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「虹獣(コウジュウ)」5章:ルノア 6話:裏正(リセイ)

 昼を迎えルノアは目を覚ます。大きな伸びをしてから水を飲む為に排水路を出て川沿いへと降り立つ。降り注ぐ日光の温かみ、通りゆく心地良い風、気持ちの良い起床を迎えルノアはゆっくりと川の水を飲み始めた。水を飲みながらルノアは思案をする、畑からの供給が難しくなった事は確実であるが、その他の供給場所はどうであろうか?人間は徒党を組み目的の為に集団で何かを為そうとする傾向がある。最悪の場合を考慮すれば畑の件をきっかけに人間による獣への弾圧が強まってしまうかも知れない。そうなっては他の食糧供給元も潰されてしまい、我々は飢え死にを余儀なくされてしまう懸念もある…。ん…、悲観的に考え過ぎであろうか?しかし、最悪の場合も想定しバランス良く柔軟な思考を心掛けねば、いざとなった時に困るのは我々自身であるのだからな…。そうこう思案しながら水を飲んでいたところに二羽の鴉が舞い降りてくる。それはヴァロとソルカの二羽であった。
「よー!久しぶりだな!」
ヴァロが勇ましくも馴れ馴れしく声を掛けてきた。
「ルノア…。単刀直入に本題を伝えよう。人間達はここいら一帯にいる獣達を一網打尽にするつもりのようだ。人間の社会を生活を脅かすものは害獣とのレッテルが貼られている。人間達は近い内にここいら一帯の野良の獣を処分する為に実力行使に出るだろう…。気を付けた方が良い」
ソルカは淡々と人間達の動向をルノアに伝え注意を喚起するのであった。
「…そうか…。畑の一件が関わっているのかも知れない。それにしてもご忠告感謝する」
ルノアは最悪の場合に近い未来が訪れる事を感じ取り焦りながらも、冷静にソルカ達へと礼を述べるのであった。
「難しい状況になってしまうと思うが…、ルノア達は今後どうするつもりだい?」
ソルカはルノア達に同情を示しつつも、様子を伺うよう語り掛けた。
「確かに難しい状況になってしまうと思うが、人間も全てが完全に統率の取れた集団ではないと思う。付け入る隙は巡ってこよう。その隙を付いて何とか生き延びてみせるさ」
ルノアは確固たる自信があった訳ではなかった。ただ、学んだ事により人間は人間同士でも争う事や度々多くのミスを犯す事を知っていたのだ。ルノアはそんな人間の弱き部分へ付け入る事で、巧みに自分達の生を全うさせる術を作り出そうと希望的な観測を抱いていた。
「そうか…。ルノアの考えがうまく当たると良いな。私達も応援しているよ」
ソルカはルノアの主張を立てつつ賛同してみせた。
「姐さん、そろそろ行きましょうぜ」
ルノア達との接触に初めから乗る気で無かったヴァロがソルカへと促す。
「そうだな…。では、ルノアよ。お互い人間という共通の敵を抱いているが、これからも共に栄えん事を…」
そう言い放つやヴァロとソルカは天空へと飛び立ち遠くの山林へと去って行くのであった。その二羽の姿を見送りながら考えるルノア。確かに人間の大多数は我ら動物に過酷な仕打ちを仕向けてくる。しかし…、四八や七三一のような人間もいるではないか…。人間全てが悪では無い…けれども……。深く思案に悩むルノアであった。
「どうして猫なんかに人間の動向を知らせたんですかい?」
ヴァロは不満気で納得がいかない疑問をソルカへとぶつけた。
「人間というものは狡猾で数が多く、自分達の平和の為になら他の生物どころか同族の人間ですら虐殺しても構わないという意識さえあるのさ。そんな人間達相手に正面から立ち向かったって、我々は敗れ滅びてしまうだろう。だから私達は人間と正面から戦わない、あくまで人間の隙を付いて生を全うするのさ。その隙を作る役目をルノア達が引き受けてくれるって訳さ」
ソルカは己の謀略的な思考をヴァロへと淡々と伝えた。
