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『リブルラブル』をきっかけにツインレバーコントローラーを自作した話(『アサルト』と余談が多め)

2021年11月11日にアーケードアーカイブス『リブルラブル』の配信が開始されました。

『アケアカ リブルラブル』Switch、PS4向けに11月11日に配信。ふたつの矢印を操作して、敵を囲んで倒していくアクションゲーム

配信後情報を追ってみたところ、本作での操作は
・アナログスティック2本
だけではなく
・十字キー + ボタン
・2つのコントローラーの十字キー=アケコン2つのレバー
でも可能だということがわかりました。

過去アーケードアーカイブスでリリースされた
・『クレイジークライマー』(マニュアルへのリンク)
・『クレイジークライマー2』(マニュアルへのリンク)
はアナログスティック2本でしか操作できなかったため(未所持ですが『空手道』も同様のようです)、今回は操作の自由度が大きくなりました。

『リブルラブル』が「十字キー + ボタン」操作に対応したということで
・『リブルラブル』(アケアカ版、SFC版(再購入予定))
・『クレイジークライマー』(PS2版)
・『アサルト』(ナムコミュージアムVol.4、将来的にはアケアカも?→2022年9月29日からアケアカ配信開始)
・『イシターの復活』(同上→2022年9月22日からアケアカ配信開始)
に向けて、いつか作ろうと思っていた汎用ツインスティックを自作してみました。

テーマは
基本持っているパーツと工具で組み立てる(*これは後に一部覆す)
極力手間とお金はかけない
・見栄えなどは二の次でとにかく完成させる

で、余っていたレバーの
セイミツ LS-56(グラIIIだと壁に激突しまくって使用を止めた)
・「バーチャスティック」後期型に搭載されていたアスキー製レバー

・ダイソーで購入したプラスチックのケース
をベースに、足りないネジやボタンやケーブルを購入して作成しました。

今回はレバーを購入しなかったことやケースが安いこともあって、トータルの費用は3000円もかかっていないと思います。
*ハンダゴテやテーパーリーマーなどの工具類、ファストン端子などの一部パーツも購入済みだったため費用は安くなっています

ケースがプラスチックで軽いのですが
・コマンド技などを入力するわけではないこと
・常に両手を乗せて操作するスタイルであること
でズレを防止するマットの上では特に問題なく操作できています。

『イシターの復活』、『アサルト』でのボタン操作は、最初SparkFunの大きなボタンをレバーと同時に握って使用するつもりでした。しかし実際に購入して試したところ、これは大きすぎました。

SparkFun COM-09339 φ33プッシュスイッチ(黒)

次にダイソーで購入した細長いプラスチックの化粧水用ボトルに穴を開けてボタンを装着、レバーと同時に握るようにしてみました。

マル信無線電機 MS-350-6 プッシュスイッチ モーメンタリー 黄

あと細長いボタンでも作ってみました。

マル信無線電機 MS-400(黒) プッシュスイッチ (押してON)

結論はレバーと同時にボタンを握るスタイルはどうやっても操作が安定しませんでした。マル信無線電機のプッシュスイッチは軽すぎるため、押していると手の奥に引っ込んでいきます(ボタンをスマホ用リング等に固定→リングを指はめる、などで安定できるかも?)。

なので
・ボタンを装着した化粧水用ボトル内にグルーガンでグルーを流し込む
・中にナット(M6、高さ5mm)を2つ埋め込む
としました。これでレバートップに化粧水用ボトル+ボタンを装着可能になり(トップ画像参照)、アーケードの『アサルト』コンパネと似た感覚で操作できるようになりました。レバートップのネジはM6、高さ1cmがデファクトスタンダードとなっているようです。少なくとも手持ちのレバーではすべて同じです。

オリジナルの『アサルト』で使用されていたレバーはセイミツ製の「LSX-31」です。以下は本気でサムトップレバーを自作した方。


とここまで書いて一旦下書きのまま一時保存していました。

結局このあと
・追加でLS-56とサブガイドを購入
・アスキー製レバーの使用を中止、LS-56 * 2本のレバーに変更
・サブガイドによってレバーを4方向にも設定可能(2方向も可)
という構成に変更しました。

LS-56はサブガイドが標準添付されていません(LS-32やLS-40などはサブガイドが標準添付されている)。

そのため4方向/2方向に固定したい場合は追加でサブガイドを購入する必要があります。
*LS-32用の青のサブガイドとは別物

これで4方向レバーの『アサルト』もプレーしやすくなりました。詳細は後述余談2参照。

今回「もともと余っていたLS-56を使用する」という経緯があったので追加でLS-56を購入しました。しかしその縛りがなければ、方向を固定したい場合はサブガイドが標準でついているLS-32等を使ったほうがお手軽でしょう。


