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まったく違う分野のプロの仕事をみて気づいたこと

 久しぶりに嫁と芸術鑑賞ということでお出かけしてきた。画像はない。

 火のついた蝋燭の蝋を垂らして、そこに筆をいれて絵を完成させるというイベントをやっているとのことであった。このイベントは会場自体が非常時小さく小人数で開催されており、絵を描いていある間お客さん同士で、何なら絵描きの方とも雑談できるという具合であった。ざっくばらんな感じで座りながら掛け合いつつ、絵が出来上がるのを皆でみていた。

蝋燭の蝋を上から垂らすわけだが、ある程度狙ったところに落とすことはできるが、ピンポイントで狙った場所には落ちないものである。この段階では、ただの蝋がいくつかに散っただけの状態である。正直この状態から何が出来上がるのかまったくわからなかった。

 そうして偶発的に落ちた蝋の周りに筆を入れていく。最初は蝋に重なるように赤い色の具材を小さな筆で少しずつ塗っていく…塗っていく。これだけみてもまだ何が出来上がるのかまるでわからなかった。

 その後、大き目の筆をもって墨汁のような黒の具材で蝋が垂れた後を一気につないだ。今の時節柄にふさわしく、満開の梅の木がそこにあった。

 この作者は一体どこからそれがみえていたのだろう、と!なるほど、これがプロの仕事か、と。

『断片的な情報から、全体を見通して、
 一つの仕事として完成させる。』


 仕事を完成させるにあたっての全体の工程の把握と、それらを可能にする技術や技能。これはどの道のプロの方にも共通しているものだと。いたく感銘を受けた。

 一応参加費無料であったのだが、おひねりタイムがあるとのアナウンスがあり、さっそくいってきた。絵描きの先生に払いつつ、ついでに名刺をお渡しした。「プロの仕事を見せていただき、ありがとうございました」、と。

 私も春から行政書士事務所を開業予定で、登録審査を待ちながら準備しているところであるが、いわばプロになるわけである。当然それなりには勉強したが、勉強したことがまったくそのまま当てはめられるかと言われるとそんなことはなく、想定外の要素があるのがむしろ当たり前、なのだろう。

 そんなイレギュラーな要素を臨機応変に対応しつつ、仕事を完成させるためのロードマップを描き、足りないものを補い、仕事を完成させる。私もかくありたい。



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