アイレム関連ニュース私的まとめ(2023年~)(*2023/11/21更新)

*以下補足がない限りアイレムは旧アイレム社(現アピエス社)を意味しています。


『アイレムコレクション』という、アイレム作品をまとめた作品集が発売されることになりました。

アイレムのアーケードと家庭用の名作を最新機種に復刻する「アイレムコレクション」シリーズが始動!第一弾の収録タイトルも決定し、年内に発売予定!!

「アイレムコレクション」プロジェクトについて
「アイレムコレクション」はTozai Gamesが、アイレムソフトウェアエンジニアリング株式会社、独United Games Entertainment社(ININ Games、Strictly Limited Games)とのパートナーシップにより実現しました。

https://tozaigames.co.jp/press/20230426.html

Tozai Gameは創業者の1人が元アイレムのスコット津村さんであり(『ムーンパトロール』のプロデューサー)、『R-Type Dimensions』(Ex)のパブリッシャーを担当していたりなど、アイレムのゲームの権利を保持しているアイレムソフトウェアエンジニアリングと話をつけやすい状況だったのかもしれません。
今のアイレムソフトウェアエンジニアリングにアイレムのゲームを扱える人(セガの奥成さん的な人)はいないと思われますし、またアイレム時代のゲームを復刻(エミュレート)する技術力があるとは思えないため、Tozai Gamesにハンドリングを任せるのは適切な選択肢の一つだと思います。

『アイレムコレクション』に伴い今後アイレム関連のニュースが増えると思われます。また最近アイレム作品に関わった人たちがTwitterを始めました。
将来への備忘録としてアイレム関連の話を拾っておく、というのがこの記事の趣旨です。
本記事は気になるニュースを見かけたら随時更新、追記していきます。

余談ですがININ Gamesの"ININ"は

ININ translates as "mandate" in Japanese.

https://www.iningames.com/about/

日本語の"委任"(mandate/delegationじゃないんですね)から命名したとININのサイトに説明がありました。今まで「アイエヌアイエヌ」もしくは「インイン」と読むのかと思ってました。


2023/11/21

日本でSwitchとPS4/5向けダウンロード版『アイレムコレクションVol.1』発売開始、開発はラタライカゲームスによって行われていることが判明。

購入した人たちの感想をXで読む限り
・『イメージファイト』は連射が遅い、アケアカ版のように連射裏表のような設定はない
・細かいバグ、不具合等あるようだが今のところ致命的な問題は発生していない模様(*記述時点で見つかってないだけかも→トロフィーバグ)
・微妙に遅延ある?(*検証動画がないため細かいことは不明、微細な遅延は感じ方に個人差があるため感覚は当てになり辛い)
・ステートセーブは6つまで、過去ラタライカゲームスが移植した『ファンタズム』と同じ
のようです。

「連射が遅い」は正直デバッグ中に気づくと思うのですが、このような部分を放置すると「結局アケアカの方が良いデキじゃないか」という評判しか産まないため、2020年代のアケ移植としてきっちり対応/修正するべき点でしょう。
連射対応の甘さから想像するに、「現状アイレムコレクションはスコアラーにチェックしてもらっていない可能性が高い」と思われます。

今回ラタライカゲームス社をちゃんと調べてみたのですが

当社についてスペインを拠点にゲーム開発・移植・販売を行うRatalaika Games S.L.(ラタライカゲームス)です!

http://ratalaikagames.jp/

で、エミュレーションによる移植実績(2023年11月時点)は

https://www.ratalaikagames.com/games.php

でした。
『グレイランサー』、『シュビビンマン』シリーズなどを移植していますが、アーケードゲームのエミュレーション移植実績は『ファンタズム』(Avenging Spirit)の1本です。

Vol.1のパッチのリリース、今後リリース予定作品のクオリティアップに期待したいところです。


2023/10/14
元アイレムのGoriganさん(https://twitter.com/gorigan)が『アイレムコレクションVol.3』及びPCエンジン版『ドラゴンブリード』について言及。

以下の石田雅彦さんのポストとリプライから察するに、Goriganさんは
『Mr.HELIの大冒険』(1987年)のランキングの"T.TANABE"
『イメージファイト』(1988年)のランキングの"NABE"
『ドラゴンブリード』(1989年)のランキングの"NABE.."
かな。

『ドラゴンブリード』のランキングでは初期値だとトップに"NABE.."とあるので、(『R-TYPE』、『イメージファイト』のランキングの法則に当てはめると)Goriganさんは『ドラゴンブリード』の企画担当だと思われます。


2023/10/11
『IREM Collection Vol.3』の収録タイトルが発表される。『ミスターヘリの大冒険』(AC、PCE)、『魔法警備隊ガンホーキ』(AC)、『ドラゴンブリード』(AC)。

