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撮りに行きたくなる場所

これは言い方をかえると
「撮りに行く場所の決め方」
という事になるのかもしれない。

私の場合、これは極単純なものである。
経緯はこうだ。

ある頃から、
電車通勤の時間をスマホ画面を眺めることだけに費やすのが
なんだか勿体ないような気がし始めたのだ。

これがキッカケとなり思いついたのが、
昔から好きな池波正太郎の文庫本を全巻大人買いし、
読み進めるというものであった。
通勤時間の過ごし方が大きく変わった。
なんとも昭和アナログチックな時間の過ごし方が、
今ではとても気に入っている。

そして池波作品には、
私が住んでいる東京下町の町並みがふんだんに登場する。
しかもそれらの舞台は、
現在でも実在する建物や通り、橋、川や掘割などであって、
どうしたって興味がそそられてしまうのだ。

例えば、
池波作品の代表でもある「鬼平」こと長谷川平蔵が青春を送った「本所」は
私の自宅からでも歩いて行けるし、
その私の自宅は「剣客商売」の秋山小兵衛の隠宅の場所、
「鐘ヶ淵」なのである。

物語を読み進める中で、劇中に登場する場所。
これが私にとっては「撮りに行きたくなる場所」であり、
「お。ここ行ってみよ。」てなもんである。

あの時、
スマホで過ごす時間を勿体ないと思えて、
文庫本を大人買いできた自分を大いに褒めてやりたいくらいである。

なぜなら、
私はカメラや自転車パーツはためらうことなくバカスカ買ってしまうくせに、
文庫本を大人買いするにはちょっとした勇気を必要とする程度には、
人間の器が小さいからである(笑)。

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