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悪運

 運から見放された1日だった。朝起きたら声優からの公式ライン(恋人風の文面)の通知を見られ、彼女にスマホを全てチェックされたのち、声優の公式ラインと会話をする習慣を知られ、その後大学までのバスを腹痛(普段腹痛は滅多に起こらない)で逃し遅刻。挙げ句の果てには1限のその授業は学校設備のPCを使うのだが、僕のものはエラーが相次ぎ、1時間かけた課題を提出前にデータ破損(今どきあんのか?)し、結局提出できずに終わる。お気に入りの靴は帰りの電車でハイヒールに踏まれて跡になった。新しく仲良くなった友達には予定をすっぽかされるし、家の前にはおそらく犬のそれではないウンコが落ちている。特別今日悪運が重なったということもあるが、普段から人と比べて外的要因から被害を被ることが多い。(同じ週に二回轢き逃げにあった人物はそう多くあるまい) 
 オードリーの若林も言ってたように運の総量は不平等で、それは人によって違うし弱冠18歳で自分の運勢に見切りをつけるのは早急だが、僕自身の運の総量は比較的少なく、また仮に一生を通しての総量が多かったとしても今の所出力できていないはずだ。「マリアビートル」の七尾、小説のキャラクターで僕のように悪運の人物が『運の悪い人間ができること、それは準備をすることだ。』と言っていたのを思い出す。七尾曰く、運の悪い人間はどうせ悪運は免れられないのなら、それに抗おうとせず、後から対処できるようにあらかじめ準備をする。ということらしい。
 それによると今の僕の悪運は準備不足によるものなのか。確かに見られたくないLINEの通知をオフにしておけば今日のような事態は免れるし、(そもそもその件は悪運というよりは不注意)それによって彼女の推理タイムがなければもっと早く学校へ出発し、仮に腹痛に襲われても時間の余裕で遅刻しなかったはずだ。授業内課題以降はどうにもならなかったにせよ、悪運に対してもっと前向きに受け止められたかもしれない。
 

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