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会社の2期目が終わりそうなので、これまでとこれからについて。

noteを書くのは久しぶりです。
今月決算期で、もうすぐ2期目を終えようとしています。2期目の残りと3期目もがんばるぞ!という気持ちです。

ふとnoteを書く気になったのは、諸起業家先輩方のこれまでの振り返りnoteやツイートがとても参考になったことが大きな理由です。
もちろん結果を出せたから言える、というものはあるなと思いつつも、こういう記事も起業家エコシステムにすごく役立っているのだな〜と思い、自分もこれから起業する方の落とし穴対策に少しでもなれたらなと。

あとは、先日久しぶりに初めましての方とお話しして、いろんな話を色んな人とすること、アウトプットすることってとても大事だなと思ったことも理由の1つです。

では、これまでの道のりについて振り返りながらつらつらと。自己満足なので、どうかご笑覧ください。mm
1,2年後にこのnoteを見て「レベル低いなあ自分ww」と笑えるように日々頑張ります!

僕よりよっぽど参考になるnote・ツイートはこちら。

創業準備期

2019年4月に新卒でDeNA(渉外統括本部という部署にいました。)に入り、およそ4ヶ月ほどですぐに退職することになりました。
退職理由としては色々あるのですが、「起業して自分でどかーんとすごいサービス作ってやるぜ!」という気持ちが一番大きかったと思います。

初めはメンズコスメ事業を創業事業にしようと思っていたのですが、流通周りがあまりにもブラックボックスすぎて「これは自分がやるべき事業じゃないな」と思い別の事業を創業事業とすることにしました。

今考えれば、流通まわりは「TANP」さんのように株主にその知見のある方を迎える戦略や、「60%」さんのように流通大手のヤマトさんから出資を受けるという戦略など、大人なプレイングも選択肢にあったのだなと思います。
ただ、それを思いつく、あるいは本気でやり切る、というにはメンズコスメに思い入れがなさすぎたなとも思うので(市場だけで決めようとしてました。)

その後、もともとDeNAの法人営業から好きになったVTuber領域がどんどん伸びていたという背景もあったので、VTuberで勝負だ!とVTuberの事務所事業を作っていくことになりました。

メンバー集めは、学生時代にたくさんインターンに参加していたので、その中でもDeNAのインターンで同じチームだった東工大院生の友人を誘いました。
もともと二人で何かしたいねと、DeNAで働きながら2週間に1度くらいあって話すような日々も重ねていたので、必然のメンバーだったのかなと思います。

VTuberは見るのは大好きでも、それがどのように作られていて、事務所っていってもどんな契約内容でどうやって採用すればいいかもわからない状態でした。
そこでまずは法人設立前に、お互いの知人に配信に興味ある人たちがいないかひたすら声をかけまくりました。
僕の後輩や同級生、共同創業者の友人にお手伝いしてもらい、感謝の念しかありません、、、

その一方で、「VTuberってどうやって作るんだ?」をひたすら調べ、元でもそこまでなかったためまずは無料でアバター作成ができるツールを選び、ひとまず配信開始をしました。
1日中何をするにもYouTubeを垂れ流して、「この配信はここがいい/よくない」「このモデルどうやって動いてるんだ」なんて話を延々としてました。

そしてある程度運営してみて「原則、高クオリティなモデルでないとそもそも見てくれなさそう」という結論に至り、高クオリティで作るVTuber作成プロセスについて調べまくりました。
結果、イラスト⇨切り分け⇨モデリング、という作業に加え、モデルをリアルタイムで動かすためのトラッキングアプリが必要ということがわかりました。

そして、前者に関しては絵師と呼ばれる方とモデラーと呼ばれる方に発注すればOK、後者に関しては無料or低価格で使えるものもあるがクオリティを求めて自社開発をする、という結論に至りました。
そこからエンジニアである共同創業者が1人でトラッキングアプリを作り、僕はひたすらVTuberのモデル作成とライバー集めを進めました。
このタイミングでEastVenturesさんから出資をいただけることとなり、正式に法人設立を2020年1月28日に行いました。

