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おススメ本紹介「アセットアロケーションの最適化」

 挨拶 

皆さん初めまして!シナトと申します、インデックス投資をしている20代のしがないサラリーマンです。インデックス投資を始めたのは去年からで積立NISAという制度が出来てからはじめたのでまだまだ勉強し始めたばかりです!
 私は周りに投資をしている人がいなかったので独学で本で勉強しています、今では積立NISAやidecoという制度のおかげで本屋さんに行けば投資関連の著書で溢れていますね!そして勉強するにあたり所謂名著と言われる本も何冊か読みました。「ウォール街のランダム・ウォーカー」「敗者のゲーム」「インデックス投資は勝者のゲーム」「株式投資の未来」等々が有名でよく紹介されていたので読んで衝撃を受けたのを覚えています、その影響もあって今では投資関連の本を読むことが趣味になっています。上記の本を読んで以来何冊も読みましたが中々上記の本と並ぶものに出会えてませんでした。しかし今日「アセットアロケーションの最適化〜 ポートフォリオの構築とメンテナンスのための統合的アプローチ〜」という本を購入し私は久々に衝撃を受けました!これは個人投資家全てが読むべき名著だと!

ただこの名著、他の有名な本に比べて明確な弱点がありました‥‥‥

それは ‥‥

高い!!!!!!!!

物凄く高いんです 笑

一冊定価7800円もします!

20代の薄給サラリーマンである私にとっては決して小さくない額です、ボーナスと残業代で気が大きくなってなければ私は絶対に買いませんでしたね!
そんな私と同じ境遇の方々にもこの名著を読んでほしい!でもこんな金額ネットで目次読んだだけでは出せない!という方の為にネタバレにならず少しでも魅力を伝えられればと思い筆を取らせて頂いた次第でございます。

拙いとは思いますが何卒お読みいただければ幸いです!
※所々投資用語が出てきますがこの記事をお読みくださる方はある程度その様な用語が分かることが前提で書かせて頂きます。また勉強し始めたばかりで私が本の内容も理解出来てない部分が多々あるかと思いますがぜひこの本を読んで私に指摘して頂ければ幸いです。

第一部 スマートポートフォリオの理論

第一部は個人投資家にとってベストなポートフォリオとは何かを解説してくれる章になっています。皆さんどの様なポートフォリオにるかべきか悩んでいますよね?まずこの第一部で重要なのはリターンは算術平均ではなく幾何平均で考えるべきだということ。S&P500のリターンは1928年~2016年までの期間で実質トータルリターンは算術平均で8.2%、恐らく一般的な本にはこの様な数字を使う場合が多いと思います!しかし著者は実感に近い幾何学平均を使うことを勧めています。幾何学平均で表すとトータルリターンは6.23%です。実際には今までも年率6%程度が限界だったということを指摘しています。この幾何学平均で物事を考えるというのが最後まで重要になってきます。そしてベストなポートフォリオを構築する、つまりシャープレシオを最大化するには投資する資産の相関関係が如何に重要かを7つのポートフォリオの例で細かく示してくれており、また如何にそれが難しいか、そしてシャープレシオの最大化に挑戦するあたり重要視すべき指標、また個人ができる簡単な計算の仕方についても示してくれています。そして個人のリスク許容度によっても異なる債権と株式の割合を理由とともに詳しく記載してくれています。キーワードは「株式100%のポートフォリオに投資してはならない」です。理由は読んでみてください (笑)                
また為替ヘッジ・レバレッジファンドについても記載があるので行ってる方はぜひご一読を (笑)
後半はポートフォリオにおける分散は本当に必要なのかということ。ハリー・マーコウィッツの「分散は金融界における唯一のフリーランチだ」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。そして分散するなら個人投資家が個別銘柄でできるのか?個別銘柄やETFで分散を行う場合にかかるコストは?またコストをかけた分だけのリターンは返ってくるのか?分散する比率は?時価総額加重平均か?均等過重か?それとも筆者が提示する別の方法か?どれも完璧な方法などないと言いながらも明確な考えが記載してくれています!
 この後半のキーワードは「分散はフリーランチなどではない」です (笑)

