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撮って出しからストーリー性のある写真を撮るひとつの方法


こんにちわ。
silkandfireことしるくです。

唐突ですが、僕は写真にストーリー性を盛り込むのが好きです。

その写真から続く何かを連想させるような写真。

その写真からまた別のシーンを想像してしまうような写真。

コンマ何秒かの瞬間を捉えただけが写真なのですが、過去にも、未来にも何かが広がっていくような写真が好きなのです。

今回は、そのストーリー性を盛り込む一つの技法を比較作例とともにご紹介したいと思います。


1,写真のストーリー性とは

ストーリー性とは…定義が難しいですよね。

一人ひとり感じ方も違うでしょうし。

なので、難しい話は置いといていただいて、まず、こちらの写真を見てください。

どうすればストーリー性が出るかって一言では定義づけできないし、それが分かれば自分ももっと写真が簡単に撮れるんでしょうけど。「小物」なのかもしれないし「色」なのかもしれないし「モデルさん」そのものかもしれません。


2,空の話

ただ、少なくともストーリー性を決める要素の1つとして間違いなく言えるのは「空」だと思うんですよね。

空の表情が写らないと一気に写真のイメージが変わってしまうと思っています。空が無いとどうなるかは、次の写真を見ていただけるとお分かりいただけるかと思います。

あらら…
なんか、フツーですよね(笑)

こちらはこの現場で普通に撮るとこうなってしまいますという再現画像です。(撮って出し写真にLightroomの段階フィルターで約3段分(なぜ3段なのかは後述)、空を明るくする加工のみ行った画像)

ストロボ使ってもこうなります。こちらの写真でも3灯使ってますので。黒い岩場に強い太陽光。明暗差おそるべし…

で、現場で何をしてるかというと、こちらが正真正銘本物の撮って出しです↓

もう一度言いますね。こちらが正真正銘の撮って出しです。

どうですか?違いは明確でしょう。
そしてわりと頑張ってるでしょう(自画自賛)。

比較するとこれだけ違います(何度も言いますが右が撮って出しです)

実際海で撮ると分かるのですが、現場はものすごい明暗差です。

何もしないと上手い下手に関わらず左のように撮れてしまいます。そして一度飛んでしまった空は何をどうやっても戻ってきません。白いものは白いままです。皆様もご経験あるはず…

現在のどんなカメラを使っても、岩肌から空からカメラのダイナミックレンジ内に収めるのは難しいんですよね。それは技術云々でなく現在のカメラの限界。まだまだ圧倒的に人間の目よりもカメラに映る光の範囲は狭いのです。

なので、実は「あるもの」をいつも使用しています。


3,「あるもの」とは…

もったいぶってすいません。

これだけの明暗差の中で「空」を残す秘密はこちら。

今回の主役はカメラでなくフィルターです。

風景撮られる方にはお馴染み。

人物撮られる方にはまだまだあまり見かけない、しかし着実に増えている「角型ハーフNDフィルター」を装着しています。

実は僕、昼間のロケはほぼ例外なく角形ハーフNDフィルターを使っており、かれこれ3年以上角型ハーフNDフィルターを使って撮り続けています。 

今、僕が使ってるのはKANIフィルターというもの。まだ、日本に入ってきてまだ3年の高品質角型フィルターです。

以前はC○kin社に代表されるプラスチック製の角型フィルターを使用していましたが、プラスチック製ってすぐ傷だらけになるし内面反射が大きくて解像感かなり下がるんですよね。それで、去年こちらのKANIフィルターに変更しました。これ、安いプラスチック性では無くガラス製なんです。しかも内面反射を防ぐコーティングが優秀で、逆光下でもほぼ悪影響がないというすごいフィルターです。そしてガラス製でこの品質の割には安いです。

作例の撮影時は "KANI Premium LR MC SOFT GND 0.9 100x150mm" というND8相当から真ん中に向かってグラデーションかかってるフィルターを使ってます。

明暗差をなくす、というのが代表的な使い方で、主に風景撮影のアイテムというイメージがまだ強いと思いますが、僕は今、明暗差の激しいところのみならずほとんどのポートレート撮影で使っています。どんなレンズを買うよりも、「一気に」絵作りが変わる方法だと思っています。それについては需要があればまたnoteを書かせていただきますね。

KANIフィルターさん公式HPはこちらです。


4,まとめ とにかく空を生かそう!

せっかくの時間もお金もかけて良いロケーションを探して行くわけです。

明暗差が強い中でも、なるべく白飛びも黒つぶれも無く、カメラのダイナミックレンジの中に収めること。これはデジタル写真において大事なことだと思うんですよね。

念のためにお伝えしたいのは、「後で空だけ暗くすればいいじゃん」って方いらっしゃると思いますが、デジタル写真をよくご存知であれば、白飛びしてしまった写真はどう頑張っても救済できません。難しいは話は割愛しますが「白飛び=データがない」ということですので。。。(話は逸れますが暗部はわりと救済可能です。あくまでわりとですが、ノイズ多くても構わなければ結構な確率で救済可能です。)

意図的に「飛ばす」「潰す」という表現もあるでしょうし、私も場合によっては行います。但しそれは現像の段階でどうにでもなるところであって、撮影時はとにかくデータを「残す」ことを常に意識しています。


5,ポートレートにも角型フィルターを使おう

最後に、角型ハーフグラデーションNDフィルターを使った作例をどうぞ。

多分一度は目にしていただいたことのある写真かとは思いますが(目にしててほしい(祈))、言われてみれば!という感じですよね。

角形フィルターの良いところは、角度を自由に変えられるというところや、フィルターの差し込み具合で微妙な明るさも調整できます。これはレンズに直接取り付ける丸型フィルターではできない世界。 

フィルター動かしながら撮影している動画を僕のTwitterに上げているので、ご興味ある方は見てくださいね。


また、ポートレートにおいては空と地面の明暗差をなくす以外にも様々な使い方をしております。

角型フィルターに関してはこのnoteでシリーズとして書いていくと思いますので、今後とも宜しくお願いします。

というわけで、撮影の秘密、角形ハーフNDフィルターでした。


KANIフィルターさんはこちらから購入できます。

普通のフィルター対応のレンズはもちろん、出目金でフィルターがつけられないレンズも対応されてますよ。

KANIフィルターさんはAmazonでも販売されています(少量生産のため品切れのときは上記ホームページから購入できるとのことです。)



モデル協力 smi

作例モデル協力(掲載順)


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