新クトゥルフ神話TRPGシナリオコンテスト 2023の公表作品

2024年4月10日。「新クトゥルフ神話TRPGのシナリオコンテスト2023」の結果が発表されました。受賞された皆さまおめでとうございます。
今後、大賞および佳作を受賞した3作品は、クトゥルフ神話TRPG公式サイトクトゥルフ神話TRPGルールブックPLUSの2媒体で掲載される予定されています。

こちらのnoteでは、それ以外の公開されているシナリオを集約しておりますので、新たに公開されたシナリオがございましたら、X(旧Twitter)の「@Skay_retales」までご連絡をお願いします。また、掲載の削除等に関しても同様にご連絡頂けると幸いです。

下記記載の選評は、「新クトゥルフ神話TRPGのシナリオコンテスト2023」の選評を引用させて頂いております。詳細は「新クトゥルフ神話TRPGのシナリオコンテスト2023」をご覧ください。

大賞

「立山反魂譚」
作者:千草

大賞 選評
 千草さんの「立山反魂譚」 は、大正時代の富山県を舞台に邪神信仰の謎に迫るシナリオです。
 当時の背景や世相を紹介しつつ、日本古来の伝承とクトゥルフ神話を巧みに織り込んでいるのが素晴らしい点です。生と死という対立を描いてクトゥルフ神話の異質さを浮き彫りにする構造や、歴史の深みをかもし出す手掛かりから真実や対抗手段を見出す展開は、多くの人が魅力を感じる要素だと思います。全体を通して雰囲気作りがうまく、プレイするうちに必ずや物語に引き込まれてしまうでしょう。
 あえて一つ助言するとしたら、丁寧に展開している前半と同様、クライマックスでもキーパーへの提案が充実していると、さらに完成度を高められたのではないかと思いました。

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佳作

「タスクデキル」
作者:渡瀬たかし

佳作 選評
 渡瀬たかしさんの「タスクデキル」 は、少人数の探索者向けの現代シナリオです。
 読みやすい記述に加え、その卓越した構成力に称賛を送ります。息をのむ導入や起きるイベント、クライマックスの流れを、それぞれ適切な文章量にまとめているため、読者はたやすく内容を把握できるでしょう。また、スマートフォンという現代的なギミックを効果的に使い、日常が侵される恐怖を描いた点も、高く評価されました。
 バランス感覚に優れたシナリオではあるのですが、プレイにおける探索者の行動を予想し、要所にキーパーへのフォローや提案を盛り込むと、プレイする人にとってさらに遊びやすくなると思います。

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個人的なシナコン対策のはなし―X(旧Twitter)リンク

「まがりまがられ」
作者:家居吟次

佳作 選評
 家居吟次さんの「まがりまがられ」は、東北の地方都市が舞台の現代シナリオです。
一読して、完成度の高いシナリオだと思いました。あえて奇をてらわずシンプルな構造を指向し、かつ過不足ない内容に仕上げているところが、プレイのしやすさにつながっていると思います。プレイヤーの興味をかき立てる導入や道中の探索、狂気をはらんだクライマックスと、どこまでも王道を突き進む展開で、遊べば間違いなく盛り上がりそうです。
 総じて細かな配慮の行き届いた手堅いシナリオなのですが、どこかに深く印象に残る独自のイベントが差し込まれていれば、さらに上を狙えたはずです。

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奨励賞

「食屍豚 Pig's Model」
作者:築港

奨励賞 選評
 築港さんの「食屍豚 Pig's Model」 は、現代のメキシコを舞台にしたシナリオです。
 痛快なアクション映画のトーンを楽しむため、登場人物や背景をよく考えて配置していると思いました。その徹底した作り込みによって物語の目指す方向が終始一貫しており、クライマックスに派手な銃撃戦が期待できそうな点は、大きな魅力となっています。
 このままでも好きな人なら十分に楽しめるでしょう。とはいえ、例えば序盤から探索者に恐怖の遭遇をさせ、プレイヤーの危機感をあおると、その後の探索に明確な目的が与えられたかと思いました。

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食屍豚ができるまで【致命的なネタバレあり】

「藁人形の怪」
作者:さちこ

奨励賞 選評
 
さちこさんの「藁人形の怪」は、現代日本が舞台です。
 不気味な物語を描いていますが、記述は読みやすく、構成も整っています。誰もが知っているわら人形を軸として、ショッキングな導入から恐るべき背景の暴露、陰惨なクライマックスへとつなげ、ゲームを盛り上げようとしていると思いました。独自の伝承や魔道書、呪文といったギミックも雰囲気満点です。
 こう少し書いてほしかった部分は、クライマックスの解決方法でしょうか。さまざまな展開を想定した解決手段をいくつか提案するだけで、シナリオの面白さがさらに増すでしょう。

