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ContactGlove(Magnetra)をclusterとResoniteで使ってみた感想

VR中にコントローラーが邪魔になった事はありませんか?

・可愛いポーズをしようとしたら、コントローラーがゴーグルにぶつかる。
・お酒を飲むとき邪魔
・拍手したらコントローラー同士がぶつかる。

そんな悩みを解決できるかもしれない、
グローブ型のコントローラーが発売されたという事で、使ってみました。
本記事はContactGloveのPR記事ですが、
私自身が趣味でハードウェアを作ってる人間なので、かなり厳しめの視点で書いてます。

自己紹介と使用用途


はじめまして、銀鮭と申します。
レビューをするまえに、この製品は遊び方によって感想が異なってくると感じました。
「どのようなユーザーで、どんな使い方をしているのか。」
この部分は非常に大事だと思うので、長めに自己紹介をしようと思います。

VRユーザーとしての私

ゴーグルはOculus Rift cv1→index→quest2→indexと来て、現在はVarjo Aero+indexコンを使ってます。

プレイ比率はResonite(NeosVR)>cluster>VRChatと言った感じで
NeosVR:5080時間
Resonite:480時間
VRChat:870時間
cluster:時間不明(2020年からプレイ)

となっています。
VR睡眠はしないので8割くらいは実際に遊んでる時間になると思います。

各プラットフォームでの活動ですが、

Resonite(NeosVR)
割となんでもやってます。
イベント/初心者案内/写真撮影/ワールド制作/アイテム制作/ゲーム/DJ/TRPGなど。
VRが6割、デスクトップが4割くらい。

VRChat

ContactGloveはまだ試してないので割愛

Cluster
駄弁ったり、ワールドのギミックを作ったり。
デスクトップ率が高いですが、やる気があるときはVRになります。

自作キーボード製作者としての私


VRで知ってくれた方には馴染みがないかもしれませんが、
2018年頃から趣味でキーボードの設計や開発、組み立ても行っております。
「真の静電容量キーボードを作る本」
「静電容量Helix」
「ここからはじめる自作キーボード(共著)」
などを販売したり、専門店に卸させてもらっております。

自分の作品を宣伝してどうする?って思われるかもしれませんが、
入力デバイスについて無駄にうるさい人間だと知った上で、この記事を読んで欲しいです。
既存のキーボードに満足出来ずに作ってしまうレベルなので
一般的なレビューや評価と著しくズレてしまってると思われます。

(こちらのレビューが分かりやすく、綺麗にまとまっていたのでおすすめです。)

また、途中からは開発者目線の話になってしまってます。
PR記事として公開して良いのか悩みましたが、さらに使いやすくなって欲しいですし、こういう視点も需要がありそうなので公開に踏み切りました。
まともなレビュー記事を見たいなら、他の記事が良いでしょう
このあたり理解した上で、記事を読んでもらえると助かります。
(本記事はContactGloveに拡張モジュールであるMagnetraをつけた状態でのレビューとなります。)

実際に使ってみた感想

clusterとResoniteで使ってみたのですが、
若干感想が異なったので書いてみようと思います。
その前に共通の感想から。

共通編

手が自由なのは良いですね。
お茶やお酒が飲みやすいし、飲んでる様子もはっきりと相手に伝わる。
ペットボトルも簡単に開ける事が出来ました。
実際の動きとアバターが連動するので、没入感もさらに上がります。
マウスが持てるのも地味に便利。

こういう写真を撮るときに、顔やゴーグルにコントローラーがぶつからないのが良いです。

指の動きがリアルと連動しているので、
ポーズにリアル感が出る気がします。


使ってみた cluster編

clusterではContactGloveがそのまま使えます
何もしなくてもそれぞれの指がちゃんと動く。
試しにつけてみたのですが良い感じ。

clusterって、細かい操作があまり要求されないんですよね。
ワールドギミックやアイテムで遊ぶというよりは
観衆としてライブを見たり、ずっとおしゃべりするのがメインな気がします。
一度定位置に収まってしまったら、あまりボタンを触らなくなるんですよね。
そうなると、手がフリーになるContactGloveは非常に快適
拍手したときにコントローラー同士ぶつからないし、
喋って喉が渇いた時に水も飲みやすい。
かなり快適だと感じました。

Lobbyで雑談しながら手をワキワキさせてたら
周囲から良い反応がありました。

手が自然に動くのは良いですよね。
clusterはquest3やindexのハンドトラッキングや
LeapMotionを使えないので、
手を自由に動かす手段としては唯一な気がします

Resonite編

ここからはResoniteでの使用感について書いて行こうと思います。

移動に関して

1日目は移動に大苦戦。

Resoniteの移動って三次元なんですよね。
歩行モードもあるのですが、基本的に空を飛ぶモードが多く使われています。

目の前に行こうとして通り過ぎてしまったり、
相手と高さを合わせられず、上に陣取ってしまったり。
clusterは前後左右に動くだけでしたが、上下も加わるとなかなか移動が難しい
慣れるまでスカートは避けた方が良いでしょう。
ただindexコンの1日目もこんな感じだった気はします。
三次元的に移動するというのは、やはり難しいんだと痛感しました。

