見出し画像

いちファンから見たBBCによる社長インタビュー


普段は割とほめほめnoteですが、今回は怒っているし、もういい加減にして欲しいと思った話。
嫌な人はスルーで、なんて言わない。
この話題が嫌な人ほど、タレントたちの将来のために、きちんと考えて欲しいと思う。


BBCが放送した「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」を見た。
YouTubeにはSMILE UP社の東山社長のインタビューのみで構成された映像もあり、私はそちらを先に見ることにした。

結論から言うと、とんでもないこと言ってんな、に尽きる。
ことの発端は、ジャニー喜多川による性加害問題。
しかし今くすぶっているのは、それを受けてからの事務所の対応に他ならない。

問題点はいくつかあるが(たとえば性加害をした元スタッフの情報を警察に提供してないなどあり得ない、むしろ未成年も所属する会社として告発して守ることが必要なんじゃないのか、しない理由は一体なんなのかとか)、なかでも誹謗中傷に関するやり取りが私は気になった。
ホームページに虚偽申告に対する注意喚起を載せたことで、誹謗中傷を助長する空気をつくったのではないか、そのことが誤りだったとは思わないか、という問いに、東山社長ははっきりと「現時点では思わない」と答える。

え?誹謗中傷がもとで、亡くなった方がいるのに?
家族の写真が流出した人もいるのに?

さらに
「まず何をもって誹謗中傷とするのか、どう思いますか?」
と逆質問。
当然、サバイバーを嘘つき呼ばわりすること、目立ちたいだけだろうというのはオンライン上の虐待だと思います、と記者は答える。

さらにとんでもないと思ったのは、この問いに対する

「言論の自由もあると思うんですね。」

この一言。
すごくないか。
誹謗中傷を言論の自由と言うのか。
ちなみに誹謗は悪口、中傷は根拠のないでたらめということで、本来は区別して使われる言葉だが、近年は一緒に使われることが多いそう。
少なくとも、でたらめを投げつけるのは言論の自由なんかじゃない。
オンライン上の虐待、その通りだと思う。

「多分その人達にとってはそれが正義の意見なんだろうなと思うときもあります。」

いや、そうね、その人たちにとってはね。
でもその暴走を、何をもってしても食い止める努力をし続けることは、今の会社がやるべきことのひとつだと思うのだけど、社長は

「僕自身がそれを言う事によって誹謗中傷が増える可能性もあるので」

と言う。
え?
この事務所のファンて、そんなやばい人達なの?
ダメだよーって当事者が言ってるのに、ますます増えちゃうの?
私もタレント応援してるけど、その中に入っちゃうの?
そんなことを思っていたら

「なるべく秘密裏にやっていきたいなと思っています。」

…やば~…。
この発言のやばさに全く気付いてないところがさらに酷い。

誹謗中傷発生→誹謗中傷やめろ→増える→じゃ、こっそりやるからあとは放置

ラインで喧嘩してるお友達グループの話じゃないよ?
名前の通った一般企業の話だよ?

とにかく、この社長の言う事に「なるほど」と思う部分は1ミリも無く、さらにタレントたちはこれを見てどう思ったのだろうか、と。
(見たよね?目を背けたりしてないよね?自分たちに関わる問題だよ?)

私が応援するグループのタレントは「この事務所の凄いスタッフ、すごい演出、エンターテイメントを世界に見て欲しい」と言っていた。
そうだよね。
素晴らしいステージを沢山作って、沢山の夢を届けてきたんだよね。
私もスパンコールキラキラの衣装で、
「ジャニーズエンタメここにあり!」
と表現する君たちを見て、本当にかっこいいと思った。

でもね、それを踏みつけたのはBBCじゃないよ。
こんな考え方が根本にある、事務所自らがこうしてるって思わない?
最初にBBCの番組が放送されたとき、晴れやかなステージで
「ジャニーズに入ってよかった。」
と涙する君たちを見て、本当にかわいそうだと思った。
君たちは何も悪くないのに、って。
と同時に
「誰かにとっては恩人も、誰かにとっては悪い人だなんてことは、ごく普通にあることなんだよ。」
とも思った。

