見出し画像

10代の音楽が面白いことになっている。

以前から何度か書いているのだけど、ここのところ10代の中高生がつくる音楽がとても面白いことになっている気がする。10代だからという将来性があるよね、ということでもなく単純に現時点での作品として良いものが多いと言うこと。


今回取り上げている人たちは自分たちの音楽ルーツに明確で、サウンドプロダクションに対してかなり意識的であるという点で選んでみました。作詞作曲だけではなく録音物としてどうだというプロセスにより興味があるという点でもはや学生だからどうのこうのなレベルではないのです。


ANNA

ANNAさんは東京の現在17歳。BIG LOVEより7インチレコードをリリースしています。BIG LOVEは90年代に渋谷系音楽を牽引したレーベルの一つESCALATOR RECORDSを主宰されていた仲真史さんのレコードショップ/レーベルです。小山田米呂さんはじめセンス溢れる同世代が集まるこのお店で磨かれ、そしてかつオリジナルのセンスの音楽を奏でています。無理矢理90年代の渋谷系で例えるならば、SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HERの日暮愛葉さんのように海外のインディーと呼応するオルタナティブな空気をまとっています。デビューして1年くらいで荒削りだった音作りがすごく良くなっています。求めている音がはっきりしているからなのでしょう。


self service

続いては福岡の現役高校生によるデュオself serviceです。とにかくsoundcloudをチェック。 音を聴いてニヤリとするアラフォー世代も多いと思います。フリッパーズギターとThe Stone Roses愛の溢れるマッドチェスターな1曲です。非常に良く出来ています。最近の渋谷系リバイバルで少しかじったというレベルでなく、ヘヴィーなリスナーな体質であることが伺えます。サウンドプロデュース能力が素晴らしいです。


The Chimpo

先ほどのself serviceの2人が参加、プロデュースしているバンドThe Chimpo。山梨の宅録ギターポップ女子、吉塚千代さんもメンバーの遠距離バンド。名前は最低ですが音はself serviceよりもよりストレートなちょいエモなギターロックを奏でています。邦楽ロック好きにも素直に人気出そう。海外の10代ミュージシャンたちがsoundcloudなどを通じて距離があっても国を超えてメールでコラボしている事が最近は多く面白い音楽シーンを形成していますが、日本でもこういう事例が出てきていることが少し嬉しいし、楽しみしかないです。


Mosqoward

東京の中学生タクジロウさんをボーカル/ギターに、高校生 ・社会人らが組んだシューゲイザーバンドMosqoward。ギターの音をシューゲイズ的な味付けにするという最近のシューゲイズというより90年代のオリジナルシューゲイズを強く思わせる音の作りです。サイケでロックで時としてダイナソーJr.やピクシーズなどUSインディーも彷彿させ個人的には大好物。


Kaish

東京の中学生3ピースバンドNo SchemeのボーカルKaishさんのソロユニット。先述の方々と違ってこちらはオルタナティブさはなく、国内外の新しいR&Bの流れにある音作りです。しかしクオリティが高い。

Kaishさんもサウンドプロデュース力があり、中学2年生にしてアイドルプロデュースもしているということです。今までのティーンのSSWとは明らかに違う展開をしています。


KEEPON

こちらも現役中学生KEEPONさん。テレビ番組家、ついて行ってイイですか?に出演し60年代音楽好きとして既に一部では話題だとか。オリジナルでははっぴいえんどというか大瀧詠一色のかなり強い曲を奏でています。作詞作曲もそうですが編曲能力に驚きますね。大瀧詠一さんのトリビュート盤GO! GO! ARAGAINにもロックン・ロール・マーチのカヴァーで参加ということです。

Mega Shinnosuke - blue men.

メガ・シンノスケさんは今の日本のシティポップテイストのバンドに通じる音を奏でる福岡の17歳。もちろんセルフプロデュースによるクオリティの高さにただ驚かされます。


いかがでしたでしょうか。それぞれルーツがハッキリし、すでにレコーディングされた曲としてかなり楽しめるものばかりだったではないでしょうか。最後に海外の(既にお兄さんのブライアンはティーンズではないですが)ルーツのハッキリした10代バンドの代表格ダダリオ兄弟によるLemon Twigsのこの曲をどうぞ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?