見出し画像

思い出したい、繋がりたいたったひとつの光。

海を見ているとわたしは海になっている。


私の膜が潤い、

揺れるがままになる。


山を見ているとわたしは山になっている。

わたしの足は根を張り、

真っ直ぐな骨になる。


誰かのあきらめをみればあきらめになる日もあるけれど、

誰かの恋文をみればまたわたしは恋文になる。


だから「今だ」という声を誰かのまなざしにみたなら

「生きたい」という色を夜明けの光にみたなら

その大切をとめてはいけない。


世界にありありと開かれたその大きな意志は

あなただけのカタチを見るのを待っている。


この身体はそれを受け取り、育み、

産み出すまで長い長いあいだ、ずっと守っている。


どんな冷たい雨の日にも。

雨に濡れて終わらせてしまいたい、

閉じてしまうそんな夜にも。


開いているその子宮口は

産むべきそのカタチを知って秘めている。

この口は伝えるべきコトバを知って秘めている。

だからいつもどんな時も

私たちは思い出したい、たったひとつの光を。

「わたしとはこうである」というその大いなる意志のほんとうのあるべきカタチを。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?