ペルソナシリーズをおすすめする回 2022/06/02

みなさん、アトラス社の大人気ゲーム『ペルソナ』やってますか。まあ、RPGなのでそんな繰り返しやるものではないし、長編なので手を出しにくいイメージもあるでしょう。

なので、私が代わりにペルソナ3~ペルソナ5までを解説いたしましょう。初代ペルソナ、ペルソナ2、トリニティソウルはどうしたかって言われそうですが、わてくし未履修でございます。

メガテンも本格的にやったことないし、デビルサマナーも葛葉ライドウも十三騎兵防衛圏もやってないし、なんならペルソナQもダンシング・ムーンナイトもダンシング・オールナイトもダンシング・スターナイトもザ・ファントムストライカーズもP4Uもやってません!ゆるして!

P3・P5は1週目全コープMAXで全てクリア、P4はPS2版で久慈川りせのシャドウまで倒したけど、アニメで無印・P4G履修済み。そのくらいで勘弁してください。

ペルソナ3

個人的には一番印象に残ったゲーム。月光館学園を舞台にした学園モノでペルソナシリーズは一律で4月1日から来年の4月までの一年を描いた物語で、コミュ・コープなどの関係性を深めるイベントを進行していくことで、主人公の扱えるペルソナ(仮面)が増えていく。

まず、主人公はベルベットルームという青い部屋に行き、ここでイゴールというベルベットルームの主人とエリザベスというエレベーターガールを自称する二人が出迎える。本来ならばペルソナは1人につき1体までだが、主人公は愚者(ワイルド)なので、何体も使用可能。

ここまではすべて共通だが、とにかく登場人物の過去が全体的に重苦しい。P3特有の要素としては『影時間』と『タルタロス』という存在だろうか。部隊となる巌戸台では夜の0時になると『影時間』にアクセスが可能で、月光館学園が『タルタロス』という大きな塔に変化する。影時間に現れる『シャドウ』主人公たちがを倒す理由として『影人間』という無気力状態に至る、もしくはシャドウによって死亡する可能性があるためである。後述するペルソナ5の「パレス」や「メメントス」はこれを踏襲されたものであろう。

『特別課外活動部(S.E.E.S.)』と自称するペルソナ使いと行動を共にし、主人公の「通称:キタロー(CV.石田彰)」の、親友である伊織順平(CV.鳥海浩輔)はとても人間らしいし、ヒロイン枠の岳羽ゆかり(CV.豊口めぐみ)も普段は冷静だけど、可愛らしい一面もある。先輩である桐条美鶴(CV.田中理恵)は桐条グループの令嬢で、真田明彦(CV.緑川光)は頼れる先輩だし、荒垣真次郎(CV.中井和哉)も無骨ながら良いキャラである。他にも非戦闘要員である山岸風香(CV.能登麻美子)やシャドウを迎撃するロボットのアイギス(CV.坂本真綾)や、小学5年生の天田乾(CV.緒方恵美)さんやアルビノで色素が薄い柴犬のコロマルなどもいる。

少し見ただけでも分かると思うけど、声優さんがとても豪華。他にもPSP版の女性主人公の声優さんは井上麻里奈さん、エレベーターガールのエリザベスは沢城みゆきさんと超絶豪華。これは後のシリーズでも同じくらい声優さんが豪華。

そして、アルカナをモチーフにしており、

0.愚者、1.魔術師、2.女教皇、3.女帝、4.皇帝、5.法王、6.恋愛、7.戦車、8.正義、9.隠者、10.運命、11.剛毅、12.刑死者、13.死神、14.節制、15.悪魔、16.塔、17.星、18.月、19.太陽、20.審判、21.世界/宇宙

といった、合計22個のアルカナから成り立っており、コミュの進行度合いやレベルによって解放されるペルソナが変わってくる。このアルカナはペルソナ3では少しでも覚えておくと、より深く楽しめるかもしれない。

ネタバレにならない範囲でストーリーを説明すると、当面の目標はとにかくシャドウの殲滅とタルタロスの謎を解き明かすことであり、毎月満月の夜になるとボスが出てきて、それらをS.E.E.Sのメンツが撃退するという流れである。やはりこのゲームでもっともオシャレなのはペルソナの召喚方法だろう。基本的には召喚器である銃の銃口を頭に突き付けて、自分の中に眠っているペルソナを引き出して戦闘を行う。カッコよすぎる。

BGMもとにかくオシャレで、ラスボス戦の曲はスマブラなどにもアレンジされているし、特に2学期~3学期くらいは感情のジェットコースターというか、主人公の隠された過去であったり、仲間たちの心の傷や戦う意味などがドンドン増えていって、年末にはシャドウの影響が街にまで及ぼすようになっている。

