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関取独走@金沢場所

みんなに言って回りたいけれど
押し花にして大切に日記の間に
しまっておきたいような...
これは、そんな不思議な気持ちになった夜の話。

こんな気持ちになった夜のこと、
忘れたくなんかない。
薄れていったとしてもいつだって
思い出せるようにここに言葉を残します。

(以下、完全に私主観の内容でありネタバレあり。自己責任で、どうぞよしなに。)


2023年4月22日
関取花 弾き語りツアー 5場所目 @金沢もっきりや
での公演が開催された。


私はこの日を心から待ち望んでいた。
何度も聴いてきたはずの曲たちを、
この日まで毎日毎日聴いて思いを巡らせてきた。
私は約8年前に関取花の音楽に出会い、
ライブには何度も行っているけれど弾き語りツアーなるものに参加するのは初めてだった。

東京から新幹線に乗り、金沢について会場に入るギリギリまでイヤフォンで関取花の曲たちを聴いていた。

会場開始時間の5分前に到着。
すでに、お店の前にはこれから同じ時間を共有する同士たちの長蛇の列が出来ていた。


私にしては珍しい程の、1桁台の整理番号だった為、いったん最後尾に並んだが定刻に入場が始まると急いで入口へ向かった。
冷静な顔していても、確かに高揚している私の体は15℃という外気であるのにすでに汗ばんでいた。

入場すると、予定にはなかったバドワイザーを注文し、緊張と高揚を抑えるように開演までに飲み干してしまった。

初めて訪れた会場だったが、なんだか懐かしいあたたかな気持ちになる空気が流れている不思議な場所だった。
後に花ちゃんがMC中に、
「この場所は音楽の神様がいる」と話すのだが
この時にやっとこの不思議な感覚がなんなのか、
理解できたのだ。

時刻は19時。
定刻にぎゅうぎゅうの満員で開演した。

暗転した会場。ステージだけがライトで照らされる中、関取花が登場するとその場の観客全員が拍手で迎える。


分かってはいたけど
近すぎてバチが当たるんじゃないかと思う程の
距離に現れた私の推し。

ステージと客席の高さがあまり変わらないこともあって、花ちゃんの小柄な身長に改めて驚く。

か、か、かわいすぎる...尊い...夢か...?
などとチープな語彙が口から漏れてしまいそうになったけどいい大人なのでグッと飲み込んだ。


シールドを引きずる音、チューニングをする指先、コンバースの黒スニーカー、赤系アイシャドーの色すべてが目視できる距離に彼女がいる現実に圧倒されて己の手の甲の皮膚をギュッとつまみ、夢ではないかと確かめた。


夢か現実か分からないまま幕をあけた
1曲目は「この海を越えて行け」

この曲が一曲目に来るのは予想していなかった
あぁ、この瞬間を私はずっと待っていた
彼女の浸透力が半端ないこの歌声を。

2曲目は「すずらん行進曲」
事前にSNSでファンに対して聴きたい曲を募集していた中で私がリクエストした曲の一つでもあるこの曲。聴きたくてたまらなかった。
"どこまでも続く道をとりあえずは進みましょう"
このフレーズに何度、鼓舞されてきたか分からない。
瞬きなんかしたもんなら涙が溢れてしまいそうだったから彼女の指先や口角をひたすらに凝視していた。

すでにこの時点で終演まで涙を堪えられそうにないことを察した。


3曲目はとても久しぶりに歌うという「はつ恋」

流れるように弦を爪弾く軽やかな指先と軽快な歌声に何度も聴いたこの曲だって私にとっては新曲を聴くような感覚だった。



4曲目は「オールライト」
きた...私の生活を、なし崩しに生きてしまいそうになった暮らしを肯定し続けてくれたとても聴きたかった曲だ。
これは私情だが、年度末から新年度にかけて仕事での立ち位置がとても苦しかった。
全然大丈夫じゃない、もう分からないと投げ出したくなる程の生きづらさを感じていた。
知らない誰かの根拠のない大丈夫はぜんぜん腑に落ちないけど花ちゃんの"大丈夫だよ"は信じる。

