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生"き"た"い"!!!【3/22の日記】

"変態"した話

 私はONE PIECEが大好きだ。
 小学一年生の頃から単行本を読み続けているし、今も三、四ヶ月に一度の新刊発売日を心待ちにしている。
 ふと思った。

私、今麦わらの一味になる資格があるんじゃない!?!?!?!?

 私と麦わらの一味のある人物には共通点がある。それは、「改造人間(サイボーグ)であること」だ。つまり、フランキーに取って代わってサニー号に乗ることができるのだ。
 ごめんねフランキー。海岸で待ってて、いつか迎えに行くから。

 私の口内には今、金属片が鎮座している。金属片というのは些か変な言い方で、正しくいうならアンカースクリュー[矯正器具の一種。骨に刺して固定し、ゴムで引っ張って歯間の無駄な隙間を埋める役割を果たすネジ(多分)]だ。
 私は2160秒にも及ぶ大手術の末に、人間から超次元の存在に姿を変えた。金属探知機はピーピー鳴るだろうし、多分磁石もくっつく。二億年後の考古学者が何らかのきっかけで私の頭蓋骨を手に入れたら、「コイツ、一体どんな残酷な拷問を……!?!?」とびっくりするに違いない。ロビンだってそう言う。

 さて、手術(拷問)中の話だが、私はまず変な味のする液体で口内をすすがされた。それから「スクリューが歯に当たったら結構痛む」程度に麻酔を打たれ、五分間放置された。唾液が止まらない、制御が効かない。それから手術はDIYのように直径1.6mm(1.4mmかもしれない)スクリューとネジ回しのみで行われた。これで口の中の左右の四番目と五番目の歯の間にスクリューを打ち込むらしい。すごい人間の改造手術っぽいでしょ。
 しばらくの沈黙のあとで突然医者は言った。

「一回レントゲン撮りましょうか」

 なんと、私がぽけっと「わぁすごい、ねじ回しに人間の骨って負けるんだ」と思っているうちに片方のスクリューが打ち終わっていたらしい。すごい。ちっとも痛くない。
 医者はレントゲン写真を見て顔を顰めて言った。

「ちょっと打ち直して良い?」

 Noとは言えない。リベンジマッチ突入。
 二度目は上手く行った。
 問題は逆側で、こっちは二回打ち直した。つまり、私の口内にはあってはならない穴が合計三つある。改造人間になるためだ、多少の代償は支払わなければならないらしい。
 そんなこんなで打ち終わり、大したことなかったなと意気揚々と帰宅。フランキーの座を奪ってサニー号に乗船した。

 さて、夕食前麻酔が切れてきた。なんか痛い、すごく痛い。矯正してるときの締め付けが内側から発せられてる。ぽっかり空いたいらない三つの穴が痛みを助長して、無様にのたうち回りたい。ご飯はしっかりバッチリ食べた。麦わらの一味で生き抜くには食も大事だから。

 夕食後、薬を飲んだ後に異変が起こる。なんか、目すっごい腫れてきた。腫れているんだか浮腫んでいるんだか、目が勝手にとろんとして開けられないレベルでめっちゃ腫れた。生粋のツイ廃なのに、スマホを見る気力失くして寝るくらい腫れた。だから、この段落の文章は翌日の朝自分の家のリビングで書いている。

 サニー号からはもちろん追い出された。多分、私の背丈がフランキーの六割ぐらいしかなかったせいでバレたのだろう。

フランキーと白紙しろの身長差

 あと、船大工の知識なんてものはひとつもなければパンイチの変態(こちらは一般的ないわゆる変態であり、生物学的な用語ではない。タイトルは生物学的な変態だ)でもない。金属が体内に組み込まれているだけでは六時間ほどしか騙せなかった。
 麦わらの一味の絆はアツい。

プロフェッショナル風の画像


 アンカースクリューをこれから打つよ、と言う方は実際そんな大したことないのでターミネーターごっこや麦わらの一味ごっこをして一緒に乗り越えていきましょう。
 今日の日記終わり。

p.s.書いてる途中何度か正気に戻りかけましたが、何とか痛みと狂気の内に書き切ったので褒めて下さい。あと、ONE PIECEを冒涜した訳ではありません。私はれっきとした原作オタクです。ちなみにハートの海賊団が好きです。

サムネイル|打つ直前に書いた断末魔のメモのスクショ

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