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百年経てばその意味わかる?

Travis Japanの1stアルバム【Road to A】。
【Moving Pieces EP】も、配信直後の夜中に笑っちゃったくらいいい作品だったけど、このアルバムも本当によくできていて、音楽そのものの純度が高いというか、あらゆる音楽ファンに向けて作られたんだなと感じた。

個人的には「Till The Dawn」「Seasons of Gold」「Keep On Smiling」の流れが好きすぎて最初はその3曲で止まってしまい、なかなかその先を聴けなかった。
さすがにそれはどうかという事で、「Candy Kiss」「Moving Pieces」「Turn Up The Vibe」を聴き始めたら、この流れがエグかった。
この3曲を同じ人たちが歌ってるって。
しかも1stアルバムに入ってるって。
楽曲の完成度の高さもあるけど、Travis Japanをどう売り出すか、改めてスタッフのプロデュースの力を感じて打ち震えた。

愛されている。
トラジャは、愛のあるスタッフに囲まれているに違いない。
そんなことを感じるアルバムだった。

では、いくつかお気に入りの曲について感想など。

JUST DANCE!

そりゃそう、そりゃそうですよ。
この曲で始まらないでどうするって話ですよ。
私が「奇跡のイントロ」と呼んでいるこのオープニング。
キラキラ輝く銀色の幕が開いて行くような、そんな雰囲気。
トラジャがこれから歩いて行く未来を、このイントロに託しながら聴いている。
内容も「あなたがどこの誰かなんて関係ない、きらめきを感じたら一緒に踊ろう!」という、ボーダーレスなメッセージが「誰も置いていかない」Travis Japanを表していて、オープニングにふさわしいデビュー曲。

Charging!

この曲をEPで初めて聴いた時、宮近くんの ♪Un~に「なんですって⁉」と叫んだ。
そして指笛。
お、おしゃれじゃん…!
内容も、毎日勉強や仕事でくたくたになったり、気持ちがくしゃくしゃになってしまった人たちを元気づける明るいエール。
全体を通して、「君の存在が僕のビタミンだよ!」という内容ではあるんだけど、「Hi all, let’s take five now」からはじまり、「Hey, stand up guys, look up to the sky」と不特定多数、それこそ今この曲を聴いてる人みんなに呼びかけているので、それがトラジャらしくてすごくいいなと思う。
「Love」と言うワードがたくさん出てくるけど、僕から君への愛、君から僕への愛、君から誰かへの愛、誰かから君への愛という感じがして、リリックビデオのスコーン!と明るい、まったく湿り気のないLoveがちりばめられているのが心地いい。

そして、

1人では 弱い僕だけど
不可能や痛みも消えてく
(Always by my side)
君となら

Charging!

この部分を閑也くんが歌っていること。
彼はデビュー前のアメリカ武者修行中、心身の不調でみんなと一緒に活動することができず、静養していた。
後のインタビューで、脱退も考えるなか、当時同室だった宮近くんが「絶対閑也を一人にしない。」と言ってくれたり、みんなが頑張っているのは自分の為でもあるんだと思うことができた、戻ってこれたのはみんなのおかげと語っている。
そんな彼が歌うこのパート。
だから、この曲は単純な恋愛ソングで片付けられない、もっと広い愛を歌っていると思っている。
KAGOME 野菜生活100 CMソング。

Keep On Smiling

♪Hello, new world~
宮近くんが息を吸い込んでから歌いだすオープニングが好きすぎて、インスタに動画をあげた。

以前、ホフディランの「スマイル」という曲を、森七菜がカバーしていた。
この内容がモラハラだとちょっと炎上していたことがあったが、私はホフディランがあえてそういう表現をしているのだと思ってたから、それを森七菜にニコニコ歌わせた人間が間違っていたんだと思っている。

で、このKeep On Smiling。
いや、モラハラじゃなくて、誰かに笑顔を求めることほど残酷なことってなくない?と個人的には思うので(笑えるなら笑ってるんだよ…)、この歌に出てくる人は「君が悲しい顔をしていると僕も辛いんだ。」ということなのかな、という解釈をしている。(歌ってるのがトラジャだし。)
タイアップ商品のコピーが
「笑顔、ずっと、つづけ。」
だったから、そう言わないといけなかったんだろう。

