正常性バイアスに対処するには

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防災対策は正常性バイアスとの戦いだと言われる。

正常性バイアスはよくも悪くも異常に対して他人事になり、鈍感になるバイアスで、人間が進化の過程で人間が正常な社会活動を営むことができるように植え付けられたもの。

それが人間の社会活動に貢献してきた反面、異常な災害に対する対処を遅らせ、被害を拡大させてきた面も否めない。

先の東北大震災もこの正常性バイアスが被害を拡大させたと言われる。

それに対処するには、普段から住民が積極的に防災訓練に参加するなどして、異常事態に対する意識を高めておく必要がある。

その際、キーワードになるのが住民同士の人間関係を良好にしておくことだという。

これによって、住民の自分の自治体に対する参加意識が強まり、自分達のことは自分達で守るという意識が自然と生まれ、そこから防災に対する良いアイデアも生まれる。

だから災害対策はリスク管理とともに人間関係の問題だから住民相互交流の促進が根本解決になると、とある専門家から話を伺ったことがある。

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この話を伺った時、それは警備業務にも言えると思った。

警備業務もまた正常性バイアスとの戦いでもある。
例えば自動火災報知器が鳴っても、大概の場合、誤報だったりする。

それが続くと、その施設の人間だけじゃなく、警備員自身も正常性バイアスがもたげてきて、対応に遅れてしまったりする。

それを防ぐには、普段からの自火報に対する訓練が必要になるが、より根本的には隊員同士が忌憚なく意見をいい合えるなどして、意思確認できるようにしておく必要がある。

結局、警備業務に関しても、正常性バイアスに対処するには隊員間の人間関係が大切だと思うのである。

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