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還暦おやじのスタディアブロードWith ウクレレ ⑬

 好きな女を終の棲家ついのすみかにするって?


 ベッドに横になりながらお代官が話してくれた事を思い出している。それにしてもお代官の話は新鮮でとても興味深かった。

その中でも特に、好きな女性を終の棲家にするという言葉には驚かされた。
その言葉から私は、ヤドカリを連想した。
そして、女性のさやの部分、彼流にいうところのマイクケースが棲家で、マイケルの安息の場所という事だろうと考えながら、マイケルがマイクケースに収まるイメージが頭に浮かんできた。

 多分この時、私は相当いやらしい顔をしていただろう。
 そう思うのには理由がある彼とマイケルは別人格であり、彼のマイケルは異常なくらいの女好きで、いつもマイクケースに入っていたいと訴えてくると真顔で言っていたからだ。

 その時お代官は、マイケルと話が出来るんだと言っていた。私はスルーしてしまったが、もしそんなバカなことがあったらマンガだ。なんて、考えながら子供の頃読んでいたマンガの「ど根性ガエル」を思いだしてにやにやしていた。テレビでテーマソングが始まるとワクワクしたものだった。

 サビの部分の歌詞があやふやなのでググってみようとしたが、机に置いたスマートフォンを取りに行くのは億劫なので記憶を手繰たぐってってみることにした。

 そのマンガはたしか中学生のヒロシという少年が転んだ時に、下敷きになったカエルがTシャツに張り付いてしまたという設定だった。カエル君の名前はぴょん吉でヒロシ君と一緒に生活するが、最初のうちはケンカばかりしていたが、やがて親友となるという学園マンガだった。

このイメージが浮かんできたのは別人格が同居しているというのが共通点だからだ。ふと私のマイケルに聞いてみたくなった君は今までの生活に満足しているのか。

疲れているからそんなバカなことを考えているのだろう。もしかしたら、窓が一切ないこの異様なこの部屋の雰囲気がそうさせているのかも。
それに、元来怖がりな私としては本当に何かがいるような気がしてならないし、気味が悪い。
床から何かが出てきたらどうしよう!なんて考えると、怖くて目を開けられない。

気味が悪い!

まったくバカバカしい!そんなことは、ありえない!

気温が少し高い気がするのでエアコンをつけて、明日の為に少し眠ることにする。

 

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