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UGSFについて軽く解説してみる

 私は最近、ナムコのUGSFシリーズや『ゼビウス』(主に小説のほう)にハマっています。
 UGSFの設定っておもしろいんですが、なんとなく難しそうだなあと感じる方も中にはいると思います。
 ということで今回は、UGSFシリーズについて自分のわかる範囲で軽く解説してみることにしました。

 なお、この記事はUGSF初心者が書いているものであり、内容の正確性はいっさい保証しません。あくまでも参考程度にお読みください。また、一部作品のネタバレも含みますのでご注意ください。


1.UGSFってそもそも何?

 ナムコっていろいろなゲームを出していますよね。『エースコンバット3』とか『ギャラガ』とか、『ディグダグ』とか『ミスタードリラー』とか『スターブレード』とか。
 いま挙げた5つのゲーム。実はいずれも世界観を共有している、つまりどれも同じ世界で起きている出来事なのです。

 ナムコのゲームには宇宙に関連したものが数多くあります。それらのゲームの中には「実はこのゲームってあのゲームの○年後の話なんだよね~」的な裏設定を持つものがありました。そういった裏設定で繋がっている作品群を「UGSFシリーズ」といいます。

 では「UGSF」の意味は何なのかというと、「United Galaxy Space Force/銀河連邦宇宙軍」の略です。
「United Galaxy/銀河連邦」は地球を母体とする宇宙規模の連邦国家です。地球人だけでなく、宇宙のあらゆる種族の国家が銀河連邦に属しています。そんな銀河連邦が所有している「Space Force/宇宙軍」がUGSFです。

 UGSFシリーズのゲームは宇宙を舞台にしたものが多いです。
 しかし例外もあり、たとえば先ほど挙げた『エースコンバット3』は宇宙進出前の話です。『ディグダグ』や『ミスタードリラー』も、銀河連邦内の一惑星が舞台です。
 舞台も雰囲気も異なる作品が同じ器に入っている、そんなごちゃ混ぜ感もUGSFの魅力のひとつです。

 それではUGSFの設定はどのようにしてできたのでしょうか。

 UGSFに関する設定は元々、各ゲームの開発者がつくった私的なものでした。当初は仕様書の端っこに書かれた「オレ設定」に過ぎないものでした。

 ゲーム性に重きをおくナムコではそうした設定は重要視されず、日の目を見ることもないままシュレッダーにかけられる運命でした。

 しかし、その運命に抗おうとする方々が社内にいました。そんな方々の暗躍により、多くの裏設定が救出・保存・継承されることとなりました。現在ではUGSFシリーズの公式サイトもあり、UGSFの世界観は公的なものとして扱われています。


 なお、UGSFシリーズ公式サイトのABOUTページに以下のような文章があります。

本設定が公式ではありますが、後に発売された別タイトルからUGSFシリーズに組み込まれたタイトルもあり、設定に齟齬が生じている場合もあります。また、今後発表されるタイトルがUGSFシリーズとリンクした場合、この年表に追加、修正が発生する場合があります。が、この後付けもUGSFシリーズの特徴です。おおらかな心でお楽しみください。

UGSFシリーズ 公式サイト

 これは「後にUGSFに入れたいというコンテンツが出てきても入れられるだけのキャパシティがある」という意味のようです。すべての設定が後付けというわけではないことにご注意ください。

 そして作品をUGSFシリーズに入れるのにも、開発チームの了解をとる等、一定の条件があるようです。決して独断で年表がつくられているわけではありません。

 また『ボスコニアン』や『ミスタードリラー』のように、整合性をとるため原作の設定に改変が加えられることもあります。

 何にせよ、おおらかな心でお楽しみください。

2.UGSFの設定の楽しみ方

 次に、UGSFの設定を知っているとどんな楽しみ方ができるのかというお話です。

 まず、ゲームへの没入感が高まります。
 UGSFシリーズに属する作品の中に『ギャラクシアン』というゲームがあります。簡単に説明すると、自機「ギャラクシップ」を駆って敵の「エイリアン」の群れをガツガツとぶっ倒していくゲームです。