でもね、今は違うんだ。
少しずつ色んな事が動いて、色んなものが姿を現してきて、その中でタレントたちが何を言ってきたか、事務所がどんなことをしてきたか。
それを見てるとね、あぁ、この人はもう応援できないなぁと思うタレントもいるし、この人のいう事はもっともだと思うけれども、それ以上の事をするのはいまの立場上無理か…と悲しくなったこともある。
いや、それこそが事務所の闇なのだけどね。

そして発表された、新会社お披露目合同コンサート。
『WE ARE! Let's get the party STARTO!!』

…このタイトルにドン引きしたのは私です。
だって、なんでこの会社が設立されたのよ。
今まだ何も解決してないでしょ。

エンターテイメントで夢を!
そうだね。
その気持ちに嘘はないと思う。
でもさ、夢を見る前に現実見て欲しいよ。
都合の悪いことをまるで何も無かったかのように振る舞うの、私は逆に怖いよ。
君たちはまだ若いし、事務所でも下っ端かも知れない。
けどね、そんな何もなかったかのように振る舞いながら届けるエンタメって、幻想でしかないよ。
霞と一緒。
本当の勇気にはなりえない。
分かり合える仲間内だけで喜ぶのは、虚しくなってしまう。
君たちのパフォーマンスが、楽曲が、そして何よりそれぞれの人柄が素晴らしいと思うからなおのこと。
BTSのように国連でスピーチしろなんて言わない。
ただ、彼らが事務所への愛を語れば語るほど、ことの本質が分かっているのだろうか、と疑問は大きくなっていく。
(余談だがBTSの一部のファンの人たちは凄いよ。シオニストにノーといってCEO解雇やディズニーを見るなと声に出している。)

私はかつて、恩師のパワハラ問題を経験した。
最初にその話を聞いたのは30年も前だ。
その方には沢山の事を学ばせてもらった。
その方との出会いは、自分にとって一生の宝だと思っている。
けれど一方で、被害者は声を上げ、それでもその声を封じようとした人がいたことが、被害者から告発されている。
自分が直接見たわけでも、されたわけでもないからといって、何も知らない顔をしてその方と接してきた自分を振り返る。
そしてその方は謝罪などしないまま、亡くなってしまった。
それでよかったのか。

今でも、その方を偲んで様々な方がSNSなどに書き込んでいる。
みんな知ってたよね。
けど、誰も触れないんだよね。

私にとっては大事な出会いで、恩師であっても、被害者の方は、何も無かったかのように恩師の美しい思い出を語る私たちをどう思っているだろうか。
私は、本当に何も言うことができなかったんだろうか。

ジャニー喜多川による性加害の実際の被害がどれほどのものなのか、私たちはその本当の姿を知ることは決してない。
何十年オタクをしていると豪語する人だって、「当事者の真実」を知ることは難しいはずだ。
だったら、せめて「真実」にたどり着く道を邪魔しないようにすることが大事なんじゃないのか。
虚偽報告があるだろうと当初から言われていたが、それは会社が個別に対応することであって、ファンが攻撃したり、会社がそれを助長するような態度をとることは、むしろ解決からどんどん遠ざかっていくと思わないのか。

罪はないタレントたちも、一般論としても会社に対して誠心誠意被害者に対応して欲しい、ファンに対しては誹謗中傷は止めて欲しいと言う事はできるはずだ。
何も言わないでいることは、ではあなた方は世間の性加害を容認しているんですか?と取られても文句が言えない。

なにより、タレントたちには「罪はなくとも、無関係では決してないんですよ、そういうところに君たちは今立っているんですよ」と伝えたい。
そしてファンにも、彼らを本当に守るという事は、すべてないまぜに蹴散らすことではなくて、推移を見守り、ファンこそ(今回の東山社長のインタビューなど)厳しい目をむけることで、物事と言うのは良い方向へいくのではと伝えたい。

私も彼らが大好きだからね。
無心に応援したいんだよ、本当はね。











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?