【ブルーオーシャン戦略の成功事例】相模屋が豆腐業界トップで在り続ける理由
創業65年以上の歴史をもつ豆腐専門メーカー「相模屋食料」。戦後にほそぼそと始めた町の小さな豆腐屋が、今やどこのスーパーでも見かけるほどの一大メーカーになった。
豆腐は家族のいる人や料理をする人によく買われる商品で、最近は特に若い人たちが自分で豆腐を買う機会は減ってきているという。競合との差別化も図りにくいので、市場規模は停滞気味だった。
そこにチャンスを見出したのが相模屋食料。非顧客層を細かく分析し、ブルーオーシャンの発掘に挑戦する。
市場にいない層を振り向かせるためには何をすべきか?
まず最初のターゲットとなったのは男性だった。
豆腐を買うことがない男性向けに、機動戦士ガンダムのキャラクターを模した「ザクとうふ」を販売する。豆腐売り場に突如現れた緑色の集団。これが瞬く間に話題を呼び、SNSやテレビなどで相模屋の名が知れ渡った。
続いてターゲットに選ばれたのは、若い女性。彼女たちの心をとらえたのは、おしゃれで健康的なデザートのように食べられる「ナチュラルとうふ」だ。東京ガールズコレクションで取り上げられて話題になったことがきっかけでこれまた見事大ヒット商品に。
その後も、これまで豆腐を買う機会があまりなかった「個食」の層に向けて、「ひとり鍋」シリーズ、「おかずやっこ」シリーズ、カルビーのフルーツグラノーラの小袋をセットにした「とうふで、グラノーラ。」などを次々と生み出し、ヒットを連発。そのすべてが、競合のいない市場=ブルーオーシャンなのだからすごい。
相模屋のモットーは、「伝統的なおとうふを守りつつ、新しい価値観を創造し、おとうふの世界を広げていく」というもの。まさにそのとおり、豆腐のブルーオーシャンをひたすら開拓することで、豆腐業界のトップランナーであり続けることができているのだ。
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