変わること変わらないこと

(りん)

年始からしーちゃんの仕事が忙しくなって、残業続き。一緒にご飯食べたりとかは出来ないし、ちょっとずつリズムがズレていく感じ。どっちかが忙しい日は今までもあったけど、一ヶ月忙しいとかはあまり無かったので、
私達にとっては、初めての経験だった。

毎日遅くまで頑張ってて、単に時間が無いのと、疲れてるのもあって、あまり自分の時間も作れてなさそうだった。しーちゃんが自分の趣味の時間を作れない時って、自分の中にこもって、口数が減ったり、一人で趣味に没頭するのを知っていたので、ちょっと心配だった。

別に私自身が寂しいとかはどうでも良くて、ただただ彼のことが心配だった。本当に私のことが見えなくなったみたいに塞ぎ込むから。私はここにいても大丈夫かな?邪魔じゃないかな?って思えるくらい。

けど、そんな心配をよそに、今回のしーちゃんは、割と私とコミュニケーションを取って来た。理由は多分、以前と違って、毎日の二人で過ごすルーティンが増えてたから。私のお風呂上がりに、私の髪を乾かしたりする諸々を手伝ってくれること。このルーティンが定着したおかげか、しーちゃんは忙しくてもこの時間を作ってくれて、ゆっくり話が出来た。

「大変だから、しばらくお休みしてもいいよ。」
って言ったんだけれど、
「この時間で心が安らぐから。」
って毎日欠かさなかった。

もう一つ、前と変わったことは、しーちゃんに推しが出来たこと。推しの出てる番組見たりするのが、かなりしーちゃんにとって癒しになってるみたいで、それがすごく分かりみが深くて嬉しかった。私も人生で辛い時期を推しを活力にして乗り切ってたので、共感しかなくて、彼の成長(?)を感じられて幸せだった。

ほっこりしたのは、彼が推しの笑顔の画像だけでフォルダを作ってるのを見せてくれた時。顔全体使ってくしゃって笑う女の子が好きだって前から言ってたけど、そんなフォルダ作っちゃうくらいなんだ、って笑っちゃった。
「笑顔見てるだけで元気にしてくれるってすごいよね〜」
って私にしみじみ語ってくれたこと、昔の自分を見てるみたいですごく微笑ましかった。

「りんちゃんの笑顔の写真とかって無いんよね。そもそも写真がない。」
とも言ってたけど、なんかそれは嫌…?だった。私の顔なんか見るより、推し見てて欲しい、って思ってしまって。

昨日やっとひと段落ついたしーちゃんをステーキ屋さんに連れてって、
「好きなもの何でも食え!」
って、労うつもりで。
けど、しーちゃんは
「むしろ、忙しくしてて何もしてあげられなかったから。」
って頑なに自分でお金払おうとしてきた。こういう時のしーちゃん、死ぬほど頑固だから、仕方なく払ってもらったけど。まぁ、今更お金払った払ってもらったでどうこうなるような関係ではないので、いいんだけれど、気持ちの問題としてモヤっとした。「頑張ってたのはあなたでしょ」って。

そもそも、毎日何かしら褒めてくれてたし、私が体調悪い時は家事も多めにやってくれてたし、「好き」って言葉にしてくれてたし、そんだけやってる人が「何もしてあげられてない。」なんて言わないで欲しかった。
未だに、素直に感謝や好意を伝えたりできない私が恥ずかしかったから。

彼が変わっていくのは嬉しいし、私が変われないのも今は嬉しい。私は変わりたいと思ってたけど、しーちゃんはそれを望んでないし、そのままで良いって言ってくれるから。
変わろう変わろうってジタバタしなくなったって意味では私も変わってるんだろうし。

「久しぶりにぐっすり寝れそう」って言いながら横になったしーちゃん。
もう目はとろんとしてて、いつでも寝れそうなしーちゃんが、
遅れて布団に入って来た私の頭を撫でながら、
「りんちゃんは今日も可愛いね。」
って。

いっつも寝る前にそういうこと言う。
全く変わらない。何度も聞いた。私はそうは思わない。
それなのに、
そう言われて、嬉しいと素直に思えるこの心も変わらないで欲しい。

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