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【インナーブランディングの成功事例】ピザ一枚にかける従業員の情熱

インナーブランディングとは、「社内へ向けたブランディング」のこと。自社で働く社員やアルバイトなどのスタッフに、ブランドの理念や企業が進もうとしている目標、ブランドの価値などを知ってもらい、社内外の様々な効果につなげる施策だ。

実際にどのような戦略と効果があるのだろう。成功事例を見てみよう。

従業員の仕事に対する誇りが熱烈なファンを生む

宅配ピザ業界といえば大手数社がシェアを独占していて、中小事業者が勝つのは至難の業のように思える。

そんな中、船橋市で大手を凌ぐ人気を誇る小さな宅配ピザ屋がある。その名も「ピザヨッカー」。

ピザヨッカーは地元の人に本当に美味しいピザを楽しんでもらうため、あらゆる面で美味しくなるための工夫を施したという。いくつか抜粋しよう。

・生地は船橋で大人気のベーカリー「ピーターパン」に特注

・チーズは焼き上げた時に具の間に入り込んで溶けるように一辺3ミリ角にカット

・ピザソースは無着色保存料なしの無添加ソースを独自開発

・2ヶ月に一度新商品の施策を行い、合格するのは40品中1品のみ

・本場イタリアから水牛のモッツァレラチーズ、オリジナルチーズを特注

・国産地鶏や産直トマト、新鮮な桜えびなど、数量の問題で大手が大量に仕入れることができない贅沢な素材を思い切って使う

・ピザを美味しく焼きあげるための窯の温度も研究を重ね、理想的な60~70度を保った状態でお客さまの玄関先まで宅配

・「お届けの仕方もおいしさの一つ」と、従業員にサービスを徹底教育

こうした施策は、一見非効率なほど過剰にも思える。しかし、同社はこだわりをホームページやチラシはもちろん、配達時のピザの入った箱にも表現することで、地域の熱烈なファンを着実に増やしていった。

なによりも、こだわりを追求し続けたことで、ピザヨッカーのいちばんのファンとなったのは店の従業員たちだ。

お客様からの熱烈な反響や感謝の言葉をもらううちに、従業員は自分たちの仕事に誇りを持つようになる。おいしいピザを届けるためにあらゆる手間を惜しまない。ピザヨッカーの名に恥じないピザをお客様に食べてもらいたい。

こうした想いが社内にどんどん浸透していき、ピザヨッカーのブランドは研ぎ澄まされていく。そして、従業員を中心にピザヨッカーのこだわりは地域に発信され、船橋市では誰もが知るブランドへと成長したのだ。


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「ブランディングナレッジベースSINCE.」では企業やブランドのいろいろな成功事例を集めています。先人たちのチャレンジからビジネスに役立つヒントをご紹介しているので、よろしければ是非ご覧ください!


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