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窓ガラスに向けてちょっと微笑んだりもする

 休日の朝、いきつけの美容室に行ってカットとカラーしてもらった。カラーっつっても白髪染めですが。
 カラーで思い出しましたが、職場(服装自由)に明るい茶髪ショートの毛先にピンクのメッシュ入れてる女の人がいて、ぼくはいつもウーパールーパーみたいだなあと思っている。
 むかしウーパールーパーの歌あったなあ。それと、CMで「ウパッ」て声で鳴いてたけど、人間側が命名した名前に沿って鳴く生き物に「おまえは、本当にそうか?」と当時のぼくは思って、何らかの感情を抱いて歯がみしていたのを思い出す。
 その子に、毛色がウーパールーパーみたいで良いね、と言いたいけど、そういう意図じゃなかったらどうしようとも思う。

「ピンクのメッシュ、オシャレやね」
「えー! ありがとうございます」
「ウーパールーパーみたい」
「ウー…? え、なんですか?」
「おまえは、本当にそうか?」
「は?」

 まあ、わかい人なので、ウーパールーパー知らない可能性は大いにある。なので、その子を見る度にウーパールーパーのことを思い出すだけにしておこう、とぼくは思った。ウパ。ぎりぎり(歯がみ)。

 で、美容室でカットとカラーしてもらったって話ですけど、きょうの担当の美容師さんは、今日からこの店にやってきたらしい人だった。完全に格好いい男性だった。完全に生田斗真だった。実力もあり、完全に格好いい。
 シャンプーめちゃくちゃ気持ち良かったし、カットもカラーも終わってセットしてくれるときも、いろいろコツとか詳しく教えてくれて、あと、店出るときも、どの店員さんよりも遠距離まで見送ってくれて、誠実だなぁと思った。
 見送ってくれたとき、後ろを振り向いたら、美容師さんがまだこちらを見ていて、お辞儀をしてくれる。
 いつも思うのですが、美容師さんはこのとき、店を出て自分が接客したお客様が新しい髪型でウキウキしながら街をあるいてゆく様を見届けて「ああ、良い仕事したなぁ!」と思ったりしてるんじゃないだろうか。
 なので、ぼくは店を出てしばらく、わざと意識的に背筋を伸ばして歩く。ときどき、こう、建物のガラスにうつる自分を見て、意味も無く「うむ」と頷いたりする。髪型気に入ってますよ。ああ、あの美容師さんに担当してもらって良かったなあ。今日は良い一日になりそうだ!
 これが、髪型とは全く別の要因であっても、例えば肩凝ってるとかでうっかり姿勢わるく歩いたりすると「えっ、あのお客さん本当は髪型気に入っていないのでは?」と美容師さんに思わせてしまい、続く接客に影響を与えてしまうんではないかとか思う。
 生田斗真の表情に一抹の曇り。だめだ。生田斗真は自信満々で「アリエールでしょ」だ。
 本当は気に入っているので、良い一日になった。ありがとうございます。

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