正直なところスティックをもう少し親指の内側に持っていきたい。
親指を前に持っていくのが苦しく、直進するのが億劫です。
左右移動は楽ですが


この動きはきつい

対策として、左手のジョイスティックキャリブレーションを意図的にズラし
左右移動は右手、前後は左手にするようにしてます。

自作キーボードの話で恐縮なのですが、
指の長さは個人で全然異なるので難しいんですよね。
親指キーの位置が絶賛されているキーボードでも、触ってみるといまいちだったり。(だからこそ、最高のキーボードを求めて自作に走るわけですが。)人差し指につけるマグネットの位置を変えることで、
少しなら調整出来るのですが、もうちょい幅が広がると嬉しい所です。

ボタンについて

Resoniteはとにかくボタンを多用します。
目の前のアイテムを掴んで何かする、というのが多いんですよね。
アイテムを出すにも何回かダブルトリガーが必要です。
そうなると気になるのがボタンの使いやすさ。

1日目は壊滅的でした。
ソフト側でボタンのバインディングを変えたところ良くなりましたが、
まだまだ試行錯誤中。

アイテム掴んでコンテキストメニュー出してボタンを押すという動作がきつい。
ボタンバインディングの変更と慣れが必要そうです。

このゲームは「トリガー」「グリップ」「Aボタン」「Bボタン」を多用します。
しかし「右上ボタン」「左上ボタン」は位置が遠すぎて押しにくい

「グリップ」はデフォルトのままで良いとして、
「人差し指の曲げ」をどこかに割り当てることになるわけですが、
多用する動作でいちいち指を曲げるのが億劫。
精度を調整しても誤爆や無反応がたまにあるので
出来れば物理ボタンが欲しいなと考えています。

ただ「グリップ」は凄く良くて
実際に物を掴む動作をすると、VR内でモノが掴めるのは素晴らしいです。

慣れたら使いやすくなりそうだなと感じてますが、
細かい作業をするにはindexコンかなと感じます。

indexコンと簡単に切り替えが出来るので、
おしゃべりしたりTRPGするときはグローブで、
モノ作りなど細かい作業するときはindexコン、というのが良いかもしれません。

没入感

Resoniteはインタラクト出来るアイテムが非常に多いので、
慣れたらかなり良いのではと感じました。
相手の髪の毛を引っ張れたり、カテーシーが出来たり。
撫でるとグローブのハプティクスが震えて感触が伝わるのはめっちゃいいです。
コントローラーがない分、没入感が増した気がします。
あと、マウスくらいならそのまま触れるのが良いですね。


ハードウェアとして

ここまではユーザーとしての視点でしたが、ハードウェア設計的な感想を上げていこうと思います。

内側がボロボロになる

ContactGloveはマジックテープを採用しているのですが、
ここが手袋内側のメッシュに張りついてしまい、剥がすときにボロボロになってしまいます。
交換用パーツが売ってるとは言え、素材は変えた方が良いのではと思いました。

マグネット部分にもスペーサーが欲しい

スティックをもうちょっと外側に出したいです。
奥方向についてはスペーサーでそれなりに調整出来るのであまり問題ありませんでした。
横方向も少しは調整出来るのですが、さらに外側に出したい。
Magnetra本体とヒンジパーツをさらにスペーサーで調整出来ればと思ってます。
ただ、3Dデータが公開されていたのでこのあたりは自作してもいいのかなと思いました。
みんな持ってるよね、3Dプリンター


材質について

おそらく射出成型ではなく3Dプリンターなのでしょうか。
ザラザラ感が気になりました
Magnetra本体の手が触れる部分やボタン周りに関しては、
材質を変更しても良いように感じます。
個人的にはDMM.makeのPA12、磨きオプション有りが好みです。
自作キーボード界隈でも愛用されており、私も親指キーとして出力されたものをそのまま使っています。

とはいえそれなりに値段もするので、
自分はクリエイターズマーケットという形での出品や、一度になるべく多くのパーツを印刷するなどでコストを抑えたりしてます。

ボタンの感触について

各種ボタンを押した時、材質のザラザラ感と言いますか、
摩擦のせいでダラしない感触になってるのが気になりました。
自作キーボード用の潤滑油(Tribosys 3204)をボタンに塗ったらシャキっとしていい感じになりました。
自作キーボード界隈では"ルブ"と呼ばれる結構一般的な行為でして、様々な潤滑油が売られています。
ルブについて私はあまり詳しくないのですが、適当にやっただけでも変わったのでこちらも是非検討してみて欲しいです

拡張できそう

Magnetraの接続がTRSケーブルなのは良いですね。
デフォルトのジョイスティックやボタンも一般的なコネクタなので
カスタマイズが簡単に出来そうだと感じました。

個人的に、中指と親指がついたときにトリガー判定したいと思ってるので
いい感じに電極つけて改造したいなぁとか。
公式でも様々な拡張パーツを出せそうですし、
このあたりの設計は素晴らしいなと感じました。

総合的に

適材適所だなと思いました。
indexコンの代わりにはなりませんが、
ContactGloveだけのメリットは間違いなくあります。
アバターの手とリアルが連動しているというのは想像以上に良く、
コントローラー同士がぶつからないのは最高です。

ただ、ボタン配置やスティック、材質については改善の余地があると思いました。
購入して良かったと思ってますが、さらに良くなって欲しいと願ってこの記事を執筆しました

長文をお読みいただきありがとうございました。

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