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日記をつける三ヶ月 後編

2024年1月14日から3月17日まで、「日記屋 月日」主催のワークショップ「日記をつける三ヶ月」に参加しました。ファシリテーターは、古賀及子さん。

その時書いた日記を初編・中編・後編にまとめ直しました。後編では日常の日記的な部分を主とし、気になったことがあればそれを書くエッセイ的な部分も加えて書いています。


2024年3月11日(月)涙に滅ぼされちゃいけない

朝6時起床。

3階の寝室から2階のキッチンに降り、コンロにやかんをかける。洗面所で顔を洗い、キッチンに戻る。パンをトースターに放り、コーヒーを淹れる準備をする。

お湯が湧いたらコーヒーを淹れつつ、コップの水をお湯で割り、白湯を作る。焼き上がったパンにマーガリンを塗り、はちみつを垂らす。朝食はこれと白湯で済ます。

そろそろTV体操の時間なので3階に戻り、TVを点け体操に励む。

終了後は腕立て伏せをし、身支度を整え、朝のルーチンが終わる。

3階の寝室が仕事場でもあるので、仕事と個人両方のPCを立ち上げ、コーヒーを飲みながら個人PCのmailチェック。

しばしネットサーフィンを楽しみ、仕事用PCに切り替え仕事モードに。

仕事用PCはノートPC。仕事をするときは個人所有のモニターにも繋ぎ、二つのモニターを使用しながら仕事をしている。モニター二つだと参照が楽で仕事が捗る。設計の仕事は参照しながらの仕事が多い。

7時から仕事開始。

先週約束した通り、Bの提案した運用方法のチェックを始める。マニュアルを確認しながら作業を進めるが、最後に小さな瑕疵が見つかる。

マニュアルに問題があるのか、操作に間違えたところがあるのか?判断が付かないので、再度作業を繰り返す。やはり同じような瑕疵が発生した。

これはBと共に確認した方が良いが、本日Bは休んでいるので明日以降の確認事項とする。

仕事をしながら、この日のことをつらつらと考えている。

2011年の夏、宮城に住む友人に案内され石巻の日和山に登った。

そこから一望できる石巻市街。

干場ひかりの短歌に

「見えるでしょうこれが破壊というものです ぽろぽろぽろぽろうるさい涙」

という1首がある。

眼前にあるのは、その光景と心象だった。

この時強く思ったのは「涙の奥底にある気持ちよさに流されてはいけない。流されずにきちんと考える」ということ。

干場ひかりの短歌は「サキサキ オノマトペの短歌」穂村博編に収録されている。

2024年3月12日(火)エリックサウスと魯珈の師弟コンビ

朝6時起床。

夜が明けるのが早くなっている。明けない夜は無いことが嬉しい。

朝のルーチンをこなしながら、出社日である明日の準備もぼんやりと考え始める。段取りさえしておけば出発までが楽なので、不足の物が無いか頭の中で考え出す。

7時から仕事開始。

昨日の瑕疵を再度確認し、やり方も工夫しているが同じ結果。育休直前でバタバタとしているBにあまり負荷は掛けたくないが、Teamsでの打合せを設定する。

打合せ時間となり、Bと画面と権限を共有しながら新システムを操作していく。結果、これは瑕疵ではなく新システムの仕様ということがわかる。運用上も問題無いため、これでこの件は終了。

