見出し画像

⦅詩⦆オジーヴ ( サティの音楽へ )

 ​​​​​あさのしずかなひかり

 そうげんのまんなかにおかれた

 ふるい きのいす


 とりたちがとまり

 うたをうたい とびたつ


 いつからそこにあるのか

 だれのいすなのか

 わたしはしらない


 そのいすに いま

 ひとりのしょうじょが

 すわっている


 むぎわらぼうしと

 しろいワンピース


 ひざのうえで

 りょうてをかたくにぎりしめ

 まっすぐに

 そらをあおぐ


 そうげんのうえを

 やわらかなかぜがふきわたってゆく


 ひろがる あおぞら

 すきとおった しろいくも

 なつくさのかおりが

 あたりにみちる


 よろこびと かなしみが

 かけがえのないあおいろとなって

 しょうじょのひとみにひろがってゆく


 ぼうしが

 ふわっと そらにまい


 しょうじょは

 しろいとりとなって

 いすから とびたつ

 ​​​​​マンリョウの丘を訪れてくださり、  本当にありがとうございます。  私たち一人ひとりの、心の中の草原が、  やさしい風によって、  結びつき、つながってゆくことを、  心から願っています。