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史上初?子ども専用のカーカタログ

【ダイレクトマーケティングの成功事例】

ダイレクトマーケティングとは、アメリカのダイレクトマーケティング協会(DMA)の定義によれば「一つまたは複数の広告メディアを使って、測定可能な反応あるいは取引をどんな場所でも達成することのできる双方向のマーケティングシステム」のこと。

ダイレクトマーケティングは企業が小売業や卸売業、広告代理店など、中間業者を通さずに見込み客や顧客と直接コミュニケーションが取れるマーケティング活動と評されることもある。さらに、ターゲットの購買行動をはじめとする様々な個人データを企業側で蓄積できるため、より効果的かつ効率的なマーケティング活動に生かすことができる点もメリットだ。

ファミリーカーの購買に大きな影響力を持つ子どもをターゲットにしたDMで成功


フランスのパリに拠点を置き、日産自動車のグループでもあるルノー。

彼らは人気ファミリーカーの「セニック」の販売を強化するにあたり、様々な調査を行った。すると、ターゲットの70%以上が、子どもが親の購入決定に影響を与えていることが判明。セニック(Scenic)を紹介する上で、親だけでなく子どもにリーチすることが重要であると考えた。

子どもと親の両者に車の最新機能を理解してもらうには、どうすればよいだろうか。ルノーが出した答えは、それぞれの言葉を用いて、コミュニケーションを取るというものであった。そのため、2種類のチャネルを使い、表現を変えながら伝えたいことの統一感を作り出すことにした。

セニックは、座席後方部分が広々としており、子どもたちのテリトリーとなる。子どもたちにとって瀬ニックの後部座席は遊び、歌い、眠り、夢を見る場所なのだ。このことをターゲットとなる家族(親と子ども)にしっかりと理解してもらう必要があった。

彼らが行なったのは、教育心理学者が主導となるワークショップ。新型パノラマルーフ、ドライビングモード選択、オプションなど、セニックの特長となる部分を子どもたちに教えてみた。すると、子どもたちは自分の言葉とスケッチで新型ファミリーカーを表現することができるようになったという。

こうした研究を踏まえて行なった施策は、ターゲットである約6万世帯への2種類のダイレクトマーケティング。親向けには車の専門家が制作したわかりやすいカタログを。そして子ども向けには、子どもが制作した専用カタログを届けた。さらに、カタログからウェブサイトに誘導し、そこではゲームを楽しみ、子ども向けのワークショップを体験できるようにした。

結果として、1ヶ月で120台の販売に成功。さらに、多くのメディアでも取り上げられたことにより、ウェブサイトの閲覧数は680万件にも及び、想定していたターゲットの範囲を超えて、多くの人々にセニックとルノーの名が知られることになったのだ。


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