EVさんはシード期の出資においてとても有名んVCですが、起業を考えている方には本当におすすめのVCです!弊社がEVさんからしかエクイティ調達をしていないので、比較検討したものではないですが、
・非常に柔軟にコミュニケーションを取ってくれる
・望めばハンズオン、望めば放任主義、という形で希望に合わせた動き方をしていただけるという点で、「言い訳せずに、会社として絶対に結果を出さなければならない」という前提・意識を持ち続けられるなら、これほど良いVCはいないのではないかなと思うほどです。
もちろん僕は資金調達に関しては素人ではあるので、1意見として。

創業1年目

その後、EV出資先のesports企業であるREJECT社の代表からの紹介等もあり、ライバー集めが順調に進みました。

その後、ライブ配信も色々ありつつも開始でき、2020年3月中旬に事務所が正式にスタートしました。
紆余曲折あり、2020年9月末時点では13名のライバーを抱えるまでに成長しました。また、初配信で9,000人以上の同時視聴者数を達成したライバーもおり、ありがたい気持ちもたくさんありました。

しかしながら、事務所事業においてライバーへの環境整備不足や投資に対する低成長率が大きな要因となり、2020年9月末で事務所事業は撤退しました。すべて自身の力不足によるところで、反省しかありません。

当時の働き方はといえば(本当に盛ってないです。笑)、役員報酬で月数万円、家なしでシェアオフィスでこそこそ寝泊まり(ご迷惑おかけしました、、、)、お風呂と洗濯は週に1回銭湯で(改良湯より文化浴泉派です。)、1日の支出は500円以内、という生活をおよそ1年弱続けていました。
社会人になってから時給換算したことはないのですが、おそらく無理矢理換算するなら時給100円弱程度で共同創業者と2人で頑張っていました。
ただこれはそこまで特殊なことでもないかなと思ってまして、結構みなさん役員報酬は0円だよ、とか、数万円だよ、って方いらっしゃいます。

もちろんそれが良い、ということではなく「役員報酬普通に取るくらいじゃないとそもそも経営力不足すぎじゃね?」みたいな話も見聞きするので、ここを自慢する気持ちはなくて、ただこの経験のおかげで「あれ、おれもしかしてどこででも生きられる?寝れる?」という生存に必要な要素が極端に減った気がします。

このおかげでさらに事業に集中できるようになったように思います。

この期間では、周りで一緒になって頑張る仲間がたくさんいたので、「おれの知ってる起業家仲間の中でも、働く時間だけは絶対に誰よりも多い状態を継続しよう」と心に誓っていました。笑 質の前に量だ、という意識は非常に強く持っていました。そこだけは事実として積み上がるので、それだけが心の支えになっていた感はあります。

そんな仲間達の中でもesports大会事業(今ではロブロックスというアプリも作っています!)をメインで運営しているRATEL社さんには非常に支えてもらいました。

夜遅くまで働いて、その後朝5時くらいまで話し込む、みたいなことも結構やったり、隣の席だったのでRATELさんのチームメンバーが増えてきたり、会社としても業績がグングン伸びているのを目の当たりにして「すげえな、悔しいな」という気持ちをずっと持つことができました。

ここで「環境ってほんとに大事だな」と、よく言われることに対して腹落ちしたように思います。

そして2020年10月は売上も0、事業も0、そして共同創業者も辞めることになり、完全に1人という状態になりました。
この時心の支えになっていたのは、弊社創業時から外部CFOとしてコミットしてくださっている方でした。

メガベンチャーでブイブイと結果を出した後、さまざまな企業、特にスタートアップ支援に財務的な側面を中心に行われている方で、この方がいなければかなり精神的にやばくなっていたのは間違いありません。

そんな方の存在もあり、不思議と「やばい」という気持ちはなく、「よし、どうすっか」というポジティブな気持ちだったと思います。
1ヶ月間新規事業について考えるという時間を設け、いろんな友人や知人に会いまくっていました。

その後2020年11月くらいから、VTuber事業をやっている時から応援してくれていた方(エンジニア)と、高校時代の同級生(エンジニア)が副業として手伝ってくれることになり、新しい事業を作ることになりました。
これは海外で流行り始めていたcameoというサービスをタイムマシン的に開発したもので、オンラインリクエストサービスと銘打ってリリースしました。