WE ARE THE GALAXIANS MISSION:DESTROY ALIENS
「ギャラクシアン」は敵ではなく我々なのです。We are the Galaxians!
遊び方説明
ギャルボス(いちばん左)の攻撃中の得点、「?」になってるけど上のスコアテーブル画面では普通に出てるよね……。
デモプレイ画面?
これはクレジット投入前のデモプレイ画面だったかな?
上にたくさんいるのがエイリアンで、下のヘンな形をした機体がギャラクシップです。
ギャラクシップ、カッコイイ!
GFX-D001a フィギュア
カッコよすぎるのでフィギュアも買ってしまいました。Amazonで売っていますので、懐に余裕のある方はぜひ。
『ギャラガ』の自機である「ファイター」もセットになっております。

 でもこれ、冷静に考えるとおかしいと思いませんか。
 敵がたくさんいるならたくさんの機体で迎え撃ったほうが良いはずです。それなのに自機のほかに味方の機体は無く、ぽつりと独りで戦うだけ。
 しかし、UGSFではこれにも理由づけがされています。

『ギャラクシアン』当時(2279年)の銀河連邦はまだ宇宙に出たばかりで、大規模な艦艇は造れませんでした。そんな状況でエイリアンと正面から戦っても、マトモな戦いは期待できません。

 そこでUGSFは博打を打つことにしました。「めっっっっっちゃくちゃ強いやつをひとつだけ造って不意打ちでぶん殴れば、ちょっとは勝てる可能性あるのでは?」という作戦でした。
 UGSFは機体の生産数をごく少数に絞る代わりに、一機一機に金や資源をじゃぶじゃぶつぎ込みました。こうして当時のありったけの技術を載せた航宙機・ギャラクシップが造られたのです。

 この背景を知っているとゲーム内の状況に納得できますし「自分が銀河連邦の命運を背負っているんだ!」という臨場感も増します。

(ちなみに、この超絶強々機体単独奇襲作戦には「アサルト戦術」という名前がついており、UGSFのお家芸となっています)

 また、ひとつのUGSF作品を別の角度から見たり、ほかのUGSF作品と関連付けたりして妄想するということもできます。

 UGSFシリーズの作品に『みずいろブラッド』というゲームがあります。
 このゲームの主人公のみずいろちゃんは、UGSFの敵である「UIMS(ウイムズ)」という種族です。当時(2618年)の銀河連邦は地球をUIMSに奪われており、ゲーム内では奪還のために地球の偵察をしていました。

 しかし問題はこのゲームの公式ブログの終盤です。(現在元ページが閲覧できないため、アーカイブのURLを掲載しています)

 公式ブログのストーリーでは、UIMSは文字通りの死闘の果てに地球を銀河連邦に明け渡すことになりました。

「みずいろちゃん! くろはらくん! うわああああああ!」で済ませてももちろん構いません。しかし、UGSFの設定を知っているとほかにも見えてくるものがあります。

 このブログで描かれている戦闘はUGSFからは「オペレーション・ドレッドノート」と呼ばれています。また、作中に登場した惑星破壊砲には「ドレッドノートG.A.I.A.」という名前があります。

 この「G.A.I.A.」というのは「Galaxy Absolute-defense-line Interception Armament/銀河絶対防衛線阻止迎撃兵器」の略です。簡単にいうと「国家存亡に関わるヤバい事態が起きている時しかつくれない兵器」を指します。

 G.A.I.A.に該当する兵器の開発には、銀河連邦が持つ資源をなんでもかんでもつぎ込んでもいいというルールがあります。
 そんなものをバンバンつくられたらもちろん困るので、G.A.I.A.をつくる際には連邦議会で「G.A.I.A.承認」を得る必要があります。

 G.A.I.A.をつくることになれば連邦が疲弊する上に最悪インフラが止まるため、よほどのことがない限り承認は下りないものと思われます。
 つまり、オペレーション・ドレッドノートは銀河連邦全体から「よほどのこと」と捉えられていることがわかります。

 ほかにG.A.I.A.に該当する兵器が登場する作品を見てみると、国家存亡どころか宇宙存亡の危機だったり、そもそもUIMSに地球を奪われた元凶の戦いだったりします。

 みずいろちゃんが必死で地球を守ろうとしたように、UGSF側も地球を取り戻すために必死だったことがここからわかるのです。

3.UGSFを今から追いたい? そんなあなたに『電音部』!