「なるほど!我々の生存の為にルノア達を捨て駒として利用するのですな!」
ソルカの案を理解し称賛の声を挙げるヴァロ。
「ん…、大体はそんなところだ。彼らが捨て駒になるも、人間に一矢報いるも、彼らの力量次第…。私達としては彼らを囮として人間の動向をより深く観察し、私達の生存に活かせる道具となってくれれば、これほど喜ばしい事はないのだからな」
ソルカは淡々と考えの内をヴァロへと説明した。
「おー!。流石はソルカ姐さん!巧みな戦略を用いますな!人間も獣も鳥も、生き抜いてこその生ですからな。生き抜けぬものは死ぬが定め、弱きは死ぬ、強きは生きる、我々は生きてこの世は闊歩しましょうぞ!」
ヴァロはソルカの智略に感銘を受け、意気盛んに発言をした。
「んむ…。元気なのは良いが常に慎重さを忘れない事だ。それが長寿の秘訣の一つである」
ソルカは高揚したヴァロの気持ちを抑えるように窘める言葉を投げ掛けた。そして二匹は山林の棲み処へと帰って行くのであった。

 二羽が去った後、ルノアは一匹で川沿いに佇み今後の事について思案を巡らせていた。そんな悩むルノアに起きて来たパラが声を掛ける。
「どうしたんだい?」
「パラ…。いつぞやの鴉が二羽来てな、人間は近い内にここら一帯の獣を駆除しようという計画を立てているらしいとの事を知らせに来てくれたのだ。恐らく畑の一件が絡んでの事であろう…。人間達が徒党を組むとなると他の食糧供給元も潰されてしまうかも知れない。我々はこれからどうやって生きていくべきかと思ってね…」
ルノアは冷静に説明しつつも、いつになく弱気な発言をパラへと伝えた。
「そうか…それが事実であるなら深く懸念すべき事だ…。だが、鴉がその情報を伝えて来た真意は何なのだろう…」
パラは鴉達に心を許してはいなかった、それどころか巧みな狡猾さを直感で感じ取り警戒すらしていたのであった。
「ん…、鴉達の思惑も気にはなるが、彼女らが主張していた事は、対人間において我ら生存の為に協力していこうという趣旨であったのだが…。パラは何か引っ掛かる点があるのだろうか?」
鴉達から伝えられ接した感触を率直にそのままパラへと伝えるルノア。
「話の内容をそのまま受け取るのであれば異論はない。ただ…これは、あたいの直感なのだが彼女らは何か裏で別の事を考えているように思えるんだ…。それが何かとは解らないのだが…」
パラは自信無さげに自己の考えをルノアへと伝えるのであった。少しの沈黙が流れパラが続けて話し掛ける。
「ルノアは…その…、虐げられた過去の事などをどのように消化しているんだ?」
パラは唐突に深層にある想いをルノアへと振ってみた。ルノアと二匹だけでいる今の状況がチャンスと思ったのだろう。
「ん…私は、消化するまでにかなりの時間が掛かった。もしかしたら未だに消化しきっていないかも知れない。…でもね、ふと思ったのだ。虐げられたと捉えれば悲観的である。けれども、鍛えてくれたと捉えれば楽観的である。ってね」
「受けた出来事をポジティブに受け取るかネガティブに受け取るかは個々それぞれのものであろう。しかし、どうせ生きていくのであればポジティブに捉え、前向きに獣生の糧として活かしていきたいと思ったかな」
ルノアは少し恥ずかしそうに自分の経験を元にした獣生観を語ってみせた。
「ポジティブに…前向きにか…。あたいにはなかなかそこまで到達するのは難しそうだ…」
パラはルノアの助言を聞き納得しつつも、今の自分には達成出来ないような気持ちに苛まされ、また過去の失敗がトラウマとして襲ってくる現実に困り果てていた。そんなパラの様子を深く洞察し優しく言葉を掛けるルノア。
「失敗した事が重大なのではないと思う。失敗した後にどうするか?が重大だと思う。生きていればどんな生き物であっても失敗を経験する、重要なのはそこで諦めてしまうか、それとも失敗を糧とし更なる成長へと活かしていくか。そういった気持ちの方向性によって未来も変わってくるものと思う」
