「シュリー・アルナーチャラへの八連の詩」各節紹介 その3

「オンライン・ラマナ・サットサンガ」プログラムCで紹介されている、シュリー・アルナーチャラへの八連の詩SRI ARUNACHALA ASHTAKAM:シュリー・アルナーチャラ・アシュタカム)」の概要解説&各節紹介シリーズです。


「アルナーチャラへの五つの賛歌」から、既に紹介している「文字の結婚花輪」と「シュリ・アルナーチャラへの五連の詩」以外の3作品を順次各節紹介していきます。

今回は「シュリ―・アルナーチャラへの八連の詩」を3回に渡り掲載します。

この歌は五つの賛歌の中でも「十一連の頌」と同様に、誰かからの要請ではなく、ラマナご自身が自発的に書かれた詩です。


第7節

インドラ ハ メヌ ニナイ ヴェニル ピラ ヴォンドルム
Indra-ham enu-ninai venir-pira vondrum

         インドラドゥ ヴァライ ピラ ニナイ ヴェリ ラーッ ケル
         indradu varai-pira ninai-vezhil ārk-ker

コンドラ ハ ムディ タラ メドゥ ヴェナ ヴッラーン
Kondra-ham udi-talam edu-vena vullāzhn

            ドゥラッタヴィ スリ ノル クダイ ニラル コーヴェー
         dulattavi suri-noru kudai-nizhar kōvē

インドラ ハム プラ ミル ヴィナイ イラル ジャンマム
Indra-ham pura-miru vinai-yiral janmam

            インブトゥン ビル ロリ エヌン ガナ イダヤ
         inbutun biru-loli enun-gana idaya

マンドラ ハ マチャ ラマー ミダ ミデゥム アルナ
Mandra-ham acha-lamā nada-midum Aruna

            マライ エヌ メライ ヤル マルロリ カダレー
         malai-yenum elai-yarum aruloli kadalē.


【柳田訳】
私という想念が現れるまで、その他の想念は何も存在しないだろう。その他の想念が現れるまで、それは「誰に」(とたずねると)、「私に」(という答が返ってくるだろう)。これを綿密に続行する人が、「私の源は何か」とたずね、内部に深く潜っていくならば、ハート(の内部にある)心の座に到達し、(そこで)宇宙の最高の主となる。ああ、ハートの宮殿の内部で不動のまま踊っているアルナーチャラと呼ばれる限りなき恩寵の大海、光り輝くものよ! そこには、内と外、正と邪、生と死、喜びと苦し み、また光と闇というような二重性の夢は、(もはや何も)存在しない。


【福間訳】
「私」という想いがないかぎり、その他の想いも存在しないだろう。他の想いが現れるなり、「それは誰に起こったのか?」と尋ねれば、「私に」という答えが返ってくるだろう。これを綿密に続けていき、「私の源とは何か?」と尋ね、ハートの中の心の座に達するまで内面深く潜ってゆく人は、そこで宇宙最高の主となるのだ。ああ、恩寵の大海よ! ハートの宮殿で不動のまま舞い踊るアルナーチャラと呼ばれる輝きよ! そこにはもはや内と外、正と邪、生と死、快楽と苦痛、光と闇といった二元的な夢はない。



第8節

カダ レルム エリリ ヤール ポリ タル ニールダーン
Kada-lezhum ezhili-yāl pozhi-taru nīrdān

         カダル ニライ ヤダイ ヴァライ タダイ セイ ニッラ
         kadal-nilai yadai-varai tadai-seyi nilla

ドゥダ ルイ ルニ レルム ウナイ ユル ヴァライイル
Dudal-uyir unil-ezhum unai-yuru varaiyil

            ウルパラ ヴァリ ガリ ルラ リヌ ニッラー
         urupala vazhi-galil uzha-linu nillā

ディダヴェリ アライ イヌ ニライ イライ プッル
Didaveli alai-yinu nilai-yilai pullu

            キダ ニラ マラ ディライ ヴァル ヴァリ チェッラ
         kida-nila mala-dilai varu-vazhi chella

カダ ヌイル ヴァル ヴァリ センドリダ インバ
Kada-nuyir varu-vazhi sendrida inba

            カダ ルナイ マル ヴィドゥム アルナ ブー ダラネー
         kada-lunai maru-vidum Aruna-bhū daranē.


【柳田訳】
水は海から雲のように舞い上り、その後雨として落下し、流れとなって海に舞い戻る。水がその源に戻るのを妨げることができるものは何もない。同様に、あなたから湧き上る魂が再びあなたと一つになることを妨げることはありえない。それは途中で多くの渦の中を迂回するけれども。地上から飛び上り空へ向けて舞い上る鳥は、空中に休息の場所を見つけることができないで、再び地上へ戻らねばならない。そのように、実際、すべてのものは自分の道を引返さねばならない。そして魂がその源へと帰る道を見出すとき、それは沈んであなたの中に吸収されるだろう。ああアルナーチャ ラ、あなた、至福の大海よ!


【福間訳】
水は海から立ち昇って雲になり、雨となって降り注ぎ、流れとなってふたたび海へと帰り着く。それが源に戻ろうとするのを止めることは誰にもできない。同じように、あなたから立ち現れた魂が、ふたたびあなたと一つになろうとするのを止めることはできない。たとえ途中で多くの渦に巻き込まれようとも。そして魂が源へ戻る道を見いだして、ついに帰り着いたとき、それはあなたの中へと融けて消え去るのだ、ああ、アルナーチャラ、至福の大海よ!



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