 UGSFシリーズって昔の作品が多くて、今からではプレイするのが難しいものや、既にできないものもありますよね。自分は28人版の『ギャラクシアン3』に憧れます。

 ではUGSFシリーズを追うにはもう遅いのか?というと、そんなことはありません。
 なんと、ゲームではありませんが現役で動いている新しいコンテンツがあるのです。それが音楽原作キャラクタープロジェクト『電音部』です。

 UGSFシリーズ公式サイトの年表には載ってないよね?と思われるかもしれませんが、細かいことは気にしたら負けです。説明します。

『電音部』はDJの部活動・電音部の活動を通して女子高生たちの心境の変化や成長を描くというコンテンツです。現在ノベル全文をアソビストアbookにて期間限定で無料公開しているほか、途中までですがコミカライズもされています。

 音楽が原作というだけあって楽曲の歌詞はストーリーとリンクしており、ノベルを読む前と後では感じられ方が違ってきます。
 また、ノベルだけでは読み取れない感情も楽曲に滲み出ていたりして、歌詞について考えているだけでも楽しいです。それを抜きにしてもとても良い曲ばかりなのでぜひ全曲聴きましょう。

 ノベルを読む前に聴いても構いませんが、『Do You Even DJ? 2nd』以降の曲はまた毛色が違うので、ノベル第1部読了後に聴くことをオススメします。


 この『電音部』。一見するとめちゃくちゃ曲が良い美少女コンテンツですし実際そうです。しかし、世界観設定を読むと怪しいところが見えてきます。

 まず『電音部』の世界では、AIによるシンギュラリティを迎えていることが公式設定として明かされています。楽曲『good night baby』や『電脳ロリポップ』でもAIが台頭した世界について歌われています。

 キービジュアルの背景もサイバーパンクな雰囲気のものが多く、SFチックな世界観であることがわかります。
 ノベル内の描写では、女子高生のキャラクターたちが自動運転の車を使うシーン等で近未来的な世界観を感じとることができます。

 そしてさらに重要な点があります。『電音部』にはDJ用のユニットやAI等の開発元として「ニューコム社」が登場します。このニューコム社は、なんとUGSFシリーズ作品『エースコンバット3』に登場した企業なのです。

 エスコン3以外の作品にも登場しており、銀河連邦所有の超重要なアンドロイドを無断で実験に使った挙句失敗して宇宙の果てに吹き飛ばしたにもかかわらず何の罰則も受けないどころか穴埋め役の一部を任されて甘い蜜をすする立場になったり、自社製のコンピュータの不具合で10,000隻の戦艦がダメになったのに何の説明もしない上「銀河連邦はシビリアンコントロールが原則だから軍隊であるUGSFは口出しできませんよね」とかほざいてUGSFによる調査からまぬがれたり、マジで最悪なことばかりしています。

『電音部』ではニューコム社の新型スピーカーの技術が元々軍用であることが示唆されており、さっそくキナ臭いことになっています。この先どんなことをやらかしてくれるのか楽しみですね。

 また、ストーリー第2部では「GR社」が登場するようです。その正体は同じくエスコン3に登場した大企業「ゼネラルリソース社/General Resource LTD.」ではないかと噂されています。

 ゼネラルリソース社とニューコム社は非常に仲が悪く、しょっちゅう互いに足を引っ張りあっています。『電音部』では主要キャラクターたちがこの二社の陰謀に巻き込まれる展開になるかもしれません。『電音部』のこの先の動向から目が離せませんね。

4.UGSFの設定と「ディアスタシオン」

 中にはUGSFに対して難解なイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。確かにまったく難しくないといったら嘘になりますが、すごく難しいかといったら別にそうでもないんじゃない?というのが自分の意見です。

 UGSFの設定は案外緩いところがあります。それはUGSFの設定がゲームのためのものだからです。
 UGSFのゲームを作る際、もしガチガチに設定を固めていたら、それに邪魔されて思うように作れない可能性がありますよね。そうなってしまっては本末転倒です。
 そのため、UGSFの設定は細部までは決めずに敢えて余裕を持たせているのです。UGSFがあらゆる作品を受容できるのも、そういった緩さがあるからです。

