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日記をつける三ヶ月 初編

2024年1月14日から3月17日まで、「日記屋 月日」主催のワークショップ「日記をつける三ヶ月」に参加しました。ファシリテーターは、古賀及子さん。

その時書いた日記を初編・中編・後編にまとめ直しました。各週の最後に感想なども追記。


2024年1月14日(日)盛秀太郎のこけし

ワークショップ開催日の一週間前から日記を付けることになっている。その日記の書き始めだが、書く内容がまったく思い浮かばない。練習も兼ねて、家にあるこけしの中からお気に入りの物を選び、紹介してみようと思う。

盛秀太郎のこけし

最初に選んだのは盛秀太郎のこけし。盛秀太郎は青森の黒石で戦前から戦後の昭和まで活躍したこけし工人(こけしの作り手の事を工人と言う。伝統工芸品の中でもこけしは珍しく木地挽きから描彩までひとりの作り手が行う)。胴のくびれたアイヌ文様が描かれたものが有名。今回紹介するこけしも、その形のもの。

盛秀太郎の活躍時期は戦前・戦後・昭和後期と分けられるが、このこけしはたぶん戦後のものと思われる。というのもこの代表的な形も昭和後期には下瞼が変形をし、ほぼまつ毛のような形態と変化しているからである。このまつ毛のこけしの方が愛好家の間では有名であり人気もある。津軽のこけし(伝統こけしは東北特有のもので11系統があり、津軽のこけしはその一つ)のアイコンにもなっている。

だからといってそれが好きかどうかは別で、個人的には、睫毛の付いたこけしはあまりに可愛さにすり寄っているようで、好みではない。それよりも今回紹介したこけしのように、下瞼がしっかりと下瞼として書かれている時代の方が好きである。

2024年年1月15日(月)車菊が描かれた鳴子こけし

今日はこけし初め。
表参道のオーパ・ギャラリー&ショップにて、こけしを2本購入。佐々木一澄 個展「郷土玩具と子ども」で販売されたこけしだ。

鳴子と津軽のこけし

写真左から大沼秀顯工人の車菊が描かれた鳴子こけしと石川美祈子工人のかたくりの花が描かれた津軽こけし。

秀顯工人のこけしは父である秀雄工人の初期の型を参考に作成されたもの。初期には車菊(菊模様が車輪のようなので、車菊と呼称されている)を描かなかったが、もし秀雄工人がその時代に車菊を描いていたら、こんな雰囲気だったのでは?と考えながら作成してみたもの。

鳴子特有のどっしりした形に、車菊とアンニュイな表情がとても良く似合ったこけしだと思う。

一方の石川美祈子工人は、戦前に活躍した長谷川辰雄工人の型を踏襲しながら、伝統の型では使われないカタクリの花模様をあしらった本人型のもの。

津軽の古いこけしは、このこけしのようにどこか泥臭く大雑把な雰囲気があったのでは?と思わせる、こちらも素晴らしい出来のこけし。

2024年1月16日(火)賞味期限が過ぎた牛乳

賞味期限が一週間過ぎた牛乳。

匂いを嗅いでも怪しい匂いは無かったので、コーヒーに入れて飲む。

暫くしてからお腹がゆるくなりだし、体調も若干悪い。

消費でなくて賞味期限だからと高を括ったのが悪かった。ごめんなさい。

2024年1月17日(水)100%ORANGEのこけし

こけしとの慣れ初めについて。

絵本やイラストが好きで、100%ORANGEのイラストも好きだった。

その展示会が鎌倉にあるコケーシカというお店で開催されるという(調べたら2009年だった)。

コケーシカというお店は沼田元氣という詩人・写真家が経営している日本の伝統こけしとロシアのマトリョーシカ専門店。この人が作った京都スーベニイル手帖は手にした人も多いのではないだろうか?京都観光の際にはこの本にだいぶお世話になった。

そのコケーシカで100%ORANGEがこけしに絵付けをして展示・販売するという展示会だった(下の写真がその時購入した100%ORANGEが絵付けしたこけし)

100%ORANGEのこけし

100%ORANGEが絵付けしたこけしを購入出来て満足だったのだが、実はその時、会場には絵付け用のこけしを用意した工人の伝統こけしも用意されていた。それがなぜか心に刺さり手に取ったのが始まり。