もともとVol.3は以前書いたように(下記2023/4/26参照)

Games included in the Volume 3 of the irem Collection are still to be confirmed.
First hint: Get ready to fight!

https://web.archive.org/web/20230505062007/https://www.strictlylimitedgames.com/collections/irem-collection-vol-1/products/irem-collection-vol-1-5-bundle-playstation-4
*このリンクは下にスクロールすると自動でリロードされるため非常に見づらいです、Ctrl-A→Ctrl-Cなどでページ内容をコピー後エディタ等にペーストすることで内容が確認できると思います

だったのですが、今回は当初のVol.4であった

Games included in the Volume 4 of the irem Collection are still to be confirmed.
First hint: Arcade SHMUP adventures!

https://web.archive.org/web/20230505062007/https://www.strictlylimitedgames.com/collections/irem-collection-vol-1/products/irem-collection-vol-1-5-bundle-playstation-4

がVol.3としてリリースされることになったようです。順番の入れ替えが行われた理由は見つけられませんでした。

ここを追記時点での話となりますが、『野球格闘リーグマン』リメイクの情報がCRTゲームズのサイトから消えています。今回の順番の入れ替えが「リーグマンが権利問題で揉めているため」などではないことを願うばかりです。
なお「揉めている」という発表があったわけではなく、ワーストケースとして私が憂慮しているということです。そもそも『アイレムコレクション』へのリーグマン収録も私の願望でしかなく確定した事項ではありません。
ただ少なくともアンカバはリリースされそうな雰囲気です。

ちなみに私はガンホーキが好きなので、このVol.3は素直に嬉しいです。


2023/09/20
アイレムコレクションVol.1の公式サイト(日本語)がオープン。
2023/09/21から行われる東京ゲームショウ2023へのプレイアブル出展も発表される。

正直イメファイもマルチプライもすでにデキが良いアケアカ移植がリリース済みという状況ですが、その上でこのVol.1はどの程度売れるのでしょうか。イメファイ2が目玉?Xboxしか持っていないユーザーにはそれなりに売れる?
「パッケージ特別限定版には今田真二さんの新規インタビュー収録!」
とかだったら私は迷わずパッケージ版を買いますが、今のところインタビュー収録などはなさそうです。


2023/08/21
アイレム作品、『メタルスラッグ』関連の作品で多数作曲をした冷牟田卓志さんnote開始。

海外版『アンダーカバーコップス』は先行販売であったこと、後発だった日本版『アンダーカバーコップス』では冷牟田さんの進言で

PCMROM容量増加とサウンドドライバー改造を開発部長に直訴

https://note.com/hiya_soundunit/n/n51bab5fc9bea

が行われたそうです。
私が「海賊版かファンメイドかな?」と思っていた海外版『アンダーカバーコップスα』はオフィシャルで開発されたモノでした。

SFC版『アンダーカバーコップス』はみぃはぁさんが開発に関わっていたそうですが

BGMもAC版同様冷牟田さんが担当しており、SFC版アンカバの質が高い理由がわかります。


2023/07/14
『IREM Collection Vol.2』の収録タイトルが発表される。『ガンフォース』(AC、SFC)、『ジオストーム(ガンフォース2)』(AC)、『エアデュエル』(AC)。

Vol.2は
"First hint: Arcade SHMUP action!"
ということでしたがアクションシューティング(『ガンフォース』シリーズ)と純粋なシューティング(『エアデュエル』)が収録されることになりました。


2023/05/15
『メタルスラッグ』の精神的続編とも言える
Black Finger JET(ブラックフィンガージェット)
の開発開始が発表されました。

昨日

ここ2ヶ月で元アイレムスタッフが続々Twitterに参入するのは、『アイレムコレクション』が関係しているのでしょうか?

と書きましたが、この作品のためだったようです。

アイレム関連というよりナスカ/SNK関連という感じもしますが、まあ元アイレムスタッフ集結作品というとこで。


2023/4/14頃~

『アンダーカバーコップス』、『メタルスラッグ』シリーズ等の作曲を担当した冷牟田卓志さんTwitter開始。
https://twitter.com/Hiya_Unit/

記述時点でTweetはありません。

ここ2ヶ月で元アイレムスタッフが続々Twitterに参入するのは、『アイレムコレクション』が関係しているのでしょうか?