"オールライト 君は愛されるべき人だよ大丈夫だよ"
4曲目にしてとうとう我慢していた涙がこぼれ落ちてしまった。こんなこともあろうかと膝の上に乗せていたハンカチは一足間に合わず、気がつけば頬を伝ってしまっていた。



5曲目「親知らず」
6曲目はカバー曲

7曲目「愛しのローレンス」
ライブ前に、会場周辺をひとり散策
していたのだけれどその道中に実は
"純喫茶ローレンス"という看板を目にしていた。
その時、今日もしかして愛しのローレンス歌うかな...とか思いを巡らせていたもんだから、本当に驚いた。心の中でふふっ♡となった。

8曲目「風よ伝えて」

9曲目「あなたがいるから」と続く。

"当たり前にそばにあなたがいてくれるだけで、ありきたりな僕の毎日は輝いて"
心地よく耳を通り抜けてく聞きなれた音が目の前で確かに鳴っている。花ちゃんが大切に集めた言葉たちが体温が伝わるような距離で揺れていた。


10曲目は「休日のすゝめ」
私は"頑張らない"をうまくできない
ちゃんと頑張りすぎてしまう。
休みの日だってずっとなにかを考えている。
だからすぐに疲弊する。持久力がない。
頑張らずにとことん休むに努める必要がある。
それに気づかせてくれる歌だ。


11曲目「カメラを止めろ」
12曲目「黄金の海で会えたなら」

コールアンドレスポンスもあるから、大人しめだったお客さんたちもみんなここぞとばかりに花ちゃんに想いを届けるように声を上げていた。私もそのうちの一人。
この2曲で会場の熱気がグングン上がり結果マジで暑かった。笑



さて、ここで大事件が起きた。
個人的ハイライトである。
それはこの辺りのMCでのことだ。

花ちゃんが「あっつい、やだすごい暑い!」
「今日ヒートテック着てきちゃったんだよね」
と言うもんだから同じくヒートテックを着ていた私は「私もー!」と口を突いて反応してしまった。

そんな私に視線を向け
「あら、同じだ!あぁ、いつもカバー(弾き語り)してくれる子だ。いつもありがとう」
と話しかけてくれたのだ。


、、、ん?待て待て、、、夢、、か??!!

マジでこの瞬間は時が止まって、頭が真っ白になって、多分一瞬呼吸も止まってた。笑


信じられないくらい語彙を無くした私は
「ひぇ、あぁぁぁあ、こちらこそぁりがとございますっっっ、こわい!!!」とコミュ障が爆発してしまい失言をしてしまった。笑

息をする間もなく、続けて「いま、こわいって言われたwww YouTubeとかやってる?宣伝しなくて大丈夫?」ってMC中にお話してくれて、

思考停止してしまっている私は
「いやぃいゃ、あぁあぁ、大丈夫ですぅぅ!!インスタはやってます!!」と何も面白くもない答えである上に、Instagramやってることは言うんかい!と己の事がめちゃめちゃ恥ずかしくなって穴があったら入りたかったけど、ぎゅうぎゅうに着席したお客さんの中で1列目を陣取ってしまい身動き取れないもんだからその時だけはさすがに自分のことを呪った。笑


13曲目は「むすめ」
きました、やっぱりこの曲は弾き語りでどうしても聴きたかったから感無量。
YouTubeやサブスク音楽で幾度となく聴いてきた曲をこうして生で聴けること、突き抜けるような花さまの声に自然と手は合掌スタイルだった。尊…



14曲目「平凡な毎日」
この曲も何度も何度も聴いてきた。
"神様はいないよって少しずつ気づくけど負けるなよ"
日々、チリツモで痛みの上に痛みを重ねてきてしまったけれどこれくらいの傷がなんだ舐めときゃ治ると思ってたのに月日が流れる毎に深く深く滲みて。
生傷が絶えなくてもそれを見る度に生きていることを実感するんだから手に負えないよな、
手に負えない程愛おしいよな。
いつか笑い話にしよう、するんだ。

