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何故、K-POPが売れるのか。今後の鍵は洋楽との一体化

・現在の音楽チャートの現状 
・音楽だけじゃない!アーティストの魅せ方!
・BTSとBLACKPINKの世界戦略について

様々な音楽が手軽に聞ける近年では、国内だけじゃなく海外の音楽にも自然と親しむことができるようになった。そんな現代の音楽の消費者の大半がインターネットネイティブである。中高生の使用する主なSNSツールの第1位にYouTube,続いて2位にTwitterが占める。この2種のSNSは音楽と密接に関わっていることは言うまでもないだろう。ビルボードのチャート構成には”Twitter”がK-POPのどのアーティストにも高い比率で入っていることは間違いないのだ。日本では、SNSを取り込んだ音楽ビジネスがまだあまり普及していないように思える。Spotifyなどの割合は増えてきているが、未だにCD販売に依存しているアーティストも少なくない。(近年では嵐やHey! Say! JUMPなどジャニーズ事務所の所属芸能人もTwitterでの売り込みがチャート構成比の1割を占める)
手軽に世界中の音楽を聞けるとなった今では大衆の音楽に対する水準は高く、本物を見極め、更には本物を好む人が多くなった。
既にアーティストはその都度”本気”を伝えなくてはならない時代に突入している。
様々な方法で本気を伝え、その本気が人々を動かしファンになる。
BTSと言えば、初めてアーティストの舞台裏の様子を撮影しそれをYouTubeに無料配信することによってファンと距離を縮めマインドを掴むインターネットによる戦略が話題となったアーティストだ。
今では様々なアーティストが行っているが、BTSは初期の頃からやっていたと言える。
そんな舞台裏での様子を頻繁に見せることでファンに親近感を湧かせると同時に、アーティストの舞台に対する”本気”をごく自然に見せた。
BTSは舞台ではもちろん本気ということはわかるのだが、あまりにも安定したダンスや歌声は、時に”口パクなのでは?”などの疑いを向けられることは多々ある。そんな疑いをごく自然に、気取らず、払拭するメンバーそれぞれの飾らない態度や姿勢,発言,行動は更にファンを熱くさせるのだ。

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↓コンテンツ撮影のビハインド↑

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そしてさらに注目すべきはBillboard全米チャート1位に輝いた防弾少年団の”DYNAMITE”である。この曲は80年代風の曲調をベースにした全て英語詞の曲で、BTSにとって極めて新しい音楽である。BTSは韓国語詞で歌うことを楽曲のアイデンティティとしていたため全て英語詞で歌うことはオリジナル楽曲では初めてだ。このタイミングで何故洋楽調曲なのか。兵役に対する焦りも無いわけではないだろうが核は他にある。
同時期に配信されたBLACKPINK with Selena Gomezのice creamも洋楽調ポップスとなっている
もちろん、BLACKPINKはコラボ相手であるSelena Gomezに寄せたこともあるが、BTSとBLACKPINKの所謂”洋楽との一体化”を表す楽曲がこのタイミングで同時期に配信されることは偶然ではない。
世界中を熱狂させるK-POPだが、Billie EilishやJustin Bieberなどアメリカンポップスターとは違うジャンルに居ることは間違いない。おそらく、この”差”を埋めにきたと思われる。ただし、以前までのK-POPは、エッジが立った今風の音楽はアメリカをモデルとしているため当然 本場アメリカでは勝ち目はないため洋楽とは切り分け、”K-POP”というジャンルを確立し市場を拡大してきた。
だが、BTSやBLACKPINKはK-POPに留まらず、海外アーティストとのコラボを積極的に行い、洋楽アーティストへのタイアップを欠かさずしてきた。
中でも、Lady GaGa×BLACKPINKの「sour candy」やBTS×Halzyの「boy with luv」は両者ともグローバルアーティストであるためか配信前から世界中で注目を集めた。さらにJ-HOPE×Becky Gがwebstar&Young Bの楽曲をサンプリングした「chicken noodl soop」やRM,SUGA×juice worldの「all night」はかなり海外のヒップホップシーンに挑んだ楽曲だと言える。
BTSやBLACKPINKは海外アーティストだけでなく、音楽プロデューサーやサウンドを海外から迎えることが多い。中でもDYNAMITEは洋楽への一体化を測ったポップでキャッチーな曲で、Billboardチャートへのランクインを狙ったことは配信当初から確信できた。
ただし、これは容易なことではない。
K-POPというジャンルで確立しつつ、グローバルアーティストとタイアップを欠かさず行ってきたBTSとBLACKPINKしかできないことだ。言わば、洋楽への挑戦権を掴んだということだ。
K-POPアーティストの中でもBTSとBLACKPINKしかできないチャレンジだと思う。K-POPが次のステップへと進もうとしていることを明確に示したのである。

BTSのBillboardチャート1位をきっかけにBTSが,そしてさらにK-POPがさらなる躍進をすることは間違いない 

※この記事は去年書いたものです。

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