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【Baguio, Philippines】圧倒的な熱量、圧倒的な迫力、圧倒的なNight Market

ざわざわざわ・・・
ザッザッ、ザッザッザッ・・・

ピーピーピー・・・
ビービッビー・・・

ガヤガヤ・・・
ガチャガチャガチャ・・・

絶え間なく聞こえ続ける擬音の数々。
それらは途切れることがない。


ここは、フィリピン・バギオシティの中心部。

夜9時を過ぎたところだ。

辺りはまだまだ活気づいているし、車も人もその往来が激しい。

中心部にあるメインストリート「Session Road(セッション・ロード)」の一本隣に「Harrison Road(ハリソン・ロード)」がある。ハリソン・ロードは、これまた中心部にあるメインパーク「Burnham Park(バーナム・パーク)」に沿って続いており、毎晩、大がかりな「Baguio Night Market(ナイトマーケット)」が出現する。

「出現」としたのには、わけがある。ハリソン・ロードは、日中はただの車道なのだが、毎日夜9時を過ぎると片側の車道をぶっ潰して、ナイトマーケットを完成させる。文字通り、ナイトマーケットを「出現」させるのだ。

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片側の車道を丸々マーケットとして使用している。隣の車道では、車がビュンビュン走っている


初めてこのナイトマーケットに出合ったのは、ぼくがバギオに来てから一週間経ってからだった。「ものすごい人の数でごちゃ混ぜな感じの場所だけれども、おもしろい場所」だと、学校の先生たちが口々に教えてくれた。

ぼくが通っていた学校は、平日は建物外への外出禁止だったので、土曜日の夜しかナイトマーケットを見に行くことができなかった(日曜日は夜9時に部屋ごとに点呼があり、それまでに各自部屋に戻っていなければならなかった)。

ハリソン・ロードと「Perfecto Street」が交わる大きな交差点から、ナイトマーケットは始まる。その交差点には、ぐるりと一周して陸橋が架かっている。

陸橋上からハリソン・ロードを見下ろした時、ゾクッとした。驚異が大部分を占めていたと思うが、恐怖サイドから押し寄せる“ゾクリ”とする感覚も少なからず、ぼくの中で芽生えさせた。

純粋に、下に降りたくないな、と思った。

「人、いすぎだろ!」

写真だけ撮って帰ろうかな、そんなことすら思い始めていた。隣の車道では、ひっきりなしに車が信号待ちしたり、走り抜けていったりしている。

・・・どこまで続いているのだろうか、このナイトマーケット。向こう側の端っこが見えないぞ。
・・・ここまで来て帰るか? それは流石にもったいないのではないか、なんてことを考えたり。


ようやく意を決して、陸橋の階段を下りた。

そして、上から見えていた“ぐにゃぐにゃ”と動いていた中へ身を投じた。

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各ブースの商品を眺める「3割」、とにかく前に進むこと・自分の貴重品を盗まれやしないか気を張っておくこと「7割」

それくらいの力量バランスで、前へ前へと進む。

後から調べたが、全長おおよそ350mある。片道を歩き切るのに、一時間半かかってしまった。

ビックリした。


その350mの両端に、フードコート・ゾーンが形成されている。

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地元の人たちを含めて、皆ここでお腹を満たす。こってり・あっさりのガッツリ系のごはんから、あま〜いデザート系までさまざまなジャンルの食べ物が揃っている。何を食したとしてもローカルフードを味わうことができるだろう。

好きな物も見つかるはずだ(と思う)。

***

のめり込んでいったーー。

ほぼ毎週行っていたのではないだろうか。

自ずと学校の先生たちに話す内容も、ぼくの熱きナイトマーケットのおもしろさが多くを占めるようになっていった。それほどだった。


衝撃的だったのだ・・・。


あれだけの人の波を掻き分けながら進んでいくことも、

服やアクセサリー、骨董品からケータイ電話などの電化製品に至るまでそのほとんどが「安いっ!!!」と唸ったり、ダンボールに描かれた値札を二度見したりすることも、

何がうまいだろうかと、フードコートをぐるぐるぐるぐる回って、いろいろな屋台メシに挑戦してみたことも、

写真を撮るならどこの場所が良いのだろうかと方々へカメラ片手にナイトマーケット内を探索したことも、


その空間にいる時間全てが、おもしろかった。

圧倒的だった。


その当時のぼくにとっては、このナイトマーケットを構成する要素全てに当てられていたのだと思う。

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途中、踊り場のようなスペースに出くわす。皆そこでひと息つく。ギターの弾き語りをしている人もいれば、おそらく偽物であろうサングラスを薦めてくる者もいた

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