1曲通して聴くと、この曲も世界中の「あなた」に、ささやかな日常こそきらめきに満ちているよ、と語りかけている。
そう聴こえるのは、随所にみえる宮近くんの「ボーカルのスケール」のような気がしている。
子供の頃に見た赤毛のアンのように、どんなに嫌なことがあっても、朝がくれば全てが新しく始まるような、そんな気持ちにさせてくれる。
そして何より、宮近くんのオープニングがいい。(2回目)
ロゼット洗顔パスタCMソング。

DRIVIN’ ME CRAZY

デビューコンは一人で行っていたのだけど、この曲では一人で「Hoo~!」と盛り上がった!
そのあとF VILLAGE STARTING LIVE!の生中継でこの曲を歌うトラジャを見て、画面から会場の雰囲気がすごくいいのが伝わってきた。
アメリカでほとんどが彼らを知らない中、滝のような汗をかきながら大きな声で慣れない英語でMCをしたり、一切手を抜かずにパフォーマンスでみんなを惹きつけようと頑張ってきたことが、この曲によって実っていると感じた。
どれほどこの音源を待っていたことか。
どなたかが(トラジャをよく知らないとおっしゃっていたけど)「Uptown Funkみたい。」と言っていて、たしかに会場はUptown Funkと同じ空気になる。

コンサートで松倉くんが目いっぱい大きな声でみんなを盛り上げようとするのがいじらしいし、C&Rのチョイスは本当にそれでいいのか?となるのも毎回面白い。
初めて聞いた時は横浜で「あ・か・レ・ンガ!」で、ンガ!?ってなった。
さて、こちらのDUNKでは…?


Till The Dawn

最初に'Road to A' -Special Teaser-が公開されたとき、一番気になった曲。
どんどん歌が上達するトラジャに、いつかAORを歌うときが来るといいな~などと思っていたのだけど、もうきた。
早いよ。
昨今のシティポップブームもあり(海外でのブームは数年前には終わっていて、今は定番化しているようですね。)、色んな人に刺さるのではないかと思うのだけど、どうだろう。

そして一番気になったのは、
「この曲、どう踊るの?」
今回のツアーはアルバムツアー。
となれば、当然この曲でもダンスするはずで。
そしてトラジャはやってくれました!
Till The Dawnを踊りました!
しかも、めちゃくちゃロマンティックでした!

この曲は最後に如恵留くんが ♪Till the dawn で落としにくるので、要注意です。

Seasons of Gold

この曲もTeaserで気になっていたけど、まさかこんなスケールの大きな曲を歌えるようになっているとは。
トラジャの成長には、本当に驚かされる。
曲の良さもさることながら、メッセージがストレートに伝わる宮近くん、如恵留くんの♪四季は巡り生まれ変わる Seasons of Gold の芯の強さ、元太くんの歌い出しに、彼自身、やさしく繊細な人なのだろうと思わせる。
他にも7人それぞれの魅力がギュッと詰まった曲だ。
発表からほどなくして、正月の箱根駅伝の話題から、東京農大陸上競技部内で元太くんが流行っているらしいことを知った。
ちなみに東京農大の箱根駅伝出場は10年ぶり。
この曲って、東京農大の選手にピッタリじゃない?と思い、Xに選手へのエールとこの曲の歌詞の一部、そしてYouTubeリンクを投稿した。

Go
想いは今輝きだすよ
高みへ、さらに Higher
Go, oh, oh
Ready to go, go, go

Seasons of Gold

実際に選手の方が見てくれたかは分からないけど、そのポストから一人でも多くの人がこの曲にたどり着いてくれたら嬉しい。
そしてこの曲のコレオ(如恵留くんが担当)が舞台作品のようで、その美しい余韻をコンサート以外で披露する場があったらいいのにと思い、ダメもとでMステにリクエストしてきた。

Still on a journey

EPで初めて聴いた時、とても控えめな曲だけど、トラジャの「品の良さ」「穏やかさ」に注目してくれたのが嬉しかった。
biorのCMでのノーブルな雰囲気も本当に素敵だ。
この曲ではうみくんの
♪Hello, good morning
We're in the start of something wonderful to happen
I can feel it
で度肝を抜かれた。
こんなになめらかで、やさしい表現ができるなんて。
おそらくこれは英語を手に入れたからこそ生まれた表現だと思う。
そして閑也くん!