このように、実際操作して問題となりそうな箇所をひとつひとつ消していくしかない。

この先使い出す一般ユーザーのことを考えれば、面倒だが必要な作業だ。

昼はイトーヨーカドーのネットスーパーで購入した魯珈監修のポークビンダルを食べる。

イトーヨーカドーと魯珈との蜜月は随分と続いていおり、魯珈のカレーがイトーヨーカドーに初めて登場した時と比べ、かなり店の味に近くなっていることに驚く。

「セブンイレブンで今日販売開始のエリックサウスと魯珈のコラボ弁当も買うこと」と頭に刻む。

午後もそれなりに仕事をこなし、終了。

夜は八宝菜を作り、菊芋を炒めたものと食べる。菊芋は扱いやすい食材かつ健康に良いイメージもあるので、購入する機会があれば必ず買うようにしている。

食後は風呂に入り、気分を一新した後、ドゥブラヴカ ウグレシッチの「きつね」白水社 を読む。

読書はそれなりに向き合う必要があり、整わないと読むことができない。若い頃は気にせず濫読していたが、今は読む体力の衰えを感じている。
読書中だが、「きつね」は素晴らしいオートフィクション。

文学に対して、あくまで誠実に、そして丁寧に言葉が紡がれている。このような出会いがあるからこの世界に対することができるし、息をすることもできる。

物語は良いものだ。

2024年3月13日(水)竹筒ところてんビリヤニは今どこに?

朝5時20分起床。

6時には家を出るので慌しい朝だ。やかんに火をかけ、牛乳とグラノーラで手早く朝食を済ませる。コーヒーを淹れ、保温マグに移す。トースターに入れておいた10枚切りのパン2枚を取り出し、チーズと鶏ハムを挟みラップで包む。これは今日のランチ。

6時前には家を出発し、7時前に会社に到着。

仕事場は3階にあり、共有スペースにコーヒーメーカーが置かれている。家で準備したコーヒーは車内で飲む用で、会社では別途淹れているのだが、コーヒーメーカーが故障していた。係の人が丁度来ており、2階にある食堂のコーヒーポットを使って欲しいと。

2階に降り、ポットからコーヒーを入れる。昨夜から置いてある所為か、酸味が強く美味しくない。食堂の人が「7時半ごろには新しいコーヒー淹れてあるので、また来てください」と言われる。

7時からは仕事開始。

メールをチェックすると、製品の規格認定申請ではねられた件の回答が来ていた。

はねられたのはその規格に基づく判断というより、審査員の個人的なジャッジだった可能性が高く、規格に基づく判断ではこうだと押せば、規格認定申請が通る可能性が高いらしい。

再申請が必要なので、必要な書類を準備し、メールに添付し、手続きをお願いしておく。

7時半過ぎに2階に降り、淹れたてのコーヒーをポットから注ぐ。確かに今回のコーヒーは飲めるのでひと安心。3階のコーヒーメーカーはコンビニと同様の機械で豆から挽くので、美味しさが違う。早く修理されることを願う。

仕事をつつがなく終わらせ、会社帰りに十日市場のルシ・インドビリヤニへ。

会社から自宅までの間でカレーを食べたいとなると3、4軒の店が頭に浮かぶ。今日はキリ パロタを食べたかったので、ルシへ。

キリとは「ひとまとめに束ねる」という意味。パロタは渦巻き状のパンで、それをカレーと一緒にバナナリーフで包み蒸した料理。

キリ パロタをグランドメニューに入れているお店は少ないが、新丸子のケララキッチンでも出す。ケララキッチンのほうが上品な感じで出てくる。どちらも美味しい。

こんな感じで出てくる。キリなので束ねられている
バナナリーフの中身はカレーまみれのパロタ

パロタの間にチキンカレーが入っていて、見た目は少し悪いが、バナナリーフの香りが移っており良い感じに美味しい。

満腹になると機嫌も良くなるのははっきり意識している。怒りやすい状況はどんな状況か探求した結果だ。余裕が無かったり空腹な時に過剰な反応をし易い。

それ以来、立腹した際には美味しいものを食べるようにしている。

2024年3月14日(木)そろそろブリかつを作りたい

朝6時起床。

今日は在宅勤務なので朝のルーチンに余裕がある。洗面所で顔を洗い、キッチンでお湯を沸かし、ボウルにグラノーラと牛乳を注ぐ。ドリッパーにフィルターとコーヒー紛をセットする。