その過程で、同級生の方が大学時代のエンジニア友達に複数声かけをしてくれて、エンジニアが一気に4名になり、爆速で開発・リリースを行いました。
そのタイミングが2020年12月頃です。そこから会社のキャッシュがあと2ヶ月くらいでなくなる、ということになり、「はてどうしたものか」という思いがありました。

創業2年目

ただ、自分の中で「事業が伸びてないが生存のために追加出資を受ける、という選択肢を取るなら清算して罪滅ぼしをしっかりとするべきだ」という思いが常にありました。(これは個人的な意見です。)
そのため、EVさんからはありがたくも「必要であれば言ってほしい」と何度かお声がけいただいていましたが、それをせずに挑戦し続ける方法がないかを探りに探りました。

結果、たまたま知り合いの方から大きな案件をいただくことができ、弊社のエンジニアチームは最強なので若干炎上案件だったその大規模案件をなんとか納品することができ、大きなキャッシュを生むことができました。
こればかりは本当に運でしかなかったです。正面きっての営業はチームが疲弊しやすい案件に当たる確率が高いため、リファラル的にいただける機会をひたすら探していたことは確かですが、短期間で入金可能かつ大きな金額の案件は常にあるわけではないため、あらゆるコトやモノに感謝していました。(神様を信じそうになりました。)

ただ、それを無事納品できたのはチームのおかげで、本当に死力を尽くしてくれたことに対する感謝と尊敬の念を常に持ち続けています。

そして、受託事業の調子がかなり良かったため、「一旦キャッシュを作れるまで作り切ろう」と代表である自分が判断していました。
ただ、もちろんこれは僕自身が投資に対する企業価値の成長速度よりも、精神衛生を保つための判断であったことも確かです。
「お金がなくなること」がこれほど怖いと思ったことがなかったので、その反動がすごく大きかったです。(この辺りから、不感症というか、精神面が良くも悪くもバグってきたのは認識していました。辛いんだけど辛くない、というか、自分の持つ感情が本当かどうかわからない感覚は今もずっとあります。うまく言えないので、これを言語化できるくらいになりたいです。)

しかし、202一年5月初旬に、チームメンバーと合宿してた際に「おれたちこれでよかったんだっけ?」と当時のCTOが言い出し、それがきっかけで「ちゃんと自社プロダクトを当てよう!」と原点回帰しました。

そこからもチームの強さがすごく現れて、今メインで事業運営している「動画型マッチングアプリmow」というサービスを企画からリリースまでおよそ2ヶ月で終えました。

マッチングアプリを運営するには、警察署へのインターネット異性紹介事業届けを行う必要があり、届出まわりが苦手な自分には大変な苦労がありましたが(10時間働くより、1枚の行政系書類を記入する方が辛いと感じるタイプです。できないことはとことんできないです、、、)、今年の8月にリリースし、今現在に至ります。

今現在

今現在、どういう状況下というと、「自分のグロース/PM力の欠如」と「マッチングアプリの外部要因の辛さ」をひたすら感じている日々です。。。
会社としてキャッシュはあるものの、期待通りの伸びをしているかと言われるとそうでもありません。(赤裸々ですが。笑)

というのも、自分自身が勢いと直感でこれまで物事を決めてきたことで、事業の本質の壁にぶつかった際に「じゃあ僕らはどこを目指していて、次に何をすべきなのか」をうまくチームに指し示すことができず、自身がバーンアウト気味になってしまったこともあります。

何より、マッチングアプリにおいて広告は非常に重要なマーケティング施策なのですが、その中でもTikTok広告を出せない、という状態が今最もきついです。(他広告プラットフォームも試しているものの、TikTok広告の効果はそれらの数倍〜数十倍にも及びます。とあるキャンペーンではCPI200円を切る結果も出ていたほどです。ちなみにマッチングアプリのCPI相場は3,000円ほどとよく言われます。)
9,10月に出していたTikTok広告のCPI、CPAが非常によく、それがあるおかげでユーザーを入れては新機能・新仕様の検証が進んでいたものが、今はかなりそのスピードが鈍化してしまっている状況です。

TikTok広告は10月末頃からマッチングアプリの審査が非常に厳しくなり、特定の条件をクリアする必要が出てきました。
今はその条件をクリアすることに対応しつつ(待ちの時間が長いのですが。)、PMやマーケティングの勉強をしつつ(採用はなかなか難しい。)、チームで「mowってどこを目指してるんだっけ」を日々考えています。