♪触れてみる素っ晴ーらしき日々

この歌い方!
めちゃくちゃ王道アイドルでありながら、ほんっと気持ちがいい。
ここを活かしてくれた方に感謝です!
そしてその後のしめちゃんと如恵留くんの掛け合い
♪Yeah, yeah
These days I won't forget
Surely, I won't regret
ここ、まるで小鳥のさえずりのようではありませんか。
美し~。
そして、これからのトラジャに思いを馳せる、少しの痛みと静かな希望に満ちた旅立ちの曲。
bior organicsオーガニックアクアエアレスクッションCMソング。

Global Editionについて

と、ここまで書いて、それじゃGlobal Editionはどう?という話ですが、私は日本語の方が良かった。
水を差すようで申し訳ないが、これが私の素直な感想。
より広い層がアクセスしやすくなったという点ではGlobal Editionを推すけれど、それ以外にGlobal Editionを推す理由は、私には無い。
それは英語の歌詞が、日本語に比べて世界が狭くなったと感じたから。
私は英語話者ではないので、「実際はそんな意味じゃないよ」という事もあるかも知れないが、ざっと目を通した感じでは、正直英語詞に落胆した。

Charging!の始まりが
Hi all, let’s take five now
から
Hi girl, you got me charged up!
になっていて、「あれ?allがgirlになってる?」と少なからずショックを受け。
さらに
Hey, stand up guys, look up to the sky
という、私が元気をもらえた歌詞は完全に消え。
Dance, the music takes you away
Baby, show me you light
Lead me all through the night
とは?
なんか、全体にガッツリ恋愛に寄ってない?
あのリリックビデオの世界観は?

Seasons of Goldも、なんかうまくいかなくなった二人の歌みたいになってる?
僕たちが失ったもの?素敵な思い出??

もともとOkie Dokieもgirlである必要はないと思っていて、
You're looking sexy in the furry boots
とか、あぁ、アイドルだからね、そういうファン層を想定してるんだよね、そうじゃなかったら歌詞としてはもうほんとにここの表現は不要ですよね、と思っていた。
この曲のトラジャのパフォーマンスには無邪気な癒しのようなものがあって、それは老若男女に訴えられるものだから、このあたりの表現は、なんかもったいないなぁと思う。

とはいえ、それなりに大事なところを押さえてくれた曲もある。
例えばDRIVIN' ME CRAZY English ver.' では原曲の元太くんパート
♪朝日がのぼるまでぃえぃ
という歌い方がすごく良くて、ここが
♪PLAY NO GAME
になっていて、ポイントのでぃえぃとGAMEを同じ歌い方になるようにしてくれたことには1万点差し上げたい。

JUST DANCE!を聴いて「やった!」と思ったのは、先の感想にも書いたボーダーレスなメッセージだった。
世界へ出て行こうとするトラジャが、あらゆるボーダーを越えていくんだ、Boys and girlsという歌詞をある時からHey you guysと歌い替えてきた、それができる人たちなんだ、と思う気持ちも彼らを応援する大きな理由だった。
アルバムの出来も素晴らしく、これが英語でさらに多くの人に広まっていくのが楽しみで仕方なかったのに、ふたを開けてみれば、私にはなんとも小さい世界に見えてしまった。
唯一、Still on a journeyは日本語詞の世界観を壊すことなく成立していて、本当にいい曲だと思った。

トラジャの歌う【LOVE】は、性別も国籍も年齢も、あらゆるものを越えていけると私は思っている。
日本語版ではそれができていたのに、英語版を作るときにどういうコンセプトになったんだろうか。
男女の恋愛の曲がダメだというのではなくて、もともと日本語の曲に感じていたメッセージが消えてしまったことにショックを受けている。
そしてやたらgirlと言いたがるのも、大人が聴くには冷めてしまう。
そっちの方が海外では売れるんだろうか。
私が今感じているトラジャの良さを無くして売れたとしても、私はいずれ聴かなくなると思う。
そんなこともあり、改めて日本語版の良さをかみしめ、Global Editionはまだ全曲きちんと聴けていない。



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