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初対面の人に話しかけるのは難しい

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”ローコンテクストな会話”が苦手だ。

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最近になって、ハッと思いついた。表題の原因である。

「ローコンテクスト」とは程度が低いとかいう意味ではなく、「各々のバックグラウンドに関係なく、誰でも共通に話題にできる」という意味。
逆に言えば、「ハイコンテクスト」は話題の背景や前提知識が入っていないと、文脈が理解できないものだ。


「初対面が苦手な理由これか?」と思いつくに至った経験を以前にした。

大学2年の終わりに、フィリピンのセブ島に1か月間滞在した。滞在先には、フィリピン人はもちろん、中国人、韓国人、台湾人、ベトナム人等々、アジア圏を中心に様々な国籍の人々が滞在していた。

大学では体育専門学群(以下、体専)に籍のあった私が、共通の話題を探した時、スポーツが最初に思い付いたのは自然なことだったと思う。

しかし、あまり話が盛り上がらないというか、まったく通じない感じだった。スポーツは私が思っていたよりずっとハイコンテクストな話題だったらしい。


確かに国によってメジャースポーツはまったく異なる。フィリピンでメジャーなスポーツは、サッカーとバスケットボールだった。実際私だって、野球の5倍の競技人口がいると言われているクリケットのことは有名選手どころかルールもよく知らない。

当たり前のことだが、体専から外に出たら体専ではないのだ。初対面で、「へ~、〇〇(名前)っていうんだ!専門(種目)なんなの?」と聞き合うような環境ではないのだ。

代わりにフィリピンで誰とでもよく話題に上がったのは、恋人のこと、宗教のこと、政治のこと、歴史のことだった。こういった話題が世界的に見ても、ローコンテクストなんだろう。


そういえば、ハリウッド映画は愛とか平和とかをテーマにすることが多いと聞いたことがある。万国共通(=ローコンテクスト)だから。
きっとアニメも一緒。昨今世界的にメジャーなアニメが世界で認められるようになった大きな要因のひとつに「無国籍であること」があると思う。どこにも属していないから、どこでも受け入れられる。

でもこれって、国が違うから起こることなのか?同じ国の中でも一緒なんじゃ?と思ったことが今回の気づきの発端。

初対面の人は特に、世代が違う人とか、関東出身か関西出身か、高卒か大卒か、それぞれバックグラウンドが異なる人同士が関わるとき、共通の、ローコンテクストな話題から入らなければ、会話が盛り上がるのは難しいのではないかと思う。

逆に、気の置けない友人とは、ハイコンテクストな会話を楽しむことができる。友人の好きなことを知ってるし、趣味も知ってる。加えて、2人だけの共通の思い出があれば、それは2人以外は入り込めないほどの”超”ハイコンテクストな会話になる。友人との会話では、そういった高次元な会話を楽しんでいる面もあるのではないかと思う。
(例えば、相手が同じ地元出身と知ったとき、急に親近感が湧くのもここまでの話が関係しているような気がする。大抵の場合その後、お店、場所、知り合いなど共通の知っているものがないか質問大会になる。)


話を冒頭に戻す。
つまり何が言いたいかというと、初対面の人とストレスなく、会話をするために必要なことのひとつに、ローコンテクストなテーマを押さえることがあるのではないかと思う。

私は、なんかいろいろ、教養がないと感じる(特に高校同期と話すとき)。
ローコンテクストなトピックを押さえられてない上に、ローコンテクストなトピックだと思っていたものが、実はそうじゃなかったみたいなズレがある(可能性がある)。

初対面の人と話したい時、「なに話そうかな。なんの話ならできるかな。でもこっちから話しかけるの気持ち悪いかな。今回はちょっとやめとくか。」と人見知りを発動しているのは、これがひとつの原因では?という考察でした。


「細かいことは考えずに話しかけろよ」と思っているそこのあなた。まったくもってその通りである。

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