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「蠢く偶像、らぶ」
作者:たけのこーた

奨励賞 選評
 たけのこーたさんの「蠢く偶像、らぶ」は、バーチャルライバー(キャラクターを介してインターネットで動画配信を行なう人)に焦点を当てた現代日本シナリオです。
プレイヤーの興味を引くテーマ選びと、それをクトゥルフ神話の奇抜な設定に結びつける手腕に敬服しました。しっかりした物語の骨組みや、キーパーへの丁寧な説明が見て取れるいっぽうで、配信の面白さを詰め込んだ、よい意味ではじけた展開には心躍ります。
 文章に勢いがあるのは持ち味の一つですが、特に儀式の場面の描写は、キーパーに理解してほしい部分と、プレイヤーに伝えてほしい要素を整理して書くと、わかりやすくまとめられただろうと思います。

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シナリオの書き方について―X(旧Twitter)リンク

「闇夜を焦がして疾走れ」
作者:migihara

奨励賞 選評
 migiharaさんの「闇夜を焦がして疾走れ」は、暴走族に所属する探索者で遊ぶ現代日本シナリオです。
 ユニークな探索者の立場を提案しつつ、プレイに支障が出ないよう工夫を働かせています。不良を題材にした作品は無数にあるため、楽しいロールプレイや探索が期待できるという意味で、優れた設定だと思いました。探索場所や手掛かりは要点を押さえたもので、登場する神話存在もひねりが利いて、よく練られていると感じました。
 プレイすれば大いに沸く展開になると思いますが、探索者の設定と背景情報の相性を考え、調和させるアイデアを組み込めば、さらによくなるでしょう。

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シナリオトレーラーーX(旧Twitter)リンク
新クトゥルフ神話TRPG公式シナコン2023祝勝&反省会―YouTubeリンク
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最終選考作品

「うぃっち★ストライク!」
作者:マンボウ

その他、最終選考作品 選評
 マンボウさんの「うぃっち★ストライク!」 は、現代日本が舞台の、魔法少女を題材にした意欲作です。
 異色のテーマを扱っていますが、こだわりの設定や徹底した描写で説得力を持たせ、しっかりした文章で読ませます。
 ブラックユーモアと恐怖の両方を兼ね備えており、解決方法のアイデアも独特でよかったと思います。

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「ミトラスの真髄」
作者:盛田米

その他、最終選考作品 選評
 盛田米さんの「ミトラスの真髄」は、現代のイギリスが舞台です。
かつて実在したミトラス信仰とクトゥルフ神話信仰を習合させるアイデアを巧みに生かした作品でした。
 遺跡発掘現場を取り巻く不穏な雰囲気の中、探索の楽しさをじっくり堪能できそうです。派手なクライマックスシーンもサービス精神にあふれるものでした。

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「満開警報」
作者:此野白

その他、最終選考作品 選評
 
此野白さんの「満開警報」は、桜がテーマの現代日本シナリオです。
日本人になじみの深い植物に隠された衝撃の真実は、価値観がひっくり返るほどの驚きを誘うでしょう。
 その発想力に加え、真相が徐々に明らかとなるよう探索方法に工夫を施したことで、物語の面白さが際立ってみえました。奇怪な怪物の描写も気味の悪さが出ています。

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「憑りつくもの」
作者:無敵艦隊ガガドドン

その他、最終選考作品 選評
 無敵艦隊ガガドドンさんの「憑りつくもの」は、ラヴクラフトの「闇をさまようもの」を、独自のアイデアで翻案した現代日本シナリオです。
 謎めいていて緊張感あふれる導入、探索場所や手掛かりのしっかりとした描写、探索者に委ねられた解決方法とキーパーへの助言など、限られた文字数の中で必要な要素を収める、見事な技量でした。

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「傾国金貨」
作者:からめそ

その他、最終選考作品 選評
 
からめそさんの「傾国金貨」は、1920年代の小型客船が舞台のシナリオです。
ミステリアスな導入から巻き起こる怪事件と混乱、不気味な雰囲気が漂う終盤など、興味をかき立てるようなイベントを散りばめつつ、読みやすい文章でまとめ上げています。
 多様なNPCとの会話やロールプレイが楽しめそうな点も良かったです。