余談1)
アケアカ版『リブルラブル』、ボタンはコンフィグで方向を自由な向きに設定可能です。しかしながらレバーは設定がありません。そのためアケコン2台を縦に設置してプレーできません。昨今のアケコンは大きめのことが多いので「アケコンを縦にできてもいいのでは」と感じました。
ちなみにSFC版はコントローラー2つを"縦に持って"操作する設定があるため、結果としてアケコン2台を縦に設置して操作できます。「バシシブックin'90s」にまりんさん(元電気グルーヴ)がアケコン2台を縦にしてSFC版『リブルラブル』をプレーしている様子が掲載されています。

余談2)
PS1 ナムコミュージアム VOL.4に収録されている『アサルト』は
「レバーが斜めに入ると自機が止まってしまう」
という問題があります。オリジナルの基板でもこの挙動のようです。4方向レバーのゲームだったんですね。『アサルト』向けのツインレバーを作成する場合、4方向レバーガイドが使用できるレバーの使用をオススメします。
なおサンワの8方向/4方向切り替え可能なレバーガイド(GT-8F)の4方向は「強めに入力すると8方向に化けてしまうことがある」らしいです(私自身は未確認→サンワのJLF系と互換があるHoriの「隼」レバーでテストしてみましたが、確かに8方向に化ける場合がありました)。

余談3)
Black 4-Way Super joystick w/ Top Fire Button - 50-4000-10

というレバーを見つけました。レバートップにボタンがありますし
”Available in 4-way or 8-way.  “
なので『アサルト』に良さそうです。

余談4)
Midway Arcade Origins

これに収録されている『ロボトロン2084』は攻撃(レバー右側)の操作がアナログレバー限定で変更不可でした。そのためアナログレバー操作に対応していない今回の自作ツインレバーでは操作できません。

以下の対応を行えば『ロボトロン2084』でも使用できるコントローラーを作成できそうです。実装時はGNDが共通化できない(多分)という理由でコネクタ接続型ではなくファストン端子型のレバーを使ったほうがよさそう←*未検証

このサイトを見てアナログレバーの仕組みが理解できました。アナログレバー部分に3.2Vの電圧が流れていて、電圧の増減でレバーの入力値=レバーをどの程度倒したのかを検出しているんですね。電圧が1.6Vの場合はレバーがニュートラルな状態とみなす、と。
今回買ったまま死蔵していたHoriの「ワイヤードコントローラーライト

で改めて乗っ取りを行ったのですが、テスターで調べたところ確かにアナログレバー部分に3.2Vが流れていました。PS3でもPS4のコントローラーは使用できるので(ただしPSボタンが使用できないなどの一部制限がある)、『ロボトロン2084』でも使用できるはず。と思ったのですが、PS3が受け付けるのはデュアルショック4限定だったかも。これは機会があったら確認、追記します。

余談5)
『忍者龍剣伝』(AC版)、『SDI』などでもサムトップレバーが使用されていますが、『Nova2001』もサムトップレバーだった場合があると知りました。サムトップがメーカー出荷設定だったのでしょうか?でも『Nova2001』は2ボタンでも操作感がさほど変わらない気がします。

余談6)
アケアカ版とPS2版『クレイジークライマー』には大きく以下の違いがあります。

・BGM→PS2版はJASRACと契約しオリジナルの基板と同等のBGMが使用されている、アケアカ版は似たBGMに変更
・操作→PS2版は十字キー + ボタンで操作できる、アケアカ版は先述の通りアナログスティック2本

アケアカ版『ぺんぎんくんWARS』では石川秀美の『もっと接近しましょ』
が使用されています。

http://www.hamster.co.jp/arcadearchives/PKW.htm
でJASRACの許諾番号を確認できます

『ぺんぎんくんWARS』配信開始時の
第231回 アーケードアーカイバー お正月スペシャル!」(Switch版リリース)
だったか翌週の
第232回 アーケードアーカイバー」(PS4版リリース)
でのハムスター社の濱田社長曰く
「手続きなどが大変なのでぺんぎんくんWARSのJASRAC許諾は特例だ」
という旨の発言があったと記憶しています(*現在過去配信が見れず記憶に頼って書いているので詳細な言い回しは曖昧です、また発言があった回が異なっている可能性もあります)。
なので今後アケアカでオリジナルBGM版『クレイジークライマー』が出る可能性は低いと思われます。
個人的には
「BGMの権利料の分価格を上げてオリジナルと同等にして欲しい」
というのが正直な気持ちです。あと曲差し替えはしょうがないとしても『フロッガー』のように無音はやめてほしいところです。

『アーケードアーカイブス ぺんぎんくんWARS』Switch版が配信中、1月9日よりPS4向けに配信開始。個性豊かな動物たちとの白熱のボール合戦!

第231回 アーケードアーカイバー お正月スペシャル! - 2020/1/2(木) 19:00開始 - ニコニコ生放送

第232回 アーケードアーカイバー - 2020/1/9(木) 19:00開始 - ニコニコ生放送


【了】


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