吾輩はとあるアパートに住む
「ぬいぐるみ」である。

人間の基本的な生活において
吾輩に活躍の場はない。

どの家庭にも形こそ違えど
ひとつやふたつ…いや、数えたら
そこそこの数が生息しているであろう
ただのぬいぐるみなのだ。

さて今日は今回「も」我が主が
買わない方向に落ち着いた
家電の話をしよう。

「も」と強調した通り、
我が主は幾度となく購入を検討し、
その度に買わない選択をしている。

それは「掃除機」である。

我が家から掃除機が消えてもう
何年になるだろう…。

消えたきっかけは故障だが、
結局新たに買うことなく
今日に至っている。

お掃除ロボット以外、色々なタイプの
掃除機を使ってきたが、
どれも買い替えのタイミングで
新人を迎えることはなかった。

我が主に最終的に選ばれたのは
クイックルワイパーとほうき、
そしてコロコロ君こと粘着テープである。
もちろん棚の上などはハンディワイパーが
活躍している。

この４点に加えるとすれば、
ワイパー用のウェットシートか
雑巾くらいだ。

これらは掃除機があっても無くても
減らないだろう…。
ちょっと気になった時にいつでも
さっと手軽に掃除できる点では
掃除機は勝てない。

ハンディタイプだろうが、
どんなに軽かろうが、
朝一番、身支度に使った洗面所の
床に落ちた髪の毛を掃除機を使って
掃除しようとは思わない。
家族はまだ布団の中だし、
今の住まいは賃貸アパートなのだから。
そうでなくても面倒である。
サクッとクイックルワイパーで
撫でるに限る。
だから掃除機があっても減らない
掃除道具なのだ。

それなら逆に掃除機はどこまで
我が家に必要なのか…。
主は何度も検討したが、
メリットがデメリットに
勝ることはない状態だ。

我が家で掃除機が歓迎されない理由は
いくつもある。

・主が一人暮らし経験者で
　クイックルワイパー生活に慣れていた。

・戸建て住まいの時、
　室内犬が掃除機を嫌って吠えまくり
　使う気が失せた。

・子供が生まれてからは
　昼寝してくれている間に掃除を静かに
　済ませたかった。

・溜まった掃除機の中のゴミの処理や
　メンテナンスが面倒。

・準備、片付けも面倒。

・近年はやたら高価。

・我が家は今も昔もそんなに広くない。

・加えて今は賃貸アパート。
　生活音は可能な限り減らしたい。

もちろん掃除機は便利な面も多いと
主は認めている。
だが、その便利さの代償である
メンテナンスが問題。
主なら出来る。面倒でもやる。

しかし日々家事をしている我が主でも
面倒と思う毎日ではない作業を
不器用な家族達に必要な作業と
習慣付けるのはそれこそ困難で面倒だ。

我が主しかやらない家事は
将来的に頓挫する可能性がある。
誰が一番先に動けなくなるか
誰にも分からないからだ。

だからこそモノだけでなく
面倒と感じる作業も減らせるなら
減らした方が良い。

その上、安くない商品代＋電気代が
節約出来る。

ーーーうん、買うのはやめよう。

そんなこんなで
今買うなら…と商品リサーチを
がっつりしておきながら
我が主は買わない選択をする。

これから先、モノはそう簡単に
安くならない。
いい加減、検討自体止めればいいと
思うが、人類にとってモノを見比べるのは
なんだかんだ言って楽しい作業なのだろう。

だからなのか、主はいつか
お掃除ロボットを導入する為にも
モノを減らそう！と頑張っているが、
吾輩は断言する。

モノが減れば更に掃除がしやすくなるから
掃除機よりも高価なお掃除ロボットに
手を出す日はきっと来ないだろう。

吾輩に似たコイツも
主が嫌うメンテナンスが必要なのだ。
本体からゴミを回収する付属品が
あったとしても…そこからゴミを出すのは
ヒトなのだ。

結局今あるお手軽掃除グッズが
一番だとその時にも主は言うであろう…。

もちろん必要な方は気にせず
買っていただきたい。
単に我が主と掃除機の相性が
すこぶる悪いだけの話である。