もう流石にこの曲で私はズブズブに泣いた。
もう恥じらいもなんもかんも捨てて泣いた。

泣きすぎて、マスクに涙が染みちゃうから
この辺りでマスクを外した。
コロナ禍真っ只中では出来なかったけど
あぁ、そうだこうやって会場の空気を胸いっぱいに吸い込んで感じて涙するのが私の常だったよな...って数年前のライブたちを思い出していた。



そしてとうとうやってきた本編最後の曲
最後の最後で私が今回ダントツ聴きたかった曲を
持ってきてくれた。泣
.
.
.

15曲目「美しい人」
詳細は割愛するけれど、あの会場でしか感じ取れない胸熱な場面があって、この曲を歌っている最中ほんの2m先で歌う花ちゃんの目は確かに涙ぐんでいた。
実はダントツ聴きたい曲だったので感無量だったし、そこに花ちゃんの色んな思いが乗っかって"あなたはあなたのままでいい"だなんて全肯定してくれる歌詞。これこそあれだ、五臓六腑に染み渡るってやつなんすわ。


そして、アンコールがあるのは大前提でいたのだけど会場の雰囲気、物理的なもろもろ含めて一旦はけること無く、そのまま花ちゃんは立ち上がることなくアンコールに突入。

MCひとつ取ってもそうなんだけど、関取花のライブはそういう天性のユーモアと観客に聴かせる歌とが絡み合って緩急が凄すぎて天晴れとしか言えない。マジで最高感謝。


アンコール一曲目は未発表の新曲だった。
この曲は絶対に公になって産声をあげて欲しい一曲だ。未発表なので多くは語れないが、
あの日の私に聴かせてやりたい。
という感想だけ残しておく。



そしてほんとにほんとのラスト曲。

「もしも僕に」

この曲は関取花にハマるきっかけになった曲。
そして、私がギターを買って弾き語りを始めてから初めてフルでカバーをしたい、絶対に弾き語り出来るようになりたい!と思った曲だった。
ある程度ギターが弾けるようになって、通っていたギター教室の発表会で初めて人前で弾き語りをした曲でもある。だからとても感慨深い曲だった。

ラスト曲に相応しい、そして皆が当たり前に絶対に歌ってくれるだろうと言わずとも期待しているような関取花といえば「もしも僕に」だろうう。と頭に浮かぶ代表曲だと思う。

もうこの曲を聴いている間は、
花ちゃんと同じ時代に生まれこの空間を共にできていることに大感謝していたし、この日まで無事に生き抜いてここまで辿り着いた自分まじでよくやったグッジョブ….という気持ちでじわじわと込み上げる熱いものがあった。


こうして幕を閉じた金沢公演。


待ち焦がれていた関取花の弾き語りライブという時間は体感的に一瞬でスルスルと流れていったけど、一音一音聞き逃すまい見逃すまいと全身全霊で受け止めたからきっとこの身体が何年経っても覚えてる。

ライブの度にいつまでもこの時間が続けばいいと思うし、今回も思っちゃったけど、こんなにおいしく味わい尽くした時間だからまじで一遍の悔いなし。


喉元過ぎても熱さを忘れられないこれは
ただの愛だと思う。


楽曲やMCの中で感じたのは、花ちゃんもキラキラしているばかりじゃなく泣いて叫んでもがいていて、私と何も違わないということ。
そんな人間臭い関取花が、私は大好きなんだ。

明日からもこの足で歩いていこうと
強く思えた夜だった。
その先には絶対に関取花の歌が共にあってほい。
"絶対に"、だ。


また会える日まで、どうか元気で。
泣いても叫んでもどんな毎日だって、
またきっと元気に再会しよう。
生きる。生きてればまた会える。
7月の東京公演までわたしもきっと元気でいるから。


必ずあなたにまた会いたい。
そして、「また会いましたね」を何度でもしよう。

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