チエルアルコは流星の―

感想・考察は結構見たけれど、雰囲気で何となくわかったふりはできるけど、いまいちはっきりとした答えのでないタイトル。

何が正解とかは置いといて、自分の中で出した答えを一旦まとめておきたい。
これはそういうノートだ。

ネタバレ満載なのでチエルトリコ未所持の方は絶対に見ないほうが良い。
TrueEnd未到達の人も見ないほうが良い。







異邦の青、浮遊する

異邦の青=碧眼のめぐる、演じるはずだった役柄の異邦の子。もしくは異邦の子が見ていたであろう空。

浮遊する=異邦の子に向き合っている最中で彼女に対してかける言葉の答えの出ぬまま役柄が消えてしまい、心が落ち着かない状態。

八宮めぐるの潜在意識の中に沈む"受け入れられないかも"という異邦の青が、無意識下でぷかぷかと浮遊を始めた。これはそれを思い出したエピソード。


同調の水、されど

同調の水=同じ場所場所(水)で暮らすということは必然的に調和のためにある程度の同調を求められる。同調の水から見上げる異邦の青にも繋がる。

されど=水槽の中に棲む熱帯魚の中に1匹だけ色の違う(虹色の)"浮いた"魚、されどその個性(色)は"きれい"

周りとは違うが、"個"を見て、なんか良い。きれいだ。と言う人が居た。

色んな魚と一緒に飼ってあげて欲しい=当たり前の話だが、これは八宮めぐる個人の願望。

そうしてあげたい、というのは「自分が同じ立場に立ったときにもそうしたい」にもなる。それはつまり、めぐるはこの段階で異邦の子にかける答えを見つけた。


無重力のウテナ

これはちょっと解釈が難しくてふわふわしている。

前提知識:ウテナ
1.花の萼(がく) 花弁の土台。花弁の一番外側の緑の部分。
2.極楽に往生した者が座る蓮(はす)の形をした台。
3.高いところから四方を眺めるために建てた建物、あるいは土を詰んで高くした場所。
(こんなのが前提知識!??!)


共通点は、眺めの良いところに至る台。

無重力=浮遊が重力に従い浮かび漂うことであることに対し、無重力は言ってみれば自分次第でどこへでも行ける状態でもある。言葉を探してぷかぷかと浮遊していためぐるの心は、プロデューサーの一言で重力を振り切って自由な心になった。

ウテナ(萼)=「普通の女の子 八宮めぐる」を花とするならば、魅力を咲かせる立場である"アイドル"という立場(概念)はウテナ。「アイドル 八宮めぐる」が花であるならば、それが咲ける場所(ステージ)がウテナ。またアイドル(花)を支えるスタッフ(ここでは当然めぐるに深く関わるプロデューサーのこと)もウテナ。


今日の空、とっても光り輝いてる=すごく単純な話で、直前で少し涙声になったシーンがあるので、涙目を通して見ている空とも取れるし、心の持ちようによって見える景色が異なるとも取れる。

色って心で見ている=同上。視点が変われば心が変わり、意識が変われば見え方は変わる。

私に見せてくれたのはプロデューサーだよ=「同調の水、されど」での異なる視点を見せてくれたこともそうだろうけれど、アイドルという立場(萼)でドラマの配役(ステージ=萼)を用意してくれたことがきっかけで、めぐるの見る空は鮮やかになった。

光輝く鮮やかな空を見せたい

自分がアイドルという立場を通して、誰かの迷いを解き放ちたい―とまではめぐるは思っていないだろう。その人の心はその人にしかわからないと知っているめぐるは、まさにプロデューサーとのただの会話によって"異邦の青"という重力をめぐる自身が振り切るったように、自分の行動・言動によって誰かに少しだけ良い影響が与えられればいい、そういうことを目指しているのだと思う。

気になるくせ毛

異邦の空(同調の水)の下では、周りと少しでも違えば目立つ。
例え他人にとって些細なくせ毛だったとしても、それが気になってしまう程度には、他人から見られた"自分の違和感"を消そうとしていたと考えられる。

しかしこれは心の持ちようで変わった。些細な寝癖で自分の色が変わることはない。
自分の色に自信を持つことに自信をもった八宮めぐるは、気にするほどではないと笑ってステージへ向かった。


無重力のウテナ = 色々と書いたけど、結局本筋としては「普通の女の子 八宮めぐる」を心の無重力に連れて行ったプロデューサーのことだろうと思う。

プロデューサーという萼が、普通の女の子をアイドルに引き上げて、アイドル八宮めぐるを無重力下で咲けるように持ち上げた(恐らくP視点から言えばめぐる自身が勝手に無重力下で咲いたと見えるが、めぐるはプロデューサーのおかげだと思っている)。



チエルアルコは流星の

前提知識:チエルアルコ
世界共通言語を目指して作られたエスペラント語における"虹"を意味する単語。

チエルアルコ=虹。"同調の水、されど"の水槽の中で見た虹色の孤立した魚は、めぐるの意識を変えるきっかけになった。めぐるがPと出会ってあの時の会話で意識が変わったように、いろんな人と出会っていけば、自分の色を許せるようになるときが来るのかもしれない―めぐるにとって虹色はポジティブシンキングの象徴になったのかもしれない。

流星=眩い輝きを放ちながら燃える流れ星。彗星=イルミネーションスターズ。


チエルアルコ(虹)は、流星(イルミネーションスターズ)の目指すべき道(あなた自身の個性を許容する可能性を示唆するものであり、エスペラント語であることを考慮すれば相互理解の促進も望んだもの)と取れる。

イルミネーションスターズ(流星)の活動はチエルアルコという行動指針を通して、世界中の人々に空の色をより鮮やかに見せようとしているのだ。

三者三様のイルミネーションで作られた流星の残光は綺麗な虹色に光っているのだろうな、と思う。



思い出アピール

英語不得意勢には辛いアピール名。

give color = 直訳で「色を与える」。チエルアルコを振りまく流星を表す言葉だと思う。

[For]five color = forgiveはネガティブなものに対して「許す」という意味を持つ。めぐるにとってネガティブであったであろう「異邦」を「受容」した。



ちょっと気になること。

俺も見てみたいな(P発言)=プロデューサーには空が鮮やかには見えてない。これはどこか示唆的に感じるのだけれど…わからん。

特に何か狙ったようなことすら話さず、ただ自然に話してるだけでパーフェクトコミュニケーションを叩き出すパーフェクト超人であるプロデューサーは、今回も特別なことはしていない。
めぐるの仕事を取ってくるという普通の仕事をして、めぐると喋っただけである(だから気に入った)

プロデューサーの目にも光り輝く鮮やかな空が見えるのはいつになるのだろうか。



いっぱい書きたいこと多すぎて全然まとまらなかった…
最初は淡白に結論だけ書いていくつもりで書いていったけど、後ろのほうもう無茶苦茶だよ…

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