後継のペルソナ5はかなりこのペルソナ3をプロトタイプにしているというか、物語の大筋は少しライトにしつつ、勧善懲悪を行っていくことにシフトしていったが、プロトタイプであるペルソナ3には救いがあまり無い。3以降のペルソナシリーズは女性ヒロインたちと恋愛可能だが、PSP版はシリーズ唯一の女性主人公も選択可能で、男性キャラとの恋愛も可能。

他にもいっぱい語りたいことはあるが、重大なネタバレになってしまうので、気になった方は自分でチェックしていただきたい。後半はかなり陰鬱なので気を付けていただきたいのと、ペルソナは全体的にストーリーのネタバレを踏むと萎えるので、コミュ以外はあまり攻略を見ずに進めた方が得かもしれない。


ペルソナ4

未クリア。アニメはP4・P4Gどちらも視聴済みなので、知識が無いわけではない。

舞台は八十稲羽市やそいなばしという片田舎にある八十神高等学校やそがみこうとうがっこうに、主人公の鳴上悠(番長)が転校してくるという設定で、両親がどちらも海外赴任したことで叔父である堂島遼太郎を伝って、この八十稲羽市で1年間住むことになる。

ベルベットルームでは主人であるイゴールと、一緒にマーガレットという女性が同席しており、マイナーチェンジ版である『P4G』ではマリーという女性もベルベットルームの住人である。

雰囲気だけで言えば、ペルソナ3の世界観よりも明るめではあるが、「マヨナカテレビ」を利用した殺人が起こっているという意味では、P3よりも深刻。むやみやたらに起きているわけではなく、特定の何人かがマヨナカテレビで殺害されている。これらは『シャドウ』および『マヨナカテレビ』が原因であると考え、主人公たち『特別捜査隊』はそれらを未然に防いでいく。

その『特別捜査隊』のメンバーは主人公(CV.浪川大輔)と、普段はおちゃらけているが相棒として頼りになる花村陽介(CV.森久保祥太郎)、明るく元気で緑色のジャージを常に着ていて身体能力も抜群の里中千枝(CV.堀江由衣)、地元では有名な旅館の娘であり美人だが笑いのツボが少しズレている天城雪子(CV.小清水亜美さん)、ヤンキーっぽい見た目だが本当は手芸や裁縫などが得意で優しい性格の巽完二(CV.関智一)、元人気アイドルで豆腐屋の娘であり自分とアイドルとのギャップで悩んでいる久慈川りせ(CV.釘宮理恵)、マヨナカテレビの中に住んでいた謎の着ぐるみのクマ(CV.山口勝平)、主人公たちを危険視している探偵の白鐘直斗(CV.朴璐美)などの個性的なメンツが揃っている。

やっぱり面白いのは現実世界とリンクしていること。そして、殺人事件として一般にも知られていることが、この事態の重大さというかを告げているというか、実際に主人公の叔父であり現役の刑事でもある堂島遼太郎は殺人事件に首を突っ込むのはやめろと注意を促すこともある。

普通の高校生が事件を解決しようとするのはカッコいい。でも、やってることがあんまり事件と関連性が無いことが多いというか、手がかりが後半まで掴めないゲームであることは間違いない。その代わり、少しづつ明かされていく足元を掬われる感覚はやっぱりストーリーの全容を知っている人でなければ気づけないものだと思う。

ペルソナ5が出る前はアトラスの看板を務めたゲームだけあって、作りこまれているし、キャラクターの葛藤や悩みなど『ペルソナ』という意味が他のシリーズとは少し違うかもしれない。P3ではペルソナを発現させることにフォーカスしていなかったが、P4ではペルソナの発現や本人の姿を模したシャドウを倒して、ようやくペルソナを獲得するなど少し異質。

今だとP4GがSteamにて2000円ほどで売っているので、それをオススメする。長年PS Vitaでしか売っていなかったし、いつかやりたいと思って、もう1年~2年ほど過ぎている。一度始めるとクリアまで80~100時間は覚悟しなければならないのだが、この際なので購入しておこう。


ペルソナ5

ラストを務めるのはペルソナ5。ペルソナシリーズでは現状、最高傑作と言えるのではないだろうか。今までの『ペルソナ』はユングという心理学者が提唱したものを基盤としているが、P5はそういった心理学の要素をもっと深堀していった内容でもある。物語でも度々出てくる『認知訶学』というキーワードも大きな軸となる。

まず、主人公(通称:ジョーカーor屋根ゴミ)が、街で歩いていると酔った男性が女性に悪絡みをしていて、それを主人公が注意したところ男性はひとりでに転び、結果として主人公は傷害罪の濡れ衣を着せられ、地元の高校を退学処分させられ、両親の知り合いである佐倉惣治郎に引き取られ、「私立秀尽学園高校しりつしゅうじんがくえんこうこう」に通うことになる。

