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減感作療法ってやつを試してみた!

減感作療法とは、アレルギー発生に関する物質を意図的に体内に投与することで、徐々に身体を慣れさせ症状を緩和していく治療方法のことです。

そうだ、これを妻に応用してみよう。

バイクの免許取得を目指し、密かに自動車学校に通いはじめた。勿論妻にも内緒だ。もしもバイクの免許を取りたいなんて正面から切り出せば、烈火の如く怒るのは容易に想像がつく。困ったもんだ。どっちがだ。

教習の方はと言うと、苦戦しながらもギリギリのところで見極めをパスし、補修することもなく、卒検も一発で合格してしまった。でもこの喜びを誰にも伝えられない。

自動車学校に通いはじめた頃から意識していた減感作療法。これを妻に応用してみようと思いついた。方法はすこぶる簡単です。今のテレビでバイクに関するYouTubeを流し続ける。ただこれだけ。

「あのね、アポロチャンネルって知ってる?」
偶然見つけたこの「アポロチャンネル」はモトブログでメチャメチャ面白い。「お笑い見るよりも面白いので一緒に観ようよ。」そう言って誘い込んだ。


「アポロチャンネル」に関してはどこかの機会でしっかりお話しするとして、これをネタに使ってバイクの世界に誘い込む形になった。

暫くすると妻から連絡があり、すっかり「アポロチャンネル」にハマっているという。今では彼女の友人だけに留まらず、近所のママさんにも拡散している始末。それだけでなく、あれだけバイクに興味がなかったにも関わらず、彼女の口から「CB350」とか「レブル1100」とかバイクの車名が出るわ出るわ。

この作戦は思いのほか効果があったようです。この機を逃してはダメだ。告白するのは今しかない。そう思って奮い立った。

「あのですね、少しお話ししたい事があるのですが、言って良い?」
「はぁ、なに?」
「これ見てよ、実は中免受かったよ、僕もバイクに乗れるんだ」

そう言って新しい免許証を見せた。少し緊張して声がうわずってしまった。怖すぎて妻の顔をガン見できない。なんだよこの間は?
すると予想外の答えが返ってきた。
「パパすごーーーーい!よく取れたねぇ、頑張ったね」

意外なコメントだった。
でも、その後にこう切り返された。

「あのね、ガスコンロからIHに変えても良い?最近お隣さんも変えたんですって。それとレンジフードとオーブンレンジもすっごく良いのがあるの」

「も、勿論・・・い、いいよ」

そう回答するしかなかった。向こうは向こうで絶妙なタイムングで反撃してきた。これは数十人の諭吉さんが一瞬で消えてしまう寂しい決断となった。

「これでお互い様ね!うん」

一応、ここで一件落着だ。と妻は思ったに違いない。気分も良さそうだ。
実は大型免許を取るために再び自動車学校に通っていることと、大型バイクも注文済みであることをどうしても伝えられない。もう減感作療法は通用しないだろうな。これ以上は危険すぎるので暫く様子を見よう。

妻は悩みの無い楽しい毎日を過ごしているが、僕は依然として悩みを抱えて生活している。単身赴任先の大阪で誰にも言えず自動車学校へ通う日々が続いている。


最後まで読み進めて頂きありがとうございました。🌱


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