 また、UGSFには多くの平行世界が存在することも示唆されています(ちなみに先ほど挙げた『電音部』も、公式の年表の時系列とは異なる世界である可能性があります)。それぞれの世界によって歴史や設定が異なることもあるでしょう。だからあまり肩肘張らずに考えればいいんじゃないでしょうか。UGSFは自由です。

 UGSFの設定の自由度の高さを語る上で外せないものがあります。それが次元粒子「ディアスタシオン」です。

 UGSF世界にあるすべてのものは、ディアスタシオンという存在の動きに沿ってつくられているという設定があります。つまり、ディアスタシオンの動きを操作することができれば、神のごとく世界そのものを操ることができるのです。

 この設定はUGSFのあらゆるトンデモ設定をまとめるために創られたもので、実際何でもこじつけが可能です。

 たとえば超能力は、UGSFの設定では「意志の力でディアスタシオンを動かす能力」とされています。
 ディアスタシオンは三次元の物理法則よりも上位の概念です。そのため、超光速で宇宙を飛ぶのも、宇宙で音が鳴るのも、ディアスタシオンの設定を使えば説明がついてしまいます。

 最高に頭の悪いことをいえば、仮にこの先トラックに轢かれて異世界転生するUGSF作品が出てきたとしても説明が可能です。「主人公は潜在的な超能力保有者であり、トラックとの衝突によりディアスタシオンの挙動に乱れが~」等と言えば良いわけです。

 UGSFの設定は世界観を縛るものではありません。むしろ世界を広げ、あらゆるストーリーを受け入れるものです。UGSFは自由なのです。

5.UGSFと『ゼビウス』

 宇宙に関連する有名なナムコ作品といえば『ゼビウス』が挙げられます。

タイトル画面
「ゼビウス」は古代語(通称・ゼビ語)で「4番目の星」を意味します。
ちなみに『ゼビウス』の舞台となるのはゼビウスではなく地球で、ゼビ語も元は地球語です。
遊び方説明
自分は「アンドアジェネシス」より「アドーア・ギレネス」派。

 ゲーム性やビジュアル面が優れているのは言わずもがな、非常に壮大で奥深いバックストーリーがあるのも『ゼビウス』の魅力です。

『ゼビウス』のストーリーについて軽く説明すると以下の通りです。

 はるか昔(15,000年以上前)、ヒトの脳細胞を元にしたバイオコンピュータ「ガンプ」がつくられました。

 ガンプは「人類を洗脳して意志を剥奪し、私が完全に管理してあげよう! で、洗脳が効かないヤツらはぶっ殺せば人類皆幸せじゃね?」(純粋な善意)と考えました。

 野望の実現のため、ガンプは自分に従順な人類を選別し、自らの分身とともに宇宙へと飛び出しました。そして、アウス、シオウス、オリウス、ゼビウス、レフウス、ファーウスという六つの惑星に地球人類を移民させました。

 ガンプはこの六つの惑星と地球の位置関係を利用して、自身を超強化しようという計画を立てていました(「ファードラウト」)。その計画が実現してしまえば、全人類はガンプの言いなりです。

 それを食い止めるため、地球の人々はソル・バルゥ(『ゼビウス』の自機)を造りガンプに立ち向かうことにしました。

 はたしてこの戦いはどちらが勝利を掴み、また人類の在り方はどうなるのでしょうか?

 このように『ゼビウス』のバックストーリーには宇宙が大きく関わっています。しかし、UGSFシリーズ公式サイトの年表に『ゼビウス』は載っていません。では『ゼビウス』はUGSFシリーズとは無関係なのでしょうか?

