プリクラ展の無給インターンをした話
私には、竹ちゃんっていう大好きな友達がいる。
木曜日の22時、私たちはゴールデン街のバーにいた。
竹ちゃんは週末に”プリクラ展”という個展を控えていて、進捗を聞くとなかなか大変そう。早めに企画して動いていたはずなのに、準備するために仕事を休んでまで時間作ってる。
その時まで一度も声がかからなかったので、彼女は一人で成し遂げたいのかなと思いつつ、助けたい旨を伝えたらめちゃめちゃ喜ばれた。
声をかけてくれれば喜んで手伝うし、彼女の周りにはそうゆう友達がきっと沢山いるんじゃないかなと思う。どうでしょう、竹ちゃんファンの皆様。
個展の前日に会う約束をして、プリクラを撮って終電で解散した。
プリクラ展の無給インターンをした話
・新宿の拠点に集合
4ヶ月前に引っ越して以来初めて踏み入れた竹ちゃんの部屋は、ひと目で彼女の部屋だと分かる空間だった。むしろこの部屋がプリクラ展の会場になるんじゃないかと思うくらい、彼女の世界観を具現化している様に感じた。
この部屋では、印刷されたプリクラ画像をひたすらカッターと定規を使って裁断していた。それから世界堂へ行って張りパネルを買った。
私が世界堂に初めて来たのは中学生の頃だった。
放課後に美術部の先生と友達と買い出しに来たこと、絵の具の筆を動物の種類で選ぶって初めて知ったこと、私にとって描くことは生産性のない趣味にしかならないと信じて疑わなかったこと、世界堂に来るといつもその頃のことを思い出す。
・新宿から銀座に移動
材料が揃ったので、A0の張りパネルを持って電車で銀座に移動。
「美大生みたい♡」ってお気楽だったのは電車に乗る前まで。
人にぶつけない様に注意しながら歩いて、電車に乗ったら邪魔にならない平面の壁を素早く見つけ、張りパネルの存在感を消す。竹ちゃんはこの扱いがお見事だった。
・銀座のkinko'sで作業
個展の準備っぽくなってきた。
kinko'sに着いてからは、閉店までひたすら切る作業。
竹ちゃんは、印刷したり貼ったり切ったり嘆いたり。
ここで、張りパネルの使い方がようやく分かった。
完成形は見たことがあったので、点と点の繋がった感覚。
・休憩|晩ご飯を振る舞った
kinko'sの閉店時間まで作業して、帰り道で鍋の材料を買って帰った。
晩ご飯は私が作り、竹ちゃんは食べてるときにずっと「美味しいー!」「幸せぇ」「天才!」と言ってくれて、そんなこと言ってもらえる私の方が幸せだなあって気持ちになった。
印象的だったのが「一人で食べるご飯がそれほど美味しくない」というエピソード。レトルト食品がベースの料理なら万人が美味しいと感じるはずだし、なんなら今回もそういった料理だった。
「みんなで食べる方が美味しい」とは前から思っていたけど、彼女の場合は、言葉の力や友達といる充足感が顕著に影響しそうだと、一緒に過ごして改めて思った。
・作業再開、インターンを自覚
「上手い!張りパネルのカット超上手!!」と褒められていい気分になった。何年か前の仕事がここで生きるとは、人生分からない。
今回助っ人を申し出たらすごく感謝されたけど、私は私で、張りパネルの使い方とか、kinko'sとacceaの違いとか、スケジュール管理とか、ゆるっと楽しみながら勉強になった。こうゆうこと、知りたい人ややってみたい人って他にもいるんじゃないかな、とも思った。
私にとってはもはやインターンシップだった。
彼女は搬入のためにもう1往復する必要があるみたいで、終電より少し早めの電車に乗ってその日は解散した。
今回の文章のこと
・構造とお題
今回の文章は下記の構造で作成しました。
また、無名人インタビューのライティング教室「筆と鍵」の宿題<お題投稿/5W1H構造で「最近楽しかったこと」を書く>として投稿しています。
・関連リンク
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