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赤ずきんは魔女集会へ行きたい

どうあがいても物騒!
魔女の弟子・赤ずきんの設定。

殺意高めな赤ずきんこと、朱音ちゃん
殺意が高い。ナタを装備。正確にはずきんではなくフードである。森に住む大魔女の祖母の身の回りの世話をしつつ、魔女見習いをしている。いつかお婆ちゃんと一緒に魔女集会へ行きたい。

森の魔女。
赤ずきん(フード)のお婆ちゃん(見た目は30代前半)。ガチの大魔女。薬作りが得意な反面、呪いにも精通している。呪われた相手は末代まで呪われるし、大体家も途切れる。朱音ちゃんの師匠。

原作通りではない、狼の真琴さん
魔女の側仕えをしている人狼。人の姿をしてる。森に詳しい。この中では比較的まとも枠。瀬部さんにいつかヘッドショットされるのではないかと気が気じゃない。あぁ、朱音ちゃんがどんどん物騒な方向に……と嘆く日々。出来ればみんなで平穏に暮らしたい。

ヘッドショットスナイパー、狩人の瀬部さん
森を巡回している狩人。密猟者はヘッドショットして森の谷に捨てていることは本人だけの秘密である(※たぬきは知ってる)。真琴の事は割りかし気に入っているので打つ気はない。本人にその事は全く伝わってない。人間以外の動物は狩らない。

ねこのクロ
朱音ちゃんの使い魔。尻尾が2本ある。人語を話すが、まだ人には化けられない。よく真琴さんに絡みにいく。真琴さんはライバルだと一方的に思っている。真琴さんに餌付けされてる事は、気づいていない。

たぬき
森に住むたぬき。瀬部さんがヘッドショットをかます音にいちいち気絶する。瀬部さんにビクビクしているが、お菓子をくれるので良い人認定している。ちょろい。瀬部の相棒枠だったりする。


以下、小噺。

◯魔女集会へ行きたい赤ずきん
「師匠」
「なんだい」
「私も魔女集会行きたいです」
「……もうちょっと魔法が上手くなってからね」
「具体的には」
「呪いで本人及び三代先まで呪える様になったら」
「ハードル高いですね」
「ちなみにナタの使用は禁止だよ」
「…………そうですか」
「今、ナタで殴った方が早いってそう思っただろう」
はぁ、と師匠こと赤ずきんの祖母である大魔女はため息を吐いた。
「良いかい。魔女たるもの、余裕と優雅さを忘れたらいけないのさ。覚えておきなさい」

◯大魔女と使用人の人狼
「ご主人、朝ですよ」
「…………もう少しだけ」
「今日は駄目です。お孫さん来ますから起きてください!」
「…………」
「あぁ、二度寝しないでください!」
カーテンを開け、布団を引っぺがして人狼は言う。
「折角焼いたパイが冷めてしまいます!貴方の好きな薔薇の紅茶も入れたんですよ!!」
スヤァ、と夢の国に旅立った大魔女を抱き抱えて、リビングのソファーまで連れて行く。椅子に座らせればそのうち起きるので、テーブルに朝食を並べて行く。
「はぁ……まったく、世話のやける……」
この家のいつもの風景であった。

◯狩人と人狼
「よう、家主はいるかい」
「こんにちは、狩人さん。主人でしたら、もうすぐ戻ってきますよ」
今日は月に一度の魔女集会の日だったので、大魔女は出かけている。時間的にはもう帰ってきてもおかしくないので、人狼はそう伝える。
「そういえば、お前さんは森には出ないのかい」
「主人の代わりに薬草を摘みに行く事はありますが、それ以外はないですね」
「狼なのに、窮屈じゃないのかい」
狩人の目が鋭くなる。
「生憎、ただの狼じゃなくて人狼ですので」
「……そうかい」
あんたが怖くて迂闊に外も歩けないんですよ、という言葉は、しっかりと飲み込んだ。

◯赤ずきんの相棒
「ねぇ、クロ」
「なんだい」
「君は人に化けられる様になった?」
「うむ、まだだな。人狼のところに行って勝負してるが、これがなかなか難しい」
「私が魔法上手くなって、クロも人に化けられる様になったら、きっと魔女集会に行けるね」
「そうだな!お互い頑張らないとだな!」
「うん、頑張ろうね」

◯たぬきと狩人
吾輩はたぬきである。森に住んでいる。
「おっ、ありゃあ、密猟者だな」
隣で銃に弾を込めているのは狩人である。密猟者をズドンとする、世間的に見たら悪いやつである。森の奥深くの谷には、こいつがズドンした奴らの死体がry
ズドンッ!!
(たぬきは……急な大きい音には対応できない……)
ぽてっとたぬきは倒れた。
……………………………………。
「おっ、起きたか、たぬき」
気がつくと毛布の上に横たえられていた。
「お前が居るのを忘れてたよ」
ケラケラと笑う狩人は、悪い奴である。
「すまんすまん、これやるから機嫌直してくれ」
あっ、これは、人間が食べるサクサクのお菓子!!
もう仕方ないな、今回はこれで許してやろう。

◯魔女集会
きらきらのふわふわだった。
可愛いお菓子に、良い匂いのするお茶。
昔、一度だけお婆ちゃんに連れて行って貰った。
正式な魔女じゃないから、ベールで顔を隠して。
「すごい……」
色んな魔女たちがいた。
かっこ良い。綺麗。
魔女って、こんなに凄いんだ。
「あら、可愛らしい子」
真っ赤な服を纏った魔女が、話しかけてくれる。
「その格好、見習いの子かしら」
ふふふ、と笑う。
「いつか貴女も」
赤い魔女は笑う。
「この中でも一際輝く魔女になるのよ」
きっと、それは魔法の言葉だった。
「貴女なら、なれるわよ」

赤ずきんは、立派な魔女になりたい。

◯魔女たちの会話。
「あの時は格好つけちゃってー」
「貴女、そういう所ですよ。いくら孫が可愛いからって……」
「はいはい、どうとでも言いなさい」
大魔女は薔薇の紅茶を啜る。
「姿替えの魔法まで使ってさー。この孫馬鹿ー」
「赤い服を好むのも、貴女の孫ですよね」
やいのやいのと騒ぐ周りを見て、にんまりと笑い大魔女は返した。
「うちの孫なんだから、立派な魔女になるのは当たり前だろう」

祖母の思惑、孫知らずであった。

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