「なるほど…。あたいは未だに過去に捉われ過ぎているのかも知れない…。過去の経験を活かし、過去と決別出来るよう頑張ってみるよ!ルノア、ありがとう」
時代の影響もあるのであろうか、一方では何不自由なく幸せな一生を終える生き物もいる、その一方で無残な最期を遂げる生き物も少なくはない。両者の違いは何なのであろうか?生まれの境遇であろうか?生まれ持った才覚によるものであろうか?能動的に現状を打破しようとする心意気であろうか?この世にはどうして強きものと弱きものがいるのであろう?その差を作りしものは何が影響を与えているのであろうか?ルノアは、この世の不条理について深く疑問を抱かずにはいられなかった。

 やがてエティやルナも起き出し川沿いの所まで出てくると、ルノアとパラに挨拶をしてから川の水を飲み喉を潤すのであった。二匹は水を飲み終え頃合いを計っていたルノアはエティとルナに、自分達が置かれた現状を簡潔に説明するのであった。
「という訳なのだ…。そこで今夜は食糧調達を二次目的とし、優先する目的を偵察としたい。人間達の動向を把握せねば私達も動きようがないからな。情報を収集して一新させ今後の判断に活かしていこうと考えている」
「そこで偵察についてなのだが、エティは体が大きい為、申し訳ないが偵察には不向きと考える。ルナはまだ若いしエティと一緒の方が安心するであろう。私とパラの二匹で偵察の任に当たりたいと考えているがどうだろうか?」
ルノアは冷静に淡々と状況説明を話し、それに対する方策を三匹へと伝えた。
「うぅ…解りました。私の出番は無いようなので留守をお守りしております…。うぅ…ですが、もし今までと変わりなく、たくさんの食糧が調達出来そうな時はお呼び下さい」
エティは自分の出番が無い事に少しショックを受けつつも、必要とあればいつでも役立ってみせますと、畑での挽回を果たそうと少し意気込んでいた。
「はいはーい!エティが留守番するなら、あたしも留守番して待ってるよ!なるべく早く帰って来てね!」
あまり深くは考えず、いつも明るく元気なルナは、エティと共に行動するよう調子を合わせルノアへと応じるのであった。
「ルノア…。あたい頑張るよ!」
短くも語気を強めに発したパラは、ルノアと二匹で行動出来る喜びと、期待に応えたい意思の表れがみなぎっていた。
「パラ、ありがとう。でも…もう少しリラックスして行こうか。何…闇夜であるし私達はすぐに色々な物陰へ隠れてしまう事が出来る。気負う必要なんてないさ」
ルノアはパラが偵察の任に対して緊張しているものと勘違いをして気遣いの言葉を掛けた。それを受けたパラは、自分の気持ちを解ってくれないルノアに対して少しだけ不満の想いが湧いたが、ルノアらしいと仕方がなく思い気持ちをすぐに切り替えるのであった。

 やがて夜も深まり、偵察に適した闇夜が訪れていた。
「よし!それじゃ行ってくる。エティ、ルナ、留守番よろしく頼む!」
「さぁ、パラ!行こうか」
三匹それぞれへと明るく元気に伝えるルノア。パラは黙って頷き、二匹の後ろ姿を見送るエティとルナ。ルノアとパラは闇夜の中へ颯爽と消え去って行くのであった。
「パラ、こっちだ。人間が比較的多い繁華街へと向かってみよう。人間が多い分幾らかリスクは高まるが、その分情報を収集しやすい事と思う」
ルノアは走りながら冷静な判断を的確にこなしパラへと伝えた。
「了解した」
短く返事をしたパラは横目でルノアの様子を伺いつつ、色んな事をもっと話してルノアを知りたい、自分の事をもっと知って欲しい。そんな願望が脳裏に浮かんだが、すぐにその気持ちを打ち消して任務遂行に全力を尽くすのであった。物陰に隠れながら繁華街へと近付くルノアとパラ。繁華街へとようやく到着した二匹は物陰から街の様子を注意深く観察するのであった。