日々事業運営の難しさを感じるものの、ふと自分を見つめ直すと、確実に成長していることは自覚できるため、正しく進む努力を継続したいなと。
成長で終わるのはもってのほかで、出資を受けている以上そのお金を何倍・何十倍・何百倍にできるほどの結果を出す必要があります。
その責任は根底に持ちつつ、どうすれば良いチームを作れる良い代表になれるか、をより一層考え行動していきたいと思っています。

自分がこれまでに学んだこと

最後に、自分が今思う学んできたことを箇条書きにしてみようと思います。このnoteにどんどん備忘録的に書き連ねるのも良いなと思っています。誰かのためになればとても嬉しいです。

▼自分に合った経営手法は絶対にある(と思う)。「この人がこう言ってるから」で経営手法を選んで失敗しても誰も責任を取ってくれない(当たり前)。リビングデットと言われようがキャッシュを作り続けて事業がPMFしてから追加調達してドカンと伸ばす、という方法も正しいはず。きっとスタートアップ業界は、最も「勝てば官軍」な世界だと思う。出資者に損をさせず利益を提供することを前提として挑み続け学び続ければ、きっと自分に適切な経営手法がアビ出せると信じてる。
▼出資を受けた企業の代表は「会社を成功させること」を絶対に諦めてはいけない。その一方で、成功させること以外のモチベーション・共感性を会社自体、事業自体に持たせないといけない。(じゃないと今の時代特に人も集まらない。)
▼経営者は多分、どこまでいっても孤独。出会いもあれば別れもあって、別れの時は反省を死ぬ気でしつつも、そこでクヨクヨしてたらダメ。進み続けるしか選択肢はない。どんなにうまくいかない時でも、人のせいにしたら終わり。その事業を選択したのは自分だし、その事業を立ち上げれないのも伸ばせないのも人が辞めるのも自分のせい。常に学び1%でも成功確率を高めて打席に立ち続けることが大前提。
▼アクセル踏みすぎると折れそうになる瞬間がいきなり来て、何も手につかなくなる。その時は何も考えず休むことに専念する。回復したら、そうならないように適度に休息を取るようにする。(休息を取ろうと思って取る休息と、時間が空いたから休息とする、とでは効果が圧倒的に違う。絶対前者の休息の取り方をすること。)
▼事業作りは、その事業に対する熱量と正しいやり方が重要。どっちも欠けてはいけない。
⇨最近腹落ちした、事業作りの正しいやり方はこちら。https://note.com/hajipion/n/n9ae14e80473e
▼チームに対して金銭的なモチベーションが必要なくなるくらい、「なんでこの会社でやるのか」「なんでこの事業をやるのか」に共感してもらわないといけない。これが強いチーム作りにおいてとても大事だと気づいた。
▼とはいえ、思いだけで成功することなんてあるはずもなくて、自分のスキルセットやチームの強さ、戦略の妥当性や実行力、いろんな要因が絡み合って、何より運も味方にしてこそ成功があるはず。だから、「だめだ」と思ったら全てがリセットされようと、それまでの学びを総動員して挑戦し続ける。(経営者はここの胆力が一番大事だと思ってます。)
▼バックオフィスはめっちゃお金かかる。けど絶対必要。労務・法務・経理・弁護士・税理士など。弁護士さんにお世話になることもいろいろあって、本当に救われた経験が多々ある。ここは起業する時にはとても見えづらいのと、誰がいいのかもわからないこと多いなと。いろんなSaaSも出てきたけど、使ってみないと良いかどうか判断できないのかも。
▼身近な人と比較しても苦しいだけ。どうせ比較するならイーロンマスクさんとかそういう人たちと比較したいものです。かけ離れすぎてて苦しくもならないから。でも正しい悔しさは持てると思ってます。人類のあり方にまで影響を及ぼせるような人間になれるよう、一生事業家として生きていきたいです。

以上です!
偉そうなことを言える立場では一切ないのですが、絶対にスタートアップとして大きな成功を収められるように、3期目も頑張ります!!2期目もしっかりと締められるよう、ひた走ります!!

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