 いいえ、そう決めつけてしまうのは早計です。
 まず、先述のようにUGSFシリーズには平行世界が存在します。年表とは別の平行世界において『ゼビウス』の出来事が起きている可能性も十分にあるのです。

 また、既出のUGSFシリーズ作品にも『ゼビウス』が大きく関わっていると思しきものがあります。それが『New Space Order』です。

『New Space Order』では民主連邦(=銀河連邦)のほかに、軍事帝國、神聖宗教国、封建王朝国という三つの国家が登場します。

 そして各国家の正式名称は順に「オーラ・ガル・セリック・ゾ・アウス」、「セレスティア・ティアン・ファーウス」、「ティェンチョウ・ゾ・レフウス」であることが明らかにされています。

「アウス」、「ファーウス」、「レフウス」。これらはガンプが移民先に選んだ惑星と名前が一致しています(ついでに書きますがUGSFシリーズ作品『しんぐんデストロ~イ!』には「オリウス」という惑星も登場しています)。

 また、このうち軍事帝國では『ゼビウス』に登場したゼビ語(正式名称は「古代汎銀河公用語」)に酷似した言語が使われています。

 神聖宗教国では「イル・ドークト」という装甲が使われているのですが、これは『ゼビウス』の敵の装甲と同じ名前です(名前が同じだけで性能は雲泥の差です。『ゼビウス』のほうが雲)。

 公式サイトのショートストーリーにも『ゼビウス』に関わる要素が登場します。経緯は不明ですが、UGSFはシオ・ナイト(人類の味方側の機体)に乗ってやって来た何者かからソル・バルゥを託されるようです。

 そして公式ブログにも『ゼビウス』と『New Space Order』の強い関係性が伺える文章があります。『New Space Order』はUGSFに関して語られていない設定を引き継いでいるようですが、その例として「ガンプの関与」が挙げられています。
 また、本作の設定コンセプトが「ファー・ドラウト・ピターミル・フォルサ・レプケ(再び始まる新たなファードラウトの物語?)」であることも書かれています。

 このように、UGSFシリーズと『ゼビウス』は直接の関係は示されていないものの、深く関連しているであろうことがわかります。

 簡単にまとめると、「『ゼビウス』は現状UGSFシリーズではないけど、確実に何か関係はある」くらいの認識で良いんじゃないでしょうか。

(余談。上の説明を読んでガンプって怖いヤツだなーと思った方もいらっしゃると思いますし実際怖いヤツです。しかし案外ドジっ子なところがありまして、妙にカワイイんですよね。
 それにやっていることはともかく根は人類想いの良い子ですし、ガンプを好きになる方もきっと少なからずいらっしゃると思います。
 興味を持った方はぜひ小説ゼビウスを読みましょう!)

6.知っておくと楽しくなるUGSF用語集

 長々と書いてきましたが、結局いちばん気になるのは「で、UGSFって具体的にどんな設定があるの?」というところではないでしょうか。

 というわけで、最後にUGSFの超基本用語や、妄想する上で便利だったり楽しくなったりするものについて独断でまとめます。

・UG(United Galaxy)/銀河連邦/民主連邦
 宇宙にある国家のひとつです。国民はヒトだろうがそうじゃなかろうがギャラクシアン(「銀河人」の意)と呼ばれています。名前に「連邦」とつく通り、宇宙にある多くの国家が連なってできています。
 元となったのは地球なので、多くの作品でこの銀河連邦が主役となります。要するに、未来の我々だと思ってもらって構いません。

・UGSF(United Galaxy Space Force)/銀河連邦宇宙軍
 銀河連邦が持つ軍隊です。UGSF総軍の下に陸軍・海軍・空軍・宇宙軍・地中軍・SAT(Special Attack Team/後にSpecial Attack Troop)の六軍が存在します。
 銀河連邦は民主主義国家なので、シビリアンコントロール(軍隊が政治を動かしちゃいけないよっていうアレ)が基本です。そのため、軍は何をするにしても連邦議会の承認が必要となります。UGSFの行動に対して議会からストップがかかることもしばしばあるようです。

・Federation FEDCOM/Root Unit
 Federation FEDCOMは銀河連邦の非常に重要なコンピュータです。政治の手助けや経済・インフラの管理、国防計画の立案などが主な仕事です。
 銀河連邦は多くの機能をFEDCOMに依存しているようです。FEDCOMが終わるとおそらく銀河連邦も終わります。

 FEDCOMの処理を行うユニットはルートキーといい、全部で七つ存在します。これが盗まれると簡単にFEDCOMを悪用されてしまいます。そうなると大変なので、何かあった時に自力で逃げられるよう、意思を持つアンドロイドにルートキーの役割を持たせています。このアンドロイドをRoot Unitといいます。