「…、どう思う?パラ?私には以前と変わりが無いように見えるのだが…」
ルノアは街を歩く人間達を観察していたが、特に以前と変わりなく大手を振って歩く人間達の姿がそこにあるだけであった。
「うん…、あたいも変わりが無いように見える…。騙そうとしている気配も感じ取れない…」
パラは疑い深く人間達の動向を観察してみたが、特に不審な点も感じられずルノアの話に同意するのであった。念の為と思い暫くの時間を隠れながら沈黙し様子見をするルノアとパラ。時間にして一時間ほど経ったであろうか?そろそろ頃合いと思い、
「パラ、人間達の様子は然程何も変わっていないようだ。取り敢えずこれにて偵察の任を終え、住宅街の飲食店へと向かってみよう。少しの食糧を調達出来るかも知れない。ここはエティがいないと難しいからな」
繁華街の飲食店のゴミ箱は、住宅街の飲食店のゴミ箱に比べ立派な物が使われており、蓋を開けるのは猫には難しい作業であった。その点、住宅街の飲食店は蓋がまともに閉まっていない事もあり、自分達だけでも何とかなると判断したのであった。住宅街の飲食店へと移動するルノアとパラ、静寂に響く無音の足音…。飲食店へと辿り着いたルノアとパラは早速ゴミ箱を漁り食べられるものと、そうでないものを仕訳し始めるのであった。
「人間は、あたい達が想像するよりも怠惰で大した事が無い種族なのかも知れない…」
パラは自分が想定していた人間像を低めに修正しルノアへと告げた。
「ん…。人間は浅慮のようでありながら、深慮を施し幾多の困難を乗り越え、人類の繁栄を築き上げてきた。人類の中には浅慮な者もおるだろう…。しかし、それを基準として考えてしまっては深慮する人間の思惑にコントロールされてしまうだろう…。私達としては、浅慮な人間も、深慮な人間も把握した上で、私達の生存に活かす道を見出さなければいけないのだろう」
ルノアは何となくではあるが、人間には優れた者と劣った者がいる現実を感じ取っていた。そのどちらかだけに視点を集めては柔軟性やバランス性に欠いた決断を下す事となる。如いては自分達の生存に大きく関わってくる問題であった。人間というものを、人間社会というものを、より深く知る事によってルノアは自分達の生存を高める術を常に模索するのであった。

 ゴミ箱より食べられる食糧を調達し終えたルノアとパラ。いつもより少なくはあるが何も食べられないよりかは十分であろう。二匹は十分過ぎる目的を終えエティとルナが待つ排水路へと帰って行くのであった。
「帰ったぞー!」
二つの目的を達したルノアが元気良く排水路の奥へと帰還を告げる。
「うぅ…ルノアさん。無事で何よりです…。うぅ…偵察の任お疲れ様でした」
ルナと遊んでいたエティはルノア達の帰還を知ると、一目散にルノアの下へと駆け寄り労いの言葉を掛けた。
「もぉー!待ちくたびれたよ!ん…何かいい匂いがする?食糧を調達してきたの?」
エティとの遊びに飽きが生じ始めていたルナであったが、ルノアとパラが持ち帰ってきた食糧の匂いを嗅ぎ取り、途端に機嫌を直し食糧への期待に胸を踊らされていた。
「二匹でもあったし、そんなに大した量は無く面目ないが…」
ルナの喜びようにビックリしたパラは、冷静に自分達が調達してきた食糧を省みて、過度な期待を抱かさぬように状況を的確に伝えるのであった。
「うぅ…。それでも何も無いよりかは十分ありがたい事です。うぅ…、皆お腹が減っている事でしょう…。うぅ…、いつものように分け合って食事をしましょう」
エティの発言により、皆々は役割分担をしつつ食糧の分配を始めるのであった。分配しながらエティがルノアに偵察結果の様子を尋ねる。
「うぅ…ルノアさん、偵察の様子いかがでしたか?」
