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フルグラの復活劇には、リ・ポジショニング戦略があった!

グラノーラが朝食にふつうに並ぶようになったのは、そんなに遠い過去のことではないのではないでしょうか。フルグラことカルビーのフルーツグラノーラは、グラノーラの代表格ともいえるブランドです。このフルグラ、苦戦をしていた時期が意外にも長かったそうで、そのあたりのことをブランディングの成功事例に書きました。成功の理由は、リ・ポジショニングにあります。
 
今、ポジショニング戦略が改めて重要だと感じています。さまざまなブランドのブランディング戦略を立てる上で、ポジショニングをよくよく考えることが競争優位性を高めるのに必要不可欠だからです。ポジショニングは古くからある手法です。アル・ライズらが70年代にポジショニングを唱え、マーケティング業界に一大ムーブメントをもたらせました。フィリップ・コトラーはポジショニングは「企業やブランドが市場で真の独自性を確立し、その地位を維持するための強力なツール」だと言っています。
 
ポジショニングは自分の居場所(市場)を明確にすることですが、フルグラの場合、最初はシリアル市場で戦っていました。確かにグラノーラはシリアルと似ているので同ジャンルにくくるのは当然といえるでしょう。クロワッサンがパン市場で戦うようなものです。しかし、それが苦戦する原因でした。
 
なぜ苦戦したのか?


一つにはシリアル市場が小さくて、競合商品との差別化がつきにくかったことがあるのではないでしょうか。市場が小さいと商品の類似性が高く、差別化ポイントが見えづらくなり、ブランドチェンジが起きにくいという問題があります。グラノーラはシリアルを前提とするとシリアル市場の中でキワモノのような存在になり、ニッチな市場の中でニッチな商品になってしまうという状態になっていたのかもしれません。
 
そして、苦戦から抜け出したのは、ポジショニングの変更でした。フルグラはポジションをシリアル市場から朝食市場に移すことで成功したのです。シリアル市場と朝食市場は似ているようで大きく異なります。シリアル市場はシリアルですが、朝食市場となると、とたんに市場は大きくなり、コンビニのおにぎりからホテルの朝食まで競合の種類も一気に増えます。
 
そう考えると、フルグラの戦略はさらに苦戦の方向へ舵を切ったと思われるかもしれませんが、ここでもう一つ、フルグラの競争優位性となるポイントが登場します。それが、ヨーグルトとの好相性です。ヨーグルトという毎日食のお供というポジションを得ることで、キワモノでブランドチェンジしにくい商品から気軽にお試しできるブランドへと変貌しました。
 
これで消費量が一気に増えるとともに、もともと持っていたフルグラのおいしさに注目が集まります。ヨーグルトに合うヨーグルトのお供という脇役ポジションから、おいしさが評判を呼んで主役のポジションを得ることができるのです。
 
朝食ブームという追い風に乗ったこともありそうですが、フルグラはポジショニング戦略をうまく駆使することで成功したと言えるでしょう。
 
もし、シリアル市場で戦い続けていたら…
 
フルグラは、商品改良も続けていたのだと思います。しかし、成功するのに必要なのは、極論を言えば、商品のチカラではなくポジショニングだったと言っても過言ではありません。
 
商品開発の際にポジショニング戦略を立てておくことで、成功へのスピードと質が上がる可能性は高まります。既にローンチしてる商品もぜひ、今一度ポジショニングを見直してはいかがでしょうか?

https://since2018.jp/knowledgebase/case-study/1630/

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一筆太郎@ブランディングカンパニーSINCE.

ブランディングカンパニーSINCE.代表 http://since2018.jp/ ブランドストーリーマガジン http://since2018.jp/story/ ブランディングナレッジメディア http://since2018.jp/knowledgebase/ を運営
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