翌日もいつも通り５時半に起床。
撮影旅では少なくとも日の出の１時間前には起床するべきです。
理由はいくつもあります。

ひとつめは、天気予報で現在の天気図を確認することで、今日がどんな天候になるのか、大気汚染はどの程度か、こういった重要な情報を事前に仕入れて撮影計画に組み込むことができます。風の強さを知れば、海がどのように見えるかがわかります。気温や湿度をチェックすれば、霧やモヤが出るかどうかを知ることができます。

ふたつめは、自分自身の体調をチェックします。体調が万全でないと撮影に対するモチベーションが下がって駄作を連発してしまうし、体調によって短時間勝負か長丁場で行くかを決めることができます。
今日はさすがに連日の旅で疲れが見えてきたため、午前中を中心に短時間勝負で早めにホテルに帰ることにします。何しろ明日最終日の嘉手納かでな基地撮影が本番ですから、今日は体力の充電日にします。

そして早めに起床する理由の最後が、日の出の３０分前が最も空が美しくなるからです。このチャンスを逃してはいけない。

今日は、昨日からの凄まじい大気汚染が去ったようです。良かった。

ホテルで美味しい朝食を頂き、一路、残波ざんぱ岬を目指します。
沖縄本島を縦に貫く国道５８号は非常に交通量が多いのですが、かなりの区間で片側が３車線化されていて、市内から郊外へ向かうのであれば渋滞はありませんでした。なかなか快適です。

残波岬を選んだ理由は、途中まで嘉手納基地へ向かうルートと同じなので、
翌日の本番に備えて所要時間を計測するためでもあります。
渋滞の有無を確認しておかないと、狙った時間に辿り着けなくなってしまいます。

残波岬には灯台があり、上まで登れるようになっています。
上からの俯瞰の写真が１枚欲しいと思っていたので好都合でした。
入場料は３００円と良心的。５００円でもいいような気がするなぁ。

あたり一帯は完全にリゾート地であり、巨大なリゾートホテルもありますが、とても落ち着いた場所でおススメです。
残波岬を後にして、すぐ近くにある座喜味城ざきみぐすくへ行ってみました。
座喜味城は公園として綺麗に整備されていて優美な曲線を描く城壁がとても興味深く、そして美しいと思いました。
異国情緒抜群です。
世界遺産にも登録されているようですが観光客はほぼ皆無で、静かにひっそりと佇む姿が印象的です。

今回メジャーな首里城に行かなかった理由は、著しく観光化されてしまった歴史的な遺産は正直言って興ざめな点が多くあり、撮影していてあまり面白くないからです。
その点においても、この座喜味城は素晴らしかったと思います。

これにて本日の目的を達成したので、１０時ごろには現地を離れて昼食がてら、美浜のアメリカンビレッジを訪れてみることにしました。
ホテルへの帰り道で、ちょうど良い場所にあります。
完全に造られた街ですが、アメリカンであるかどうかよりも、そのカラフルさに興味を持ったので撮影してみようと思ったわけです。

観光客は台風の影響ですごく少なくて、快適。ラッキーです。
思っていたよりも４倍くらい広大なエリアを、ぎっしりとカラフルな建物が埋め尽くしていて、想像の１０倍くらい楽しい。
本気で撮影していたらキリがないほど撮影スポットに恵まれており、「映え」を意識するなら沖縄でナンバーワンなのではないでしょうか。

あちこち見て回りましたが私のような年配の人は皆無で、ほぼ全ての観光客が３０代前半までのようで、これには驚きました。
ぶらぶらと撮影するには素晴らしい場所でしたが、たぶんこれは観光客が非常に少なかったためで、交番のお巡りさんに聞いた話では、普段は毎日が正月のようなとんでもない数の人が押し寄せているようです。

予定通り、体をほどほどに休めることができた一日でした。
ホテルのテラスでぼーっと夕景を見ていると、那覇空港から自衛隊のF-15がスクランブルで上がっていました。豆粒のように小さな機影を見ながら、命をかけて日本を守ってくれていることに感謝しました。

どうして世界は平和でないのだろう。

さぁて、最終日の明日は嘉手納基地で本番です。
今から緊張するなぁ。。

[ 続く ]