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【災害時/災害準備】造腟術後のダイレーションについて

令和6年能登半島地震が発生し、今までのTGNB(トランスジェンダー・ノンバイナリー)の診療を振り返り、皆様にとって何か役に立てることはないか、と災害対策について記事を残すことにしました。

今回はダイレーションについてお話します。

【災害バックに入れるもの】
・持ち歩き可能なダイレーター
・コンドーム
・ナプキン
・携帯ウォシュレット
・空気円座(必要な方)

造腟術後のダイレーション(腟を拡張する行為)は、基本的には術後ずっと行う必要があると言われています。
1日行わなかっただけで、すぐに狭くなることはないのですが、
数週間ダイレーションを行わなければ、腟が狭くなる可能性は高くなります。

災害準備として、持ち歩き可能なダイレーターの準備をしておくことをおすすめします。

*おすすめのダイレーターwebサイトのリンクを貼りましたが、URLからリンク先に飛ぶときに「18歳以上ですか?」などの警告がでます。
アダルトページに飛ぶわけではないのですが、外陰部グッズなので、そのようなインフォメーションがでることをご理解ください。

タイの病院で購入したダイレーター(ダイレ)をお持ちの方が多いと思うのですが、結構重いですよね。

それを持って避難所へ行くというのは、他の荷物もある方もいらっしゃると思うので難しいのではないか…と考えております。

そこで、下記をおすすめします。
【Inspire シリコンダイレーター 5本セット】
シリコン素材のダイレーターなので、軽いです。
太さも色々あります。
ダイレが柔らかく曲がりやすいので、腟内損傷リスクも低く、出血もしにくいと好評です。
指をひっかけるための穴があることも、特徴ですね。

②【シリコンダイレーターWR】
Inspireよりも本数が少ないので持ち歩きしやすいかと思います。
こちらもシリコンなので柔らかく、軽いです。
ポーチ付きなのも嬉しいですね。
女性医療クリニックLUNAのクリニック内でも購入可能です。

どちらの商品もシリコンなので、軽いことが良点ですね。
しかし、災害時には水不足の問題もあるため、ダイレを清潔に保つために、ダイレ時のコンドームも災害バッグに入れておいた方がよいと思います。

造腟術後、"おりものが多い"という悩みの方もいますね。
特に、S字結腸での造腟術後の方は、精神的な状況によってはおりものが増える方はいらっしゃるかと思います。
災害時のストレスで、自律神経などのバランスが崩れると、S字の造腟からおりもの(腸液)が増加してきます。

造腟術後のおりもの増加のトラブルは、精神的につらいですよね…
ダイレの時に出血することもあります。
下着や洋服が汚れる心配もありますね。

造腟術後の方は、災害バッグにナプキンも入れておきましょう。
基本的に"昼用”で良いと思いますが、
心配な方は"夜用"を何枚か持っているとよいかもしれません。

ナプキンを清潔に保つために、
半日に1回はナプキンを取り換えてください。(1日2-3回)

清潔なナプキンの使い方についての解説は、産婦人科医 高橋幸子先生の解説を御覧ください。
*動画内の外陰部の洗い方については、造腟術後の方では異なる場合があるので、その動画の部分はskipしてください。
スクリーンショット、引用については高橋先生からOKをいただきました。

日本産科婦人科学会 動画より抜粋
使用済みのものはサニタリーボックスへ
包んで袋に入れて、燃やせるゴミへ


詳細動画はこちらです👇

・ナプキンは半日に1回は交換!
・ナプキンはトイレに流さないこと!
・サニタリーボックスがない場合は、ティッシュに包んで持ち帰る。ゴミは燃やせるゴミへ。

日本産科婦人科学会の「生理の貧困」に関する動画 ~生理のウソ・ホント?~


携帯ウォシュレットも災害バッグに入れておきましょう。
外陰部・腟内洗浄やダイレの洗浄に使いやすいかと思います。

キャップに数個穴をあけた空のペットボトルでも代用できますね。
警視庁のwebサイト解説です↓


造腟術の術後早期の方は、円座も必須になりますね。
このように、空気で膨らませられる円座を災害バッグに入れておいてもよいと思います。


言葉たらずなところもあるかもしれませんが、造腟術後のケアは、とても重要です。

乙女塾さんとコラボで、youtubeでもダイレについて語っています。
3年前のものですが、気になる方は御覧ください。

乙女塾さま webサイトは下記になります。

少しずつですが更新していきます。
よろしくお願いいたします。

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