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むきだしの純粋さには敵わない。

1月から始まったトラジャのツアーで実施された、アンコール1曲だけ録画OKの「おみやげタイム」。(と、私は勝手に呼んでいる。)

「みんなの元気のために、今日の思い出をフォルダに残しておいて。」
宮近くんはそう言っていた。

その動画が、中止となった新潟公演の日に公式でアップされ、視聴収益全額を令和6年能登半島地震災害支援金として寄付することが知らされた。

他グループが年末にやっていて、自分たちにも何かできることはないだろうかと考えたのかな。
(ちなみに募金箱は初日から会場に設置され、私も少額ながら気持ちを入れさせていただきました。)

公開になった動画のひとつ目は「JUST DANCE!」
そしてもうひとつは「Okie Dokie!」

嬉しくて、ワクワクしながら見はじめた。

2時間半踊り続けた(ほんとに踊り続けた)後のアンコール。
最後の最後まで笑顔を届けようと歌い、踊る。
声をふりしぼり、もう上がらないはずの腕をふりあげ、高くジャンプする。

「あ、アンパンマンだ。」

7人の姿に、私はそう思った。
アンパンマンが「僕の顔をお食べ。」とその顔を手渡すように、全力のパフォーマンスを差し出し、受け取った観客たちは幸せな気持ちになる。

こんなむき出しの純粋さには、もう敵わない。

特にOkie Dokie!での1:50以降のパフォーマンスには、WODを思い出す。
(アメリカで開催されている世界最大規模のダンス大会で、Travis Japanはチーム部門世界9位、クラウド・フェイバリット賞を獲得。その舞台裏は彼らの公式YouTubeで見ることができる。)

笑顔が消えそうになりながら、それを払いのけるように踊り続ける7人。
高音で盛り上げる如恵留くんの姿には、こみあげるものがある。
「自分たちが楽しむこと。それがお客さんに伝わることを知った。」
留学から帰国後、何度も聞いた言葉。
彼らはいつだって、どこだって、自分たちのためにも、同じようにすべてを出し尽くしていたんだ。

スマートに見せようとしなくていい。
汗だくになって、髪もペッタリくっついて、ふらふらになって、それでも声をあげて鼓舞をしながら歌い踊るところが、『今のTravis Japan』の良さなんじゃないだろうか。

たった2:44の動画。
だけどこれが、「Road to Authenticity」の足跡のひとつになる。

「泣いている人、困っている人、お腹がすいた人、みんな僕の顔を食べると、ニコッと笑顔になるんだ。その笑顔を見るとね、嬉しくて僕も自然に笑顔になる。そしてね、ここ(胸)がとってもあたたかくなるんだ。」

『アンパンマン』より


[追記](1/16/18:34)
公開からたくさんの方がこのnoteを読んでくださっているようで、ありがとうございます。
(もちろんツマンネーという方もいらっしゃることでしょう。)
自分で読み返して、またいただいた反応から、少し補足がいるかなと思ったので卑怯にも追記を。

なんというか、分け与える、差し出すという「自己犠牲」によって観客に幸福を届けるという非常に残酷な一面であるようにも受け取れますが、私は彼ら自身が目指すものに向かって己の限界を越えていこうとしている、あるいは「表現者として」選択している形だと思っています。
もう単純に、彼ら自身が苦しみも含めて「やってやろう!」って楽しんでいるんじゃないかな、と感じています。

また、歌手やダンサー、スポーツ選手…みんなその身を削って最高のパフォーマンスを見せてくれています。
それぞれに思いがあり、その思いが溢れる瞬間に、いつもとは違う感動を覚えることがありますよね。
今回はそんな瞬間を見た気がしました。

なにはともあれ、この全国ツアーが無事に完走できますよう!
コンサートに行かれる方は、そりゃもう全力で、全身で楽しんできてください!
そして様々な事情で行くことが叶わなかった方にも、トラジャの動画が元気を与え、支えとなりますように。





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