2023/4/26
ININ GamesのTwitterアカウントにて『IREM Collection Vol.1』のリリースがアナウンスされる。
プラットフォームはSwitch、PS4/5、Xbox、収録タイトルは『イメージファイト』(AC、PCE、FC)、『イメージファイトII』(PCE)、『Xマルチプライ』(AC)。

↑このTweetではVOLUME 1となっていますが、ININのサイト上では

VOL.1となっており、ナンバリング表記にブレがあるようです。

IREM Collectionは
・1度に複数作品を収録
・家庭用も収録
ということでM2ショットトリガーズの東亜プラン作品集と同じ方向性です。

本記事記述時点でStrictly Limited GamesのサイトではVol. 1~5がセットになったパッケージ版の予約も始まっています。

Vol.1は"Release Q4 2023"、以降四半期ごとにリリースを行いVol.5と上記Vol. 1~5のセットは"Release Q4 2024"の予定。ワリと早めのペースです。以前から仕込みを行っていたということなのでしょう。

Vol.3("Release Q2 2024"予定/記述時点で約1年後)は

Games included in the Volume 3 of the irem Collection are still to be confirmed.
First hint: Get ready to fight!

https://www.strictlylimitedgames.com/collections/irem-collection-vol-1/products/irem-collection-vol-1-5-bundle-playstation-4

ということで『アンダーカバーコップス』が収録される可能性がありそうです。
『野球格闘リーグマン』はDrewさんと折り合いが付けばNinja Baseball Bat Man』(英語版)も収録できるのかも?リーグマンの続編(リメイク?)も2024年リリース予定となっているので、移植と続編が同年に発売される可能性もありそうです。


2023/04/14~
アイレム及び『メタルスラッグ』シリーズを象徴するドット絵で有名なakioさんTwitter開始(名前は全て小文字が正式な表記?)。
https://twitter.com/akio_1963

akioさんがTwitterを開始したことはニュースにもなりました。

『R-TYPE』や『メタルスラッグ』のドット絵を手がけたデザイナーのAKIO氏がTwitterアカウントを開設

名作アクションゲーム『メタルスラッグ』の原点となるラフ画が公開!『R-TYPE』などでも知られるドット絵デザイナーakio氏のTwitterアカウントにて

ニュース記事は他にGame*SparkINSIDEガジェット通信など。

アイレムは『R-TYPE』をリリースするまで(AC版『快傑ヤンチャ丸』の頃まで)「業績がイマイチだった」という噂を聞いたことがあるのですが

↑このTweetを見る限り本当の話だったようです。

akioさん関連の余談。
1991年のファミ通のインタビュー記事にakioさんの後ろ姿の写真が掲載されています。後ろ姿とはいえakioさんの写真は非常に珍しいのではないでしょうか。

I made that! – 1991 Developer Interviews

初代『R-TYPE』を企画した今田真二(ABIKO)さんは1989年にアイレムを退社済みのためこの記事には出ていません。


2023/03~
野球格闘リーグマン』、『メタルスラッグ』シリーズ等のプログラムを担当した安藤健二さんTwitter開始。
https://twitter.com/keandoh


2023/02/11~
『アンダーカバーコップス』、『メタルスラッグ』シリーズ等の企画者であるみいはあさんのTwitter(https://twitter.com/meeher00)がアクティブになり、過去イラスト等の投稿開始。
(*アカウント自体は2011/02から存在)

みいはあさん関連の余談。
『メタルスラッグ3』が発売された2000年頃の、みいはあさんSNK在籍時のインタビューがまだ残っています。
開発スタッフインタビュー


*以下アケアカ関連の余談と雑記

2017/11/30
アーケードアーカイブス アイレム作品第1作目『ジッピーレース』配信開始

「アーケードアーカイブス」シリーズでアイレムのACゲームを配信決定!

2019/11/21
アーケードアーカイブス アイレム作品第10作目『海底大戦争』配信開始

PS4/Switch用「アーケードアーカイブス 海底大戦争」配信決定

アイレム作品はアーケードアーカイブスとして約2年間で10作品リリースされました。

『海底大戦争』がリリースされたということはハムスター社でM92を解析済みということで、2019年頃は「アケアカでアンカバやガンホーキのリリースもありえそう」と期待していたのですが、結局『海底大戦争』でリリースは止まってしまいました。
アイレムソフトウェアエンジニアリングが許諾を出さなかったのか、アケアカ『海底大戦争』リリースの頃にはすでにアイレムコレクションが進行していたのか。またはハムスターでアイレム作品のリリース優先順位が下がってしまったのか。何にせよアケアカでアイレム作品が出なくなったことは、個人的には非常に残念でした。

2018年に電ファミニコゲーマーで行われた移植希望アンケート
ゲームファンが今遊びたい過去の名作とは?“現行ハードへの移植希望タイトル”アンケート集計結果をエムツーと分析してみた

では『アンダーカバーコップス』が移植希望ランキング9位で、ベルスクとしては最も高い順位です。
2023年現在、改めてアンケート結果のランキングのリスト(*PDF)を見ると、この5年ほどでランキング中の複数の作品がリリース済みとなっていることがわかります。

【了】


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