ハイボールの「オジサン臭い」を一新して成功
【ブランド再活性の成功事例】
成熟を迎えた市場が、徐々に縮小していき、競合企業もその市場から撤退していく状態をプロダクト・ライフサイクルの考え方では「衰退期」と呼ぶ。
市場そのものが衰退しているため、何も手を打たなければ売上も需要も下降するのみ。
こうした状態においては、自社のブランドの寿命を考慮しながら、収益性を見極めて撤退するタイミングを決めることで、損失を最小限に抑えることが重要である。
もう一方の道として、市場に新たな技術や新機能を開発して再び市場を活性化させるという方法がある。
成熟した市場ではアイデアが出尽くしているケースが多いので、そこで新しいものを生み出すのは決して簡単ではない。
しかし、諦めずに知恵を振り絞れば、市場と商品は絶えず活性化できることを、先人たちの事例は教えてくれるのだ。
ハイボールの「オジサン臭い」を一新して成功
2000年代後半、若者のウイスキー離れなどによってピークの1/6の販売量まで落ち込んでいたウイスキー市場。
そんな中、サントリーは「ハイボール」の復活プロジェクトを立ち上げる。ハイボールの古臭い、オジサン臭いイメージを変え、ビール感覚で飲む角ジョッキを浸透させようと試みたのだ。
焦点を当てたのは居酒屋。「こだわり3ケ条+1」というマニュアルを配布したり、「ハイボールタワー」というサーバーを開発したり、時にはハイボールのセミナーを開催することで、居酒屋で誰もがおいしいハイボールが作れるように奔走する。
そして、徐々にハイボールの出荷が増えてきたタイミングを狙って、ハイボールのイメージを変える広告を大々的に発信する。
「ウイスキーが、お好きでしょ」のCMをはじめ話題作を連発し、1年程度で若者の認知度は3割から8割近くまで急上昇。若者以外の層にも浸透、また居酒屋から晩酌シーンにも広がっていき、まさしくハイボールを復活させるどころか、これまでにないハイボールブームを生み出すことに成功したのだ。
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