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起業時の会社の種類について

ベンチャー/起業/スタートアップという働き方が、今や政府も後押し、大手企業がCVCを立ち上げ、有力大学も学校レベルで推進するようなりました。一つの働き方として定着してきました。起業や会社、法人を作ると言っても、その目的によりいくつかの方法があります。起業したい、サービスを作りたいという相談を受けますが、目的に沿ったゴールのイメージをして、どういう選択をするか考える必要があります。

ベンチャー起業

基本的には、エクイティ(株式)を外部の投資家に買ってもらうことにより、資金を調達、その資金を元に急成長を目指す会社のことを指します。
投資家には、起業経験者/中小企業のオーナーなどの個人の投資家(エンジェル投資家と呼ばれます)や、ベンチャー投資専門の金融会社のVC(ベンチャーキャピタル)、事業会社(主に業務内容による提携)などがあります。
外部の投資家が株式を買う主たる理由は当然その株式の値上がりによる譲渡益です。そのためには会社の価値(時価総額)を上げることが必須となります。ベンチャー企業の成功率は低いため、成功する企業には大きな成長が求められます。投資するタイミングにもよりますが最低でも3〜5倍、初期の投資家には2桁以上の成長が求められます。(成功する1社のリターンが大きいため、たとえ他の投資先の何社か無くなっても、投資家は全体でプラスになるように計算されています)そのため、投資された資金を使って、赤字であっても急速な成長が求められます。投資されたお金は急速に成長を達成するために使う必要もあります。
外部資金を入れるということは、投資家は価値の上がった株を売却する必要があるので、その会社は他社へ売却するか(M&A)上場することが宿命となります。特にVCの場合は投資の期間が決まっていることがあるので、その期間内に結果を出すことが求められます。
ということで、リスクの高い事業(新しいビジネス、競業との競争が激しい、巨大な資本が必要)で且つ、当初は赤字であっても規模(売上、利益)の急速な拡大が見込める事業である必要があります。また、数社が独占するような市場の場合もあります。
スタートアップというのもここの括りに入ります。設立時には株式会社を選択します。

スモールビジネス

一般的に中小企業をイメージするとよいです。
起業後、エクイティによる外部資金の調達は行わないで、穏やかに一定規模まで拡大を目指します。
主に創業者が出資した自己資金や借り入れ(デット)で運営します。資本に外部資金を入れないということは、売上で会社を成長させていく必要があります。借り入れは返済する必要があるので、何よりも安定して運営することが求められます。資本に外部資金を入れるベンチャー企業の場合は、売上よりも支出のほうが急速に増えるので、その資金を外部から調達して成長しています。
比較的競争が激しくなく、少ない資本で安定した成長が見込める場合には良い選択肢です。創業者個人や創業チームが株主なので、長く会社を維持することが可能です。売却や上場のエグジットは考える必要はありません。

株式会社の他に、合同会社を選択するケースもあります。

スモールビジネスでスタートをしても途中で外部資本を入れることによってベンチャー企業へと変化することも可能です。(その逆は難しいです)

ソーシャルアントレプレナー(社会起業家)

社会課題を主に会社の事業として解決します。株式会社や社団法人などで運営する。
NPOと混同されることがありますが、営利企業として運営することが多いので、運営に必要な売上/利益を作れるビジネスモデルが必要となります。

社会課題を解決しながらベンチャー企業のように成長を目指す起業もありますし、安定したビジネスモデルを作ってスモールビジネスのように運営するケースもあります。

NPO/非営利団体

社会課題を主に寄付や補助金などの収入源で運営しながら解決をします。NPOであっても運営のために売上を作る必要がありますが、課題によっては売上だけでは運営資金を賄えないので、寄付や補助金を得ることが必要となります。
NPO=ボランティアではないので運営に必要な資金をどのように確保するかが課題となります。

まとめ

起業にはいくつかのタイプが有り、それらを紹介しました。
自分たちがどういう課題や市場をターゲットして、どういう会社運営を目指すか考えて、選択と良いです。

これらの選択は、どれが優れているということもないので、それぞれの目的にあったものを慎重に選ぶことがとても重要です。

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