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競争優位性を意識しよう

競争優位性がとにかく重要だと思う。ブランディングする上で最も重要なのは競争優位性を高めることじゃないかと思うし、実際に仕事をする際には、競争優位性がどうしたら高まるかを考えて、日々実践している。
 
競争優位性というのは、競争相手から一歩抜け出す勝ち方のようなものだ。それがあれば同じだけの時間を働いていても得られる給料が高くなったり、商品はあれやこれや広告をせずとも売れ上がったりする。瀧本哲史氏は『戦略がすべて』の中で、「戦略を考えるというのは、今までの競争を全く違う視点で評価し、各人の強み・弱みを分析して、他の人とは全く違う努力の仕方やチップの張り方をすることなのだ」と書いているが、それに近しいのが競争優位性を高めるということになる。
 
あいつはなんであんなにうまくいっているのだろう?とか、あの会社はなぜ求人がうまくいっているのか?あの商品はなぜあんなに売れるのだろう?あそこの商品は高くても売れるなと言われるようなものの裏側には競争優位性を高める戦略があったりするものだ。
 
たとえば、社員の平均年収が2000万円を超えることで有名なキーエンス。キーエンスはセンサーなどを扱うBtoBのメーカーである。通常、部品メーカーというと、製造業のトップに位置する企業に買い叩かれて働けども利を得られずというようなイメージ(きっとドラマなんかのせいで)があるが、キーエンスはそうではない。買い叩かれるどころか、まったく値引きをしないことで有名なのだ。では、なぜそれが可能になるのだろうか?
 
通常、このような汎用機器を扱うBtoBメーカーは薄利多売が基本戦略となる。しかし、このキーエンスは営業利益率が40%~50%超という驚異の数字を誇っている。その競争力の根源となるのが、競合他社との差別化、つまり競争優位性の高さである。彼らは世界初、業界初の新製品を次々を生み出し、新しい価値の提供を武器にしているのだ。
 
キーエンスの革新的な製品は当然、すぐに競合他社が模倣してくる。しかし、競争が増して商品価格が下がってくると、キーエンスはあっさりとその製品を販売中止にしてしまう。そして、また新しい製品を発売することで、価格競争では一切勝負することなく、付加価値の高い製品を提供し続けているのである。
 
なぜ、キーエンスは新しい製品を生み続けることができるのか?
 
その製品開発力を支えているのが、コンサルティング営業だと言われている。通常、汎用機器を扱うBtoBメーカーの営業スタイルは、その多くが大口顧客の御用聞き営業。特定の顧客のニーズを探し出し、それに合わせた特注品を作ることで差別化を図っている。ただ、顧客独自の課題に応える特注品ゆえに、他の顧客に横展開はしにくい。
 
一方でキーエンスの場合は、中小企業も含め製造現場での共通ニーズを探る。彼らが行っているのは製造現場の改善を実現するための製品開発であり、それは顧客でさえも気づいていない潜在的な課題を解決することである。
そのような提案型のカスタマー・ソリューションを軸に製品開発を行うことで、世界初、業界初の付加価値の高い新製品を生み出すことを可能にしているのだ。
 
キーエンスの競争優位性とは、汎用性機器市場において、「イノベーティブな商品を生み出し続ける力」だと言える。イノベーティブな商品とは、製造現場における潜在的な課題を解決する商品であり、それは単なる部品を超え、ソリューションと呼ばれるものになるのだ。
 
製品をつくる前にどんな製品をつくれば高く売れるのか?採用をする前にどんなイメージ戦略を打てばより魅力的な人がやってくるのか?どのような企業イメージにすればステークホルダーから企業価値が高いと思われるのか?
 
どうしたら競争優位性が高まるのかを考えて実践できれば、それが優秀な答えであるほどに競争相手から何歩も抜け出せることになるだろう。
 
競争優位性を高める方法はいくつかあるが、それはまた今度にすることにして、僕らが運営しているブランディングナレッジベースSINCE.では差別化戦略の成功事例として、様々な事例を掲載しているので、それを参照するともっと具体的にイメージできるのではないだろうか。


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