その時に初めて伝統こけしというものは東北6県にしか無く、各県の温泉地に点在し、11系統あることも知った。これは東北へ旅するのが好きな自分には興味深いものでもあった。この時から、東北に旅するたびに、伝統こけしの産地を訪ね、温泉に入り、美味しいものを食べ、こけしを買って帰ることを繰り返すようになった。

2024年1月18日(木)伊太郎こけし

日記に書くことがまったく思い浮かばない。

こけしは伊太郎が好き。


2024年1月19日(金)佐藤伊太郎のこけし

昨日、伊太郎が好きと書いたが、これは青森県の津軽系工人の佐藤伊太郎を指す。

明治二年生まれだが、こけしを作り始めたのは昭和に入ってからと晩年である。

そのため、現存する伊太郎のこけしは数が少なく、プレミア価格となっている。当然手の出るような価格では無い。手は出ないのだが、そこが伝統こけしの良いところ。良いこけしは型といって弟子たちに継承されていくのである。

写真はその弟子たちが作った伊太郎型のこけし。寸胴な形に縞模様(ろくろ模様)とシンプルな成り立ちである。

それでも作り手によって、これだけ雰囲気の変わるこけしが出来るのが面白い。

さまざまな伊太郎こけし

2024年1月20日(土)ゴルメサブズィはイラン料理

四谷三丁目にできたイラン料理店「アリーズケバブ」でゴルメサブズィというメニューを頼んでみる。

見た感じはサグカレーだが、赤インゲン豆が入っているところが違う。スパイスの効き方もマイルドで優しい味わい。これは、好みの味。

ゴルメサブズィ

ケバブサンドのテイクアウトがメインで、店内は二人掛けテーブルが3席。タイミングが合わないと入店もままならないが、また行きたい。次回は羊すね肉の煮込み、マイチェを食べたい。

新宿マルイ地下で洪瑞珍の販売があったので、それと阜杭豆漿を購入して帰宅。

洪瑞珍のサンドイッチ

2024年1月21日(日)白鳥のシュークリーム

大人になって良かったと思えることは数多くあるが、なかでも一番と思えること。

それは好きな食べ物をひとり占めできること。

兄の食べ具合を横目でチラ見しつつ、こちらが少しでも後まで美味しいものを食べている状態をキープしようとする、あの神経をすりおろす競争ともお別れである。

閑話休題、今日は下北沢で日記のワークショップ。

参加者の日記はどれも閲覧可能なのだが、他人の日記を読むのは妙に恥ずかしく、少し読んだきりで参加する。自分の日記を読んでくれた人もいたようで、こけしの新聞記事を頂く。嬉しい。

ワークショップ後は発酵デパートメントでクラフトサケを眺めるが、欲しかったぷくぷく醸造の酒は売切れ。酒は諦め「お粥とお酒ANDONシモキタ」で「ANDON粥(きりたんぽ鍋風)」を頂く。出汁が程よく効いた粥で、冷えた体に美味しい。

ANDON粥(きりたんぽ鍋風)

せっかく下北まで出たので、散歩がてら三軒茶屋の「オクトーブル」でケーキを買って帰宅。「スワン」は必ず買うので、それ以外は季節感を感じさせるものを選ぶ。

「スワン」はその名の通り、白鳥の形をしたシュークリーム。見た目の美しさと共にクリームの味わいや食感も素晴らしく、その全てを愛でる。

夜は自宅でケーキバイキング

テーブルにいるこの子は「アレクサ伊太郎」。伊太郎好きが高じて、こけし工人さんに頼んでオリジナルのカバーを作成してもらったもの。呼びかけも「アレクサ伊太郎」に変更できれば最高なのだが。

今はTVを付ける手助けしかしてもらっていないが、名前で呼べれば接しようも変わるというもの。

アレクサ伊太郎
中にはアレクサが

ワークショップ参加の効果で日記に対するモチベーションが高まり、今までで最高の長文になった気がする。このモチベーションが三か月続けば嬉しい(欲を言えばもっと)。


ワークショップ前に書いている日記なので、手探り感が満載。日々の出来事を書くことに慣れておらず、エッセイ的な内容で胡麻化しています。

この時点では日記的⇔エッセイ的な感覚もほぼ分かっていません。WS後(1月21日)はアドバイスをもらえたこともあり、多少日記寄りになっていると思います。


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