・ゼネラルリソース社(General Resource LTD.)/ニューコム社(Neucom inc.)
 どちらも悪の超巨大企業です。この二社はとてつもなく仲が悪く、どれくらい仲が悪いかというと1,000年以上仲直りしていません。
 UGSFの兵器の多くはこの二社をはじめとした大企業によって賄われているため、大企業は銀河連邦内で大きな発言力があります。銀河連邦の実質的な支配者は大企業であるといっても過言ではないでしょう。

 ゼネラルリソース社はお金大好きで保守的な企業体質です。莫大な資本力を持ち、敵対勢力に圧力をかける最低の企業です。しかしその圧倒的な資本を失いたくないがために、チャレンジングなことは避けて旧来のやり方を重んじる傾向にあるようです。「資本力からはいつもダサいフェイクだ」ってヤツですかね。

 重工業や建設、戦闘機の製造等が得意分野のようです。また、『リッジレーサー』シリーズに登場するニトロはゼネラルリソース社製です。
 そういえば指一本で爽快なドリフトがキメられるスマホレースゲーム『ドリフトスピリッツ』にもゼネラルリソース社のロゴが登場する上、ニトロという要素がありますね。関連性が気になるところです。


 ニューコム社は科学大好きで先進的な企業体質です。とびっきりの科学力を持ちますが、倫理観がいろいろと怪しいです。その最悪っぷりは既に書いたので省略しますが、タブーなき挑戦(物理)を地で行く最悪の企業です。
 AIやアビオニクス(戦闘機とかを動かすための電子機器)、ナノ・バイオテクノロジー等が得意分野のようです。また、後述のナノバイトはニューコム社が開発したものです。

 この二社のほか、ガローフ社、アージュ・アビアシオン社、テラジ・ヘヴィインダストリー社の三社は名前を頭に入れておくといいかもしれません。

 アージュ・アビアシオン社とテラジ・ヘヴィインダストリー社は『リッジレーサー』シリーズに登場するメーカー「アージュ」と「テラジ」のグループ会社のようです。

 そういえば、首都高を300km/hオーバーで駆け抜けるレースゲーム『湾岸ミッドナイトマキシマムチューン』シリーズにはテラジ製と思しきタイヤが登場します。さらに本作の舞台は20XX年の近未来という設定ですが、何か関連性があるのでしょうか?

(完全に余談ですが『湾岸ミッドナイトマキシマムチューン5』のPVには『ディグダグ』がちらりと映っています。アツくなっている時に急にカワイイものが映るので気が抜けますね。でもそういうところが好きです)


・ナノバイト/ナノバイト・マテリアル
 目に見えないほど小さな機械、いわゆるナノマシンです。治療や建築、戦闘機の装甲の素材等あらゆる物事に利用されています。

 プログラムによって様々なものをつくることができます。たとえば「鉄になれ」とプログラムすれば鉄と同じ、「タンパク質になれ」とプログラムすればタンパク質と同じ挙動をします。
 特にハイグレードなものは人体をつくることもでき、前述のRoot Unitはナノバイト・マテリアル製です。

 困ったらナノバイトって言っておけばたいていのことが解決する上、UGSF感が増すという超便利アイテムです。

・ディアスタシオン
「次元粒子」と訳される存在です。
 すべての次元はディアスタシオンの動きに沿って生まれます。そのため、ディアスタシオンを操ることができれば、いわば次元そのものを操ることができるのです。
 重力操作等の科学的なアプローチで操ることができるほか、後述のESPで操ることもできます。

・ESP(Extended Special Psychic-power)/拡張特殊思念能力
 ディアスタシオンを操る能力、平たくいえば超能力です。

 まず脳内につくりだした次元の孔を通じて、「○○したい!」というイメージ(要するに願いごと)を上の次元に飛ばします。すると、上の次元は下の次元を支配するというきまり(ディアスタシオン理論)に従って、三次元のディアスタシオンを操ることができます。

