風が強く吹く日
仕事終わり、自宅に寄って電車に乗るために大通りを歩く

玄関を開けたらピューという音
これは結構強いんじゃないかと心する

時間はまだ帰宅ラッシュの時間
車の通りも多く思っているより明るい

風は嫌いだ
軋むカーブミラー
なびく電線
音が鳴るシャッター
飛んでいきそうなのぼり

こんな時に外に出ると
看板が飛んでくるんじゃないか
切れた電線が当たって感電死するんじゃないか
こんなことを考えてしまう

虫たちはこんな中でも大合唱
落ち葉は車の通った風で舞い上がり
カシャカシャと音を立てる

ふと見上げると赤く色付いた植木が
バサバサと音を立てて見下ろしていた

木が倒れたらどうしようか
頭の片隅に置きながら駅までの道のりを急ぐ

駅前のコンビニで夕食を買い
時間前に着いたとやっと安心できた。