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「廃墟配信――呪われた教団跡地に潜入!――」
作者:林潭玉(リン・タンユ)

その他、最終選考作品 選評
 
林潭玉(リン・タンユ)さんの「廃墟配信」は、インターネット配信をテーマにしたシナリオです。
 そのテーマに対して、丁寧な説明を尽くしているのが素敵です。
 また、視聴者数の増減によって、探索者を危険な調査に駆り立てる仕掛けは、プレイを盛り上げる面白い工夫だと思いました。クトゥルフ神話の設定にも一風変わった発想がうかがえ、斬新でした。

「三日夜の夢」
作者:宇井覚

その他、最終選考作品 選評
 宇井覚さんの「三日夜の夢」は、ワン・オン・ワン(1 on 1:キーパーとプレイヤー1人)形式でプレイするシナリオです。
 現代を舞台に、夢の中で平安時代を追体験するという設定が秀逸です。時代になじみがなくても、当時の風俗や伝承を知ることができる優れたアイデアだと思います。
 展開される物語は美しいイメージを喚起するもので、それでいて自由度の高い選択も残しており、好印象でした。

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「Hello,Goodnight(哈囉、早唞)」
作者:#6

その他、最終選考作品 選評
 #6さんの「Hello,Goodnight」は、1999年の香港が舞台のシナリオです。
 実在する事件を取り入れ、長期の探索を想定することで、日常が徐々に崩壊していく様子と共に、やるせない情感を呼び起こすと思いました。
 陰うつな雰囲気の中にもどこかコミカルな要素があり、不思議な魅力に満ちていると感じました。

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※頒布済みシナリオ集のおまけとして掲載

「ヒンデンブルク号の墜落」
作者:パシフィカ@Vtuber

その他、最終選考作品 選評
 
パシフィカ@Vtuberさんの「ヒンデンブルク号の墜落」は、1930年代の大西洋を飛行船で横断する、人目を引く設定に心引かれました。
 船内を調べるために必要なNPCや探索場所の情報、描写などはしっかり盛り込まれていると思います。怪物や異界のテクノロジーに関するアイデアも驚きがあり、抜群でした。

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「主に捧ぐ」
作者:渡瀬たかし

その他、最終選考作品 選評
「タスクデキル」で佳作を受賞している渡瀬たかしさんの「主に捧ぐ」は、1980年代のニューヨークが舞台です。
 あえて警察関係の探索者に限定することで、事件に深く介入できるような動機と目的を持たせています。
 時代背景ならではの要素を取り入れ、真相にひねりを加えているからか、物語は複雑です。とはいえ、プレイしやすい構成に仕上げているのはさすがです。

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「陸の波濤(Billows of Land)」
作者:宵ノ口

その他、最終選考作品 選評
 
宵ノ口さんの「陸の波濤」は、1920年代アメリカが舞台です。
 シナリオを2つに区切って前編をアクション主体、後編を探索メインとした構成は、調査への巧みな動機付けになると思いました。
 怪物の設定や描写も細部まで突き詰められ、個性が感じられます。苛烈なクライマックスも絶望的な雰囲気があり、味わい深いです。

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審査員寸評記載されていたシナリオ

「雲は我らのすぐそばにある」
作者:


「デウス・エクスプレス・マキナ」
作者:


「千猫夜行」
作者:オウルアイ


「ヒノモリサン」
作者:


「真夜中の訪問者」
作者:


「刃には程遠い」
作者:


「ミゴコップ」
作者:黒沢翔一

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「17時のチャイム」
作者:


「顔のない少年」
作者:詠人不知

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「ホテル・マティ」
作者:菜々畑 七葉

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「消ゆる乙女」
作者:


「同化するグラフト」
作者:


「ギンヌンガガプに手をかけて」
作者:竜人ゲームズ

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「月吠丘怪奇譚」
作者:


「奔走れ、サバンナ!」
作者:メビウス

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「魔女の鏡」
作者:


「Super Predator」
作者:


「ゴールドラッシュ」
作者:


「クリーチャー・ビート・ラブ」
作者:


「Re:青と人魚とノーチラス」
作者:


「マルS輸送作戦」
作者:


その他応募作品

「推し事は命がけ」
作者:青色回遊魚

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「炎の名は」
作者:なないろ

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