「何を言っているのかわからない!」という方は、とりあえず「意志は世界を変える(物理)」ということだけわかれば大丈夫です。たぶん。

・準災害級敵対勢力
 銀河連邦の敵となる勢力です。後述のUIMSやギャラガ等を指します。超科学を持っており厄介な相手です。

 倫理観が違うため、基本的には交じりあえないようです。銀河連邦からすると災害にも匹敵するような大迷惑な存在であるため、SATという特殊なチームが対応にあたっています。

・UIMS(Unknown Intellectual Mechanaized Species)/ウイムズ/未確認知的機械種
 銀河連邦と敵対する機械生命体です。「ライブ・ウェポン(生きた兵器)」とも呼ばれており、戦闘機などの兵器そのものが意思を持っています。

 どのような環境でも生きることができ、惑星の環境を改造する力を持っています。他の生命体の生活様式をマネすることがあるようです。

 銀河連邦が宇宙に出て初めて出会った地球外生命体であり、そして初めて出会った敵でもあります。連邦は彼らを倒すことでその残骸から未知の技術を吸収し、科学を一足飛びに発展させていきました。

・ギャラガ/ギャラガ・リーグ
 銀河連邦と敵対する宇宙昆虫軍団です。昆虫人や巨大昆虫等いろいろな種類がいますが、どれも同じ種族から異なる進化を遂げたものです。ギャラガ族たちは団結して連合を構成しており、UGSFではこれらをまとめて「ギャラガ・リーグ」と呼んでいます。

 アリやハチのような社会を構成しており、女王が群れを率いています。ボスギャラガと呼ばれる個体以外はすべてメスだそうです。

 銀河連邦が宇宙で初めて出会った、機械ではない生命体です。元締めは銀河連邦とは別の次元にいるため、ギャラガの根絶は不可能なようです。

・ボスコニアン
 他の種族からモノを強奪する宇宙海賊です。外見はヒトと差はありませんが、全員が女性で単為生殖が可能です。荒っぽい性格をしているようです。
 全員が全員敵というわけではなく、銀河連邦の市民として暮らすボスコニアンたちもいます。

 マフ・グアント(UGSFコードネーム:ボスコベース)という大きな機動要塞で宇宙を渡り歩き、侵攻します。兵器は主に無人機を使用しています。モノを奪ったあとはその惑星をまるごと破壊してしまいます。

 強力な兵器や推進器に利用される「反物質」を効率的に生成する技術を持っています。
 銀河連邦はそんなボスコニアンから、反物質を生み出す機構をボスコベースごとぶんどることで反物質を常に使えるようになりました。
 攻めてきたのはボスコニアンのほうとはいえ、UGSF側も大概です。

・バッツーラ
 別の次元から襲来してきた謎の生命体です。人口が少ないため無人機を多く使用します。本体たる意識は四次元に近いところにあり、三次元にある身体はおまけのようなものです。

 UGSF世界の何かが気に食わないらしく、ビッグバンを起こして次元変容しようとしてくる迷惑な輩です。
 こちらも全員が全員敵というわけではなく、連邦に味方するスターノイドというバッツーラたちもいます。

 高度なディアスタシオン科学を実現しており、既出の準災害級敵対勢力の中ではおそらくトップクラスの科学力を持っています。
 銀河連邦が、当初は仮説に過ぎなかったディアスタシオンを実在のものとして認識したのも、バッツーラとの出会いがきっかけです。




 最後にまとめです。

①UGSFとは、あらゆるナムコゲーム世界観の背後にある裏設定のこと
②UGSFの設定を知っていると、作品をあらゆる角度から楽しめる
③『電音部』はいいぞ!
④UGSFと『ゼビウス』には切っても切れない関係があるかも?

 以上です。最後まで読んでくださりありがとうございました。もしこのnoteでUGSFシリーズに少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。

 UGSFシリーズ作品で実際に遊ぶ 。UGSF世界について妄想する。それを二次創作として形にする。あるいは他の人の二次創作を見る。UGSFには様々な楽しみ方があります。自分に合ったやり方と距離感でUGSFシリーズを楽しんでいきましょう。

 ここまで読んだあなたはきっともう立派なUGSF精鋭兵士です。健闘を祈ります。

お金! お金はすべてを解決する!