グラノーラを食べ、ボウルを洗い、ドリッパーにお湯を注ぐ。珈琲を淹れている間に歯磨きをし、髭を剃る。キッチンに戻り、コーヒーに牛乳を注ぐ。

3階に戻り、NHK教育のTV体操をこなす。今日の前半は「みんなの体操」だった。負荷低めの体操だが、なぜかこれが嫌いだ。後半はラジオ体操第二でほっとする。

体操後はコーヒーを飲みながら、ネットサーフィン。月末の大阪旅行の予定をぼちぼち計画し始める。

朝7時から仕事開始。

今日も新システムの運用チェックだが、いい加減飽きてきている。やらなければいけなくても飽きはくる。

気分転換に昼はトマトソースのパスタを作る。NHKでトマトソースの作り方を見て以来、トマトソースはこのやり方で作っている。一口大に切ったトマトを多めのオリーブオイルで強火で炒めるというシンプルなやり方。

これは本当に美味しいし、トマトソースとして使う場合はソースに塩を加えれば良い。パスタの場合はパスタを塩茹でしているので塩は使わない。

トマトソースのパスタ

トマトソースにブラジルの生ソーセージも入れている。同じ生ソーセージでもイタリアのサルシッチャとはまた違ったワイルドな味わい。

神奈川の綾瀬にラテン大和というブラジル式の生ソーセージを販売している会社がある。この生ソーセージが近所のみぞのくち醸造所で販売されているので、たまに購入している。

午後からも同じく新システムの仕事と打合せ

打合せは事業部 Aとの合同で、A側がファシリテータ。議題に対し、ゴールとマイルストーンの設定があやふやなので、だらだらとした打合せが続く。好きなタイプの打ち合わせではない。次回以降が有意義になるように、最後に「ゴールに対し、何をいつまでに決めればいいでしたっけ?」と釘を差しておく。

夜はかつ丼が食べたくなり、作る。

自分で作る料理はあまり美味しくなくても普通に食べられてしまうものだが、今回のかつ丼は予想に反しとても美味しかった。嬉しい。

美味しかったかつ丼

2024年3月15日(金)B級ホラーでは「パラダイム」が一番怖い

朝6時起床。

2階に降り、洗面所で顔を洗い、キッチンでお湯を沸かす。

ボウルにグラノーラとヨーグルトを入れ、最後にリンゴ酢を注ぐ。グラノーラも飽きがくるので、合わせるものを牛乳やヨーグルトにしたり、リンゴ酢を加えて味付けを変えたりする。

今日のTV体操はみんなの体操では無く、身体を良く動かすラジオ体操第二。これは良い流れだ。

朝7時から仕事開始。新システムのマニュアルを添削。

午後からは新システムAのエンドユーザー向けトレーニングが始まる。実は今まで話してきた新システムは新システムBで、新システムAの方が少し先に立ち上がる予定。こちらはエンドユーザーとしてトレーニングを受ける側なので気が楽だ。新システムBは設計業務にしっかり食い込む部分なので大変な作業が多い。

夜中に地震が有ったことを思い出し、こけし部屋でこけしのチェック。こけしは地震で倒れたり回転することが多い為、その確認作業。幸い倒れたり、後ろを向いてしまったこけしは無かった。

その確認作業中に懐かしい本を発見。

「恐怖劇場 魔術師の呪い」E・A・ポー作/福島正実訳

ひとりで初めて読んだ本。5歳ぐらいの時だ。記念に取ってある。

E・A・ポーの有名な長編詩「大鴉」を小説に仕立てた体だが、物語は全然そんなことは無く、超訳し過ぎだと思っていた。

トンデモ本として有名らしく記事にもなっていた。

ポーの作品はこんなんじゃありませんから!

