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ギリシャ旅行記 3日目 (パルテノン神殿など)

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3日目

起床

5時に目を覚ます。

なぜこんなに早く起きているかというと、早く寝たからだ。ホテルの部屋が狭すぎて娯楽がなく、ひとりで異国で夜遊びという感じでもないので、日没後に時間をつぶすには寝るしかない。この睡眠サイクルは旅全体を通してつづいていく。

おしっこの色が麦茶ぐらい濃い。あわてて水をたくさん飲む。

早朝の散歩

今日も今日とて、徒歩でアテネ中心部まで向かう。
早朝は涼しくて人気がなく、旅先の高揚感もあっていい気分だ。散歩にも身が入るというもの。

かっこいいVespa。
なんらかの政府施設。

相も変わらず野良猫が多い。そして落書きも多い。
昨日と歩く方向は同じだが、今日は公園の中を通らず車道を進んでいったので、政府関係の建物が目につく。

目が合う。
落書き都市。

ギリシャの公衆電話は日本と違ってオープンなタイプだ。
当然というべきか、あまり使われている雰囲気はなく、落書きとテイクアウトの飲み物置きの温床になっていた。

確か外務省。

腹ごしらえ

今日はパルテノン神殿に行くことにした。昨日ハドリアヌスの図書館に行ったときに、アテネの遺跡7つに入れる周遊券みたいなものを買っておいたので、ふらっと入れる見込みである。
この旅行記で初の観光お役立ち情報が出た。

ひたすら歩いてパルテノン神殿のあるアクロポリスの丘へと向かう。
途中でお腹が空いたので、カフェに入った。

まだ日々の暮らしとして何を食べるかを確立できておらず、昨日からお腹が空いていたところだ。
一週間ほどの旅行なので毎食レストランで贅沢をしているわけにもいかないし、かといってグローサリーストアで買えるコンビニめし的なものは日本ほど充実しているわけではない。悩みどころである。
結果的にカフェでサンドイッチを食べたりすることが多かったが、パンチ感の不足を日々感じていた。ギリシャに日高屋があれば一日一回は行っていたと思う。

この日もクロワッサンのサンドイッチとカフェラテを頼む。

余談だが、旅程全体を通して、わたしはカフェラテを飲みつづけることになる。国内においてはアイスコーヒーをブラックで飲むのが好きなのだけど、海外ではそのような習慣があまりないと聞いたからだ。
(とはいえ、スターバックスのおかげで多少認知はされてきているらしいけども)
なので"Iced black coffee"を注文するのはちょっと気が引けて、つねに"Iced Latte"を頼んでいた。この旅でいちばん発した英語かもしれない。

パルテノン神殿へ

広場で鳩の王になっている人がいた。

カフェをあとにしてパルテノン神殿に向かう。

アテネの地理には詳しくない読者が大半だと思うのでここで説明をしておくと、アテネは全体としては盆地であり、その中で要所要所に丘が点在している。

それらの丘の中で最も有名なのがアクロポリスで、アクロポリスの建造物の中で最も有名なのがパルテノン神殿である。

さらに言えば、アクロポリスというのはギリシャの都市国家の中心となる小高い丘を一般的に指す言い方で、アテネだけでなく「スパルタのアクロポリス」や「コリントスのアクロポリス」もあるらしい。
しかし通常、修飾なしで「アクロポリス」といえばそれはアテナイのアクロポリスを指す。

伝統建築とモダン落書きの融合。

この「小高い丘を都市国家のシンボルにする」アイデアは素朴ながら実にすばらしいもので「デカいって偉い」「高いって偉い」という原始的な感情が呼び起こされる。市街から丘の上を眺めてしばしばそれを感じた。

愛想がよかった個体。

丘を登る

あったかいぜ。

細い坂道を登っていくとそのうちアクロポリスに到着した。まだ営業時間になっていなかったので、若干の行列ができている。

観光客に撫でられ慣れしている猫。

さすがはギリシャ随一の観光地で、英語以外のことばもちらほらと聞こえてくる。

少し行列に並んだあと入場できた。混雑はしているものの、数珠つなぎというほどではない。
アクロポリスは遺跡だらけで、屋根のある建物がほとんどないため、かなり暑い。帽子を持ってくるべきだったかもしれない。

ヘロディス・アッティコス音楽堂。

パルテノン神殿より先に音楽堂が見えてきた。161年に帝政ローマの元老院議員を努めたヘロデス・アッティコスが建築したもので、現代では音楽ライブにも使われたりしているらしい。確かに機材車のようなものが見えた。

