむや否やハイボール流し込んで爆睡。朝方に岡山で一瞬起きたものの二度寝。ただ眠ってただけで終了した初日でした。2日目から本格的に色々な国(?)を巡ります。 ***

          「眠ってるだけの国」

          シニョの旅〜The Beautiful World〜

          2017年11月20日から30日に山陰〜九州を10泊11日で謎旅行しました。せっかくなので絵と文と写真でふんわりとまとめようかと。だらだらとやります。

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