そこでシリーズ恒例のベルベットルームに行き、主人公は「囚人」と呼ばれ、手錠と足枷をされた状態で、主人であるイゴールと双子の看守であるジュスティーヌとカロリーヌに、ベルベットルームで貰ったイセカイナビというアプリで「認知世界」と呼ばれる精神世界へ突入し、ペルソナを覚醒させ、悪人たちの欲望の象徴である「オタカラ」を盗み、更生させる『心の怪盗団』を結成する。

主人公(CV.福山潤)、「ネコ」のような見た目をしているがパレス/メメントスでは車にも変身できるモルガナ(CV.大谷育江)、元陸上部だがとある理由でグレて問題児扱いされている坂本竜二(CV.宮野真守)、親友が物語序盤で屋上から飛び降りてしまう今作のヒロインである高巻杏(CV.水樹奈々)、高名な画家の元で日々鍛錬に励んでいる画家志望の喜多川祐介(CV.杉田智和)、秀尽学園の生徒会長を務めており、検事の姉を持つ秀才である新島真(CV.佐藤利奈)、とあることがきっかけで心を閉ざし何年も自室に閉じこもったままの佐倉双葉(CV.悠木碧)、オクムラフーズの社長令嬢である奥村春(CV.戸松遥)、秀麗な探偵としてテレビなどでも活躍する明知吾郎(CV.保志総一朗)、新体操の特待生である芳澤かすみ(CV.雨宮天)などがいる。

そして目玉となるのは先ほども少しお話した『パレス』と『メメントス』。まあ、これがボリュームありすぎてね。リアルにクリアするまで2年くらい掛かりました。オクムラパレスの構造が無理すぎて半年くらい放置してたし。

内容としては「ピカレスク」とか「勧善懲悪」みたいな、悪いヤツらを懲らしめていくストーリーなんだけど、やっぱりペルソナだし改心したねチャンチャンで終わるんじゃなくて、自分たちの”正義”っていうのが段々と不明瞭になっていく感じはいいよね。

パレスは強力な野心や感情を持っている主の周りに現れて、例えば学校→城のように精神世界では構造そのものが変化して、パレスの主であるシャドウも主人公たちの怪盗団に対して干渉してくるけど、あくまで精神世界なので現実とはリンクしていない。

パレスの主はいわゆる七つの大罪をモチーフにしていて、「傲慢・嫉妬・憤怒・怠惰・強欲・暴食・色欲」の7つから構成されているが、悪人たちの上下関係や特別な関連性は存在しない。

そして、『メメントス』は巨大な無意識の塊と称されているように、例えば大衆のみんなが「夏はアツい」と思えば、その無意識が集合体としてメメントスに顕現する。しかし、基本的に特定のだれかの意思が介入しているわけではないので、あくまで不特定多数の意見の集合体という胡乱なものである。ネタバレになるのでこれ以上は伏せておこう。

色々と魅力はあるけど、本作は恋愛面では複数の女性と交際が可能で、それを怒られるイベントであったり、正義コープでもあり主人公のライバルでもある明知吾郎との関係性なども見逃せない。

ペルソナシリーズで毎回の恒例となっている海・修学旅行・クリスマス・初詣などに加えて、花火大会や文化祭イベントなどかなりサブイベントが充実しており、ミニゲームや細かい小ネタなども含めて、初心者でも他シリーズプレイ者でも楽しめる仕様になっていると思う。

ペルソナ合成合体周りのユーザーインターフェースはかなりまとまっているし、ストーリーも二転三転が常にあったし、正直なところ初見プレイ時はちょっとずつネタバレを踏んでいったけど、それでも全然物語の根幹に迫るような重大なネタバレは無かったし、とにかく完成度が高い。

それゆえになんでもネタバレになってしまうし、あんまり深くまで突っ込めない。1週目でコープMAXにしたい人以外は、普通に攻略サイトを何も見ずにプレイした方が面白くなると思う。

なるべくペルソナ5 ザ・ロイヤルをおすすめするが、無印でも面白いと思うので環境によって選択してほしい。


【まとめ】
かなり長くなってしまった。こういうのはマジで伝えたいから余計な要素を削りたくないし、仕方ない気がする。

個人的に今から始めるのでおすすめなら間違いなく「ペルソナ5」。ペルソナの花形は「ペルソナ4」。陰鬱なゲームが好きな人は「ペルソナ3」。

ところでみなさん、ペルソナ3~5までのキャラが全員集結してるゲームがあるんですけど、知ってますかね?ペルソナQって言うんですけど。



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