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絶望が爆発した瞬間。

勉強のおかげで、地元の進学校には合格しましたが、そのころすっかり勉強嫌いになっていました(笑)勉強はほとんどせず、テスト前に一夜漬け。

しかも男子校でつまらない、暑苦しい、逃げたい。理系文系にわかれていて、1年生から夏休みも講習でいかなきゃいけない。

医者や弁護士など、社会的立場の高い子が多くて、空気があいませんでした。自分もおぼっちゃまのくせに(笑)


やっぱり世の中の感じ方が変わっていたんだと思います。

だけど違うのはわかっていても、何をどうしたらいいのか…わかりませんでした。

自分はどう生きていきたい?

世の中何か違うと思っているのは自分だけ?

自分が変わっているからいけないの?


周りにこんな感覚を相談できる人もおらず、心の葛藤を抱えながら自分を押し殺しました。学校でも家族にも。

周りと違う、変わっている自分が悪いと自分を責め、そして自信を失っていきました。

贅沢な悩みだということはわかっています。進学校に入って、いい家庭に育ち、苦労もしらず、勉強さえすれば医者になれる。

周りから羨まれるような環境があったわけですから。ただ、選択肢が一つしかなかったんです。

せっかく敷かれているレールの先に、希望が見えませんでした。

自分の中が空っぽになって、どうしようもなくむなしい風にさらされている気持ちになりました。

医者になりたい!と必死に勉強できる自分になりたい。なんでそう思えないんだ。自分を責める声が頭の中でおさまりませんでした。


この時偶然友達から借りたX JAPANを聴いて、衝撃を受けました。

周りに一切ひるむことなく、自分たちの信じる美しさを表現している。

そんな姿にハマって、CDを買いあさりました。

X JAPANから激しめの音楽が好きになりメタル脳が開花。みんなが聞いているPOPは一切聴かずメタルばかり聞いていました(笑)お前の持っている悩みなんて小さいんだ、そんなもん吹き飛ばしてしまえ!

弾かなくなってしまったピアノをまた夢中で弾き始め、この時、いつか自分もミュージシャンになりたいと思い始めます。ありきたりな夢で、どうしようもないヤツだと思いますが、唯一人生で希望を見出せそうな目標でもあったのです。

ですが、そんなことは両親には言えるはずもありません。

だって、約束された未来があるのに、ミュージシャンになるなんていったら、「こいつはただの道楽バカ息子だ」そう言われるに決まっています。

常識的に考えてもそうですよね。

高校2年の時に1か月ほどアメリカに留学をしたのですが、その時に日本の文化を紹介するということで空手をはじめました。

空手にもおもいきりハマってしまい、学校帰りほぼ道場に通っていました(笑)身体が小さく自信がなかった僕の自信になりました。

空手もピアノも自分の失った自信を取り戻すために必要でした。また両親に本心を言えなかった反抗もあったのだと、いまでは思います。


周りは大学進学のために一生懸命勉強している。

僕は勉強以外のことに一生懸命でした。


ですが高校3年になると、いよいよ進路を決めなくてはいけません。

こんな宙ぶらりんの中、勉強もしていないので、大学に行けるはずもありません。自分の将来のことから目を背け、医者になりたいとは思えないけど、音楽の道に進む自信もない。

両親は大学に進むことを望んでいたので、気持ちをいうこともできず、浪人しました。

心の苦しさはどんどん増していきました。

ある日朝起きたら、片耳がほとんど聞こえなくなっていました。

かわりに聞こえるのは、話している声さえ聞こえないほどの、激しい耳鳴り。

かなり焦りました。耳が片方だけしか聞こえないのは恐怖だったんです。なんで突然こんなことになったんだ…

病院に行って診てもらったところ、原因はストレス性の難聴。

この先このままの聴力の可能性30%

少し回復する可能性30%

元に戻る可能性30%

アバウトな診断をくだされ、薬を処方してもらい経過をみました。2週間後、幸い聴力は回復しましたが、耳鳴りは消えませんでした。

やっぱりこのまま自分を押し殺すのは限界だ。。

でも敷かれたレールの上で生きることが絶望でしかなく、この時期は追い詰められ、世界が灰色に見えました。ちょっと油断すると高いところから飛び降りようかと思ってしまうほど。


いままで本心から両親にぶつかることをしたことがありませんでした。ほかの何かをするとそんなこといいから勉強しなさいしか言われなかったから。

いつしか、流されるように流されるように、とりつくろうようになってしまったのです…

自分がこの先どうしたいのかわからない…なのに迫ってくる現実。

次に続きます。

お読みいただきありがとうございました。





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