第二部 スマートポートフォリオの構築

第二部では第一部で記載したことを踏まえて筆者のお勧めの方法で実際にポートフォリオを構築していく部です。アメリカ・日本・欧州等の株式・債権やオルタナティブなど異なるアセットクラスにどう投資していくか。また筆者の考える自身の方法の考慮すべき点なども記載されています。またここでも五段階に投資家のリスク許容度を分けて読者がどのアプローチを取るべきかを解説してくれています。
 九章ではまるまる使ってオルタナティブという資産クラスについて解説してくれています、株式と相関が近いオルタナティブはどれか、また債権に相関が近いオルタナティブはどれか、そして根本的に個人投資家にオルタナティブ投資は可能か?などを解説してくれている。
 後半では株式・債権に投資する場合の先進国・新興国の比率割合、また一般消費財・金融・エネルギー・ITなど様々あるセクターを選んで投資する場合の注意点などが記載されています。一般消費財・ITなどの少数のセクターにのみETFで投資されている方には必見の項目となっています。この部の素晴らしいところはこの部だけで74個もの異なるポートフォリオの例が書かれておりとにかく解説が詳しく分かりやすい所です。
 この部では投資額によって行うべき投資が解説されているので私の様な弱小投資家の為にも、あなたのような大口投資家の為にも優しく丁寧です。

第三部 リターンの予想

この本の主張で一貫していることは投資において未来を予測することは殆ど不可能だということ、また過去でさえ正確に理解するのは難しいということ。ですが第三部前半では過去に強力であったモデル(アノマリー)を使って将来を予測する検証をします。モデルはモメンタムモデル(価格が上昇しているアセットは将来も上昇する可能性が高い傾向)と配当モデル「配当の高い株式は他をアウトパフォームする傾向」を著者は選び検証しています。「モメンタム・ウォーカー」などをお読みになった方もぜひご一読されると良いかもしれませんね。後半ではインデックス投資家の間では度々話題になるアクティブファンドとスマートベータ・ロボアドについての検証があります。通常のパッシブ運用よりも高コストなこの手法にいったいどれ程の価値があるのだろうかと・・・。
 この本は他の本の様に頭ごなしにアクティブファンドを非難したりしないのが素晴らしい所ですね。この本が示してくれるのは90%以上の確率で指数より上回る買う価値があるアクティブファンドかどうかを見分けるには現時点でコスト差引き後の平均リターンがどの位高くなければならないかを分析してくれています。期間は1年~50年までの表がありますのでぜひご覧くださいね。これでもしアクティブファンドに投資したくなった時も安心です(笑)ただ結論としては皆さんも満足して頂けると思いますよ。

第四部 スマートリバランス

この部ではポートフォリオを作成した後のリバランスについて記載されています。リバランスするには勿論コストがかかる、そのコストを考えてどの位リバランスするべきなのか?そしてこの部の素晴らしい所は本書を読んだ後読者のポートフォリオが惨憺たるポートフォリオだと気づいた場合のポートフォリオの修正方法まで解説してくれている点です。著者曰くこの本を読んで理解してくれている読者は既に何らかの投資をしているだろうと、ならばそれをより良いポートフォリオに修復するための方法が必要だと述べています。それを6つのステップに分けて修復方法を記載してくれている点はありがたいですね。

付録・用語解説

この本には付録を参照という部分が所々出てます、それは説明するには余りに専門的だったり今でも議論の対象になっている部分です。そこを付録でより詳しく説明してくれています。ただここの部分は私では理解できなそうなので説明は割愛させて頂きます (笑)
ただもう既にかなりの知識をお持ちの方もきっと満足頂けると思います。

まとめ

 以上がこの本を読んで私のお勧めポイントになります。全700ページもあり1部だけでもそれだけで一冊の本にできるくらい内容が濃いです。それだけに値段も高めですが私はこの本がこれから個人投資家必携の一冊になると信じています。この本の読んで今後数十年にわたる長期投資において信頼できるポートフォリオを組んで頂ければと思います。最後にこの本を読むにあたっての注意点ですがこれから投資をする方には内容が専門的ですので中々難しいと思います、「ウォール街のランダム・ウォーカー」やシーゲル本等を一度読んで頂いて、ある程度内容が分かる方だと良いと思います。私も内容は半分理解といった感じですので何回も読みます(笑)そして著者がイギリス人ですのでコストや税金については日本人向けというよりもアメリカ人とイギリス人に向けて書かれています。なのでそのまま書いてあることを実践できるわけではないですがそれでも本の内容は素晴らしいことは保証します。
 最後にここまで長い駄文をお読みくださってありがとうございました。ぜひ書店でお買い求め頂ければと思います。



   




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