「うん、人間達はいつもと変わりなく普段通りの日々を過ごしていたよ。畑の一件で警戒し過ぎるのも良くないが、偵察の一件で警戒しなさ過ぎるのも良くなさそうだね」
「うぅ…そうですな…。人間というものは我々動物に友好的なものもいたり、敵対的なものもいますからな。うぅ…見極めが大事ですな」
ルノアの簡潔な説明の後にエティが人間を評した。丁度その頃、食糧の分配も終わり各自が食事を始めた。
「エティ、それと似たような話になるが、警戒を抱かねばならぬ人間と、抱かぬとも良い人間もいるな。重要なのは我々の生存なのだから、我々に危害を加えそうな人間は素早く感じ取って逃げる事を徹底する必要があるだろうね」
「うぅ…そうですな。私はいいとしても…、うぅ…ルナには幸せに長生きして欲しいと願っています」
ルノアの冷静な分析や対策を聞き、エティはルナが幼い頃から保護し見守ってきただけあって、そして、まだまだ幼いルナに対して幸福を願いつつ、ルナが美味しそうに食事をしている姿を見つめながら微笑みを浮かべ、そう発言するのであった。
「うん、ルナは良い子だ。一番若く幼い故に不安や困難を感じる事も多いだろう…。だが、そんな事は少しも表さずに、いつも明るく我々のムードメーカーを担ってくれている…、ありがたい」
エティの発言に共感するように合わせながら、ルノアはルナの存在のありがたさや幸福になるべき存在という事を示すのであった。いつもより少量の食糧であった為か、皆すぐに食べ終わり喉の渇きを潤す為に排水路から川へと降り立つのであった。水を飲みながら夜空を眺めるルノア。「この幸せが長く保たれますように…」夜空に浮かぶ星々の内、一番輝きを放っている星を見つめながらルノアはそう願った。
「ルノア、明日の食糧調達はどういった方針でいこうか?」
人間から加えられた危害を思い出していたパラは、人間への対策をより一層慎重に感じ出しルノアへと不安を遠回しに伝えるのであった。
「うん…、明日は繁華街の飲食店に行ってみようと思う。十分な食糧を調達出来るだろうし、人間をより深く観察する意味合いも含めて行いたいと思う」
ルノアは冷静に食糧調達と人間への対策を兼ねた方針を告げるのであった。
「共に何事もなく無事に終えれば良いが…」
パラは内心に抱えていた不安から、ネガティブな想いが発言へと表れるのであった。
「そう深く気に病む事はないさ。うまくいけばよし!うまくいかなそうな時は素早く撤退しよう。人間は知能には長じているが運動性は我々より劣っている。進む事だけではなく、退く事も常に考慮しておけば大きな過ちは犯さないで済むだろう」
ルノアはパラの不安を感じ取り、冷静で客観的な判断を示してみせた。
「そうだな……、あたいは少しネガティブになっていたのかも知れない…。もう少しバランス良く心を整えてみるよ」
ルノアとの会話で自分のネガティブさに気付きを得たパラは、ネガティブさを生み出している根源は何なのか?そして、それへの対策について思考を巡らすのであった。
「あたし、もう眠くなってきたよー!」
ルノアとパラの会話にはお構いなしに自己の気分を主張し出すルナ。
「うぅ…ルノアさん、パラさん、お話に区切りがついたようですし、うぅ…そろそろ皆さん眠りませんか?」
愛するルナの主張に少々流されながら、話し合っていたルノアとパラに遠慮をしつつ、エティは眠る事へ促す発言をするのであった。
「そうだな…、皆食事も終えた事だし、明日は初心に帰ったつもりで食糧調達と人間の動向を探ろうと思う。その為には十分な体力が必要だ。今宵は早めに眠って体力を養おう」
ルノアのグループをまとめようとする発言に同意した皆は、各々お気に入りの場所で横へとなり眠りへと入っていくのであった。



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