アクロポリス眼下のアテネ市街。

神殿到着

階段や坂道を登っていくと、そのうちにパルテノン神殿の入り口が見えてきた。

ここはまだ本体じゃない。

入り口から少し奥に進んだところがパルテノン神殿本体である。

こっちが本体。

これぐらい有名な建築物だと、感動するより先に「あるなあ」という確認めいた気分になる。その後に感動もした。

工事少なめ。

わたしはこの旅に出る前にAmazon primeビデオの「世界の車窓から」ギリシャ編を穴があくほど見ており、このあたりの光景にはかなり既視感がある。「世界の車窓から」の映像でも工事をしていたし、今も工事をしていた。ギリシャの工事は終わらないのかもしれない。

裏はめちゃくちゃ工事をしている。

一人旅なので、他の観光客に頼んで何枚か自分の写真を撮ってもらった。何というわけではないのだが、インド系とかアジア系の人に頼んでしまう。英語が下手でも許してもらえそうだからかもしれない。
最終的に「写真を撮ってほしそうな人に声をかけてお互いに撮り合う」という作戦を覚えたので気が楽になった。

遠くに見えるカリアティード。

丘を下る

下から眺めるパルテノン神殿。

遺跡をだいたい見たので下ってくる。お腹が減ってきたしトイレにも行きたい。

ここでトイレ事情について話をしておくと、ギリシャはトイレットペーパーを水に流せない国だ。使用したペーパーは併設のゴミ箱に捨てる。
世界ではこういう国も多いのは承知の上で、なかなか信じ難い習慣である。地中海式の食事をしているとうんこのキレがよくなるのだろうか? わたしはウォシュレットから離れては生きていけない脆い生物なので、この点に関しては旅行中つらかった。

泊まっているairbnbはトイレの鍵がいまいちかからないので、なるべく外でうんこを済ませておきたい。しかしこういうときに限って便意が来ない。昨日からろくなものを食べていないからだろうか。

カフェへ

ありがて〜

というわけで、カフェで昼食をとる。久しぶりに人間らしいものを食べた気がした。
とはいっても、パンにハムや目玉焼きが乗っただけなのだが、卵が乗っているだけでだいぶえらく見える。

わたしが外国人観光客だからというのも大いにあるのだろうけども、ギリシャの接客は概してドライである。
アメリカ(オレゴン州・ポートランド)に行って人気らしい店でブランチを食べたことがあるが、店員の第一声が"I love you, sir~! "で衝撃を受けたことがある。この地では感情表現が飽和しているんだな、と思った。ギリシャぐらいの接客でいいのかもしれない。

散歩を継続

パルテノン神殿を見たあとは特に予定がないのでそのまま散歩をした。アクロポリスの丘を中心とすると、反時計回りで西に進んでいく感じだ。
昨日通ったところと似たようなところを歩いていく。早くもこの街に慣れはじめている。

よいVespa。

歩いていると不思議の国のアリスみたいな一角に出くわす。
ギリシャらしいという気はしないが、人気の観光地のようである。

天気がよく、テラス席で人々がくつろいでいる。いい国だ。

Diego、すごいぜ。

暑いので再びカフェに入ったところ、BGMの選曲がすばらしくて度肝を抜かれた。ソウル・ファンク中心で、絶妙に渋いラインをついてくる。この店のプレイリストもらえないかな。
Shazamで収集したものを何曲か紹介しておきます。

ショッピングモールから考える

万国共通の景色。

その後は、電車に乗って少し離れたモールに行ってみることにした。
モールの風景は万国共通で安心感がある。
懸案だった特大の便を放ち、その後スーパーで石鹸やバナナを買った。荷物が多くなってしまったので帰りはタクシーを使った。

この旅では、Uberでタクシーを呼んだ。ギリシャはUberで依頼すると、ライドシェアではなくてふつうのタクシーが来る仕組みになっているようである。

水シャワー問題

宿に戻り、水シャワーを浴びる。
airbnbのマニュアルにはボイラーのスイッチをつけてから十数分たつと熱いお湯が出るようなことが書いてあるのだが、まったく機能していない。
体の要所要所を洗って大急ぎで出る。石鹸も泡立ちがわるい。ひどい宿である。

近所のグローサリーストアでカップ麺などを買う。
店員に軽く話しかけられたが、あまりちゃんと返事ができなかった。英語が苦手だ……。

この旅行で一番お世話になったかもしれない。

就寝

昨日に引き続き20時ごろには寝る。24時に一度目を覚ますと、窓の外が騒がしく、太鼓のような音もする。祭りか?
後日判明したところによると、宿の隣のバー(テラス席あり)が異常に賑わっており、バスドラとベースの音が回ってきているだけだった。

4日目に続く……

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