記事の中で、物語のあまりの乖離の理由が明かされていたので、そのまま引用する。

”B級ホラーの帝王ロジャー・コーマンが『大鴉』にヒントを得て作った怪作ホラーコメディー『忍者と悪女』(1963)のストーリーそのものなのである”

詩からではなく、映画から、しかもロジャー・コーマンなら、と納得。これは大人になった今だから納得する話で、当時はロジャー・コーマンなど知る由も無いので、ただただ怖かった。

この読書体験から、2つ影響を受けたことがある。

ひとつ目は怖がりながらも、怖い話を読むのが好きになったこと。B級ホラー映画が好きになったのもこれだ。今でもジョン・カーペンター監督が大好きだ。

ふたつ目は漢字が殆ど読めないまま読み進めたので、適当に漢字を読む癖がついたことだ。これは結構致命的で、たまに物凄く恥ずかしい目に会うことになる。

以前和食屋で会計している時、レジ横に気になる商品が置いてあった。「でじるって何ですか?」と聞いたら、店員さんに優しく「これは出汁と読むんですよ」と言われた。

さらに恥ずかしい体験もあるが、それは墓場まで持っていく。

2024年3月16日(土)香咲のホットケーキが食べたい

朝6時半起床。

休日は時間も心も余裕があるので、コーヒーは豆から挽き、パンも鶏ハムとチーズを載せたトーストにし、作り置きの野菜スープも温め直し、優雅な朝食をとる。

掃除はルンバに任せているが、ルンバがクリアできない階段をクイックルワイパーで掃除する。クルックルワイパーだと思っていたが、微妙に名称が違った(調べた)。

友人が森下でスナックを始めた。就活スナック めめんともりというスナック。

開店祝いに駆け付けたいが、スナックに行ったことがないので躊躇している。結局、友人たちを誘い、日にちを決め予約を入れた。複数で行くなら怖くはない。お店にカラオケが無いのも嬉しい。

ひと段落した後は読書の時間。

ドゥブラヴカ ウグレシッチの「きつね」を読み進める。読み進めたいが、読み終わりたくはない。この幸せで贅沢な時間。

3時には曙橋で美味しいお肉。

おやつの時間に何故?という話だか、その時間帯しか予約が取れなかったらしい。9名で2階を貸切。ヒロミヤ 3号店というお店で人気店らしい。

飲み放題で飲み物は自分で注ぐスタイル。冷蔵庫やサーバーが設置されており、そこから自由に取る。

肉も運んではくれるが、焼くのは自分たち。

これで人件費を節約し、その分良い肉を安価に提供しているのだろう。

厚切りと薄切りの牛タン
美味しい肉たち

素晴らしい肉の饗宴は続く。友人たちは飲み且つ食らいといった感じで、気持のよい健啖家である。

その中でお酒もさほど飲めず、霜降り肉で若干持たれ気味の自分は美味しさを共に味わいながら、乗り切れていない寂しさも感じる。赤身が食べたい。

満腹の状態で店を後にしてもまだ空が明るいのが不思議だ。友人たちは当然のように2次会のカラオケへと流れる。お酒を飲み過ぎ限界だったのでひとり離脱。

家に帰りつき、このままベットに倒れ込みたかったが、花粉も連れて帰っているのでまずは風呂に入り、花粉を落とす。

明日の準備や必要な連絡などを入れる。

頭がぼんやりしているので、頭を使わず楽しめそうな「FLASH」を観る。何を言いたいのかよくわからない映画だった。やはりDC映画にはザック・スナイダーが必要だ。


最後のワークショップ前日までの日記となります。中編から基本変わっていませんが、さらに日記を書くことに慣れてきています。

中編で「比喩を使ってみよう」というテーマがあり、無理に比喩を盛り込んでみました。ですがかなり難しく、後編では意識せずに自然に書くことを心掛けました。

ワークショップの日記はこの後もひと月続け、3ヶ月分となるので、もう少し